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大江戸玩具桃色屋 その壱
「蜜柑(みかん)! 蜜柑~!」
 奥からけたたましく呼ぶ声がして、店番をしていた蜜柑は少々うんざりとそちらへ顔を向けた。
 やわらかい猫っ毛の長髪がふわりとうごいて、大きく開けた振袖の胸元へ流れていく。厚い生地をも押し上げてやまないその胸をくすぐる髪をかき上げ、蜜柑は一呼吸置いてから返事をかえした。
「なぁに? 林檎姉(りんごねえ)」
「ちょっとちょっと」
 奥の自室――兼研究室から次女の林檎が呼んでいる。普段から冷静沈着な林檎が声に昂奮を滲ませているときは、どうせロクな用事じゃないことを蜜柑は承知していた。
「あたし店番してるんだけど」
「そんなの、大姉(おおねえ)さんに代わってもらいなさい」
「杏子姉(あんずねえ)は買い物」
「……いいじゃない、もう。お客さんなんか、真っ昼間からこないでしょ」
「そりゃまあ、そうなんだけどさ……」
 蜜柑はすっと筆で引いたような眉を寄せる。
 しかめ気味にしてもその顔はことさらに愛らしい。ぷっくりとしたくちびる、細くて小さな顎、それを支えているひとつかみにできそうな首筋。大きくてキラキラした瞳は十七と言う年齢よりも蜜柑を幼く見せかけるが、しかしそれに反して身体つきは大人顔負け、どころかこれほどの見事な稜線を誇る娘はそうそうお目にかかれない。振袖を着込んでいてもなお身体の線がはっきりと出ていて、いまの蜜柑はその魅力を存分に、咲き誇る花が芳香をまき散らすように、押し開いた胸元や片膝立ての座り姿勢で、辺りへ見せ付けている。店内に客のないことが惜しまれるくらいだ。
 店先は間口二間のごく普通のひろさだった。普通なのはひろさだけで、開店中だと言うのに板戸は全部閉めてしまっている。そのため店内は真っ暗で、昼日中でありがなら行燈を何個も灯して天井から吊るしていた。客は戸板のひとつにしつらえられた内開きの戸から出入りする。そこは表から見えないよう巧妙に隠されていた。
 置いてあるものが置いてあるものだけに、このような店造りも仕方ない。この店を三姉妹で経営し始めてから、もう二年ほどになる。
「いい、わかった。私が店番代わるから。蜜柑ったらまじめなのよ」
「……もー、しょうがないんだから」
 しぶしぶ番台から腰を上げることにする。別段蜜柑はまじめなわけではなく、林檎の部屋に行くのが嫌なだけなのだ。杏子にお使いでも頼まれれば、喜んで店番なんかやめるだろう。
 きしきしと鳴る廊下をあるいて林檎の部屋へむかう。
 店を奥に出れば、すぐ中庭に面していて、それをぐるりと取り囲むようにして廊下が走っている。陽が充分にさしこむ間取りは、暗くなりがちな店先と気晴らしの意味を込めて、杏子が作らせたものだ。
 そんな明るい廊下から、わざわざ暗がりへ引っ込んだような位置に、林檎の部屋はある。少し下へ下がった半地下になっており、元は納屋か物置だったところを、無理に改装したのだ。林檎の趣味と思考は、実の妹でもよくわからない。
「……なぁに?」
 戸を開けて半身をのぞかせると、ひっつめ髪にした林檎がこちらへ背を向けて、そのまま手招きした。あいかわらず部屋の中は意味不明な機械や器具で埋めつくされていて、店内よりもなおうす暗い。ここが商品開発室である林檎の研究室、つまり店をやっておれるのもたゆまぬ林檎の努力の賜物ではあるのだが……。
 蜜柑は横顔をのぞきこむ。細く切れ長の目をした次女の林檎は、蜜柑とはあまり似ていない。古臭い片眼鏡を愛用していて、表情の変化に乏しい顔は冷たい感じもするが、その印象を素直に表現したら、氷のような美女となるだろう。歳は蜜柑よりふたつ上、十九歳である。
作業台に向かっていた林檎が振り向き、蜜柑をじっと見て驚いたように言った。
「――あんた、今日も色っぽい格好してるわねえ」
「そう?」
「岡場所の娼婦(おんな)みたい」
「うわっ。吉原の花魁(おいらん)って言ってよ。このくらいのほうが売れ行きがいいんだって、杏子姉が」
「女相手の商売なのにねえ。ま、いいわ。それよりこれよ」
 林檎が高々と差し上げたブツを見て、蜜柑は渋面をつくった。だからここへくるのは嫌だったのだ。
「……またぁ?」
「なによそのあからさまに嫌そうな顔は。この天才林檎様の試作品を試せる第一号なのよ。もっとよろこびなさい」
「昨日の今日じゃないの。失敗作だったら今度こそ許さないからね」
 と、言いつつも受け取ったのは、なかなか出来栄えがよさそうだったからだ。昨日のがひど過ぎた分、おとなしい造りになっている。
「……まあ、昨日の奴は遊び心を入れすぎたというか。反省してます。本日は基本に立ち返った普通のもんだから」
 蜜柑は手の中の『試作品』に怪しい所がないか観察する。
 反り返った棒状の形。先端が太くふくらんでいて、小さな返しの部分が付いている。質感は人の肌にそっくりなやわらかさ。根元の部分だけが木で出来ており、木製のスイッチとダイヤルが何個か付いている。大きさは五寸(15センチ)ほど、太さは一寸(3センチ)もないくらいだろうか……。
 そう、これはいわゆる張り型。男性器を模したものだ。桃色屋はつまり、女性のための自慰具を専門に製造販売する、江戸でもただ一軒の店なのだった。
「で……これをどうするの」
「あなたの女性器で具合を確かめて欲しいの」
「ことわる」
「でね、このスイッチとダイヤルが重要なのよ。壱から四のスイッチで機能の切り替え、それからダイヤルが時間の……」
「だからことわる」
「大丈夫よ、蜜柑。これ、とってもすごいんだから」
「…………」
 猫なで声で林檎が蜜柑の肩にまとわりつき、耳元でささやいた。なら自分で試したら、と言う反論は客観性云々で取り合ってくれないことは承知済みだから、蜜柑もあえて言わない。
「どんな新機能がついてると思う?」
「しらない」
「本当はびっくりさせたかったんだけどなー。こっそり教えちゃう」
 蜜柑の耳へひそひそと林檎が耳打ちした。
 その内容に蜜柑は目を丸くする。
「……ほんとに?」
「画期的でしょう」
「確かにすごいかも……」
 まじまじと手の中の張り型を見つめる。うす桃色の男根がわずかな明かりにぬらっと輝いた。
 思わず蜜柑は生唾を飲み込む。
「そのほかはいたって普通よ。ぜーんぜん大丈夫」
 もうひと押しと踏んだ林檎がささやき声に力を込める。
「まあ……普通なら……」
「よし、決定! じゃあ蜜柑、私は店番してるからね。しっかり品評してよ」
「あ、いや、まだやるなんて――」
 蜜柑の声をあえて無視した林檎が、そそくさと部屋を出てしまった。普段からあれくらいよろこんで店番をしてくれたらいいのに、と蜜柑はふくれる。人嫌いの節がある林檎は、なにより店番を嫌がってなかなか交代してくれない。
「もう」
 これは仕方なくなんだからね――。と、心の中で言い訳しながら蜜柑も部屋の戸を抜けた。毎回こうやってほだされているような気がするのは、たぶん気のせいじゃない。
 でも、この張り型の『新機能』。林檎の言っていることが本当なら、かなりすごいものであることは間違いない。
 試したくてうずうずし始めたと言うのが正直なところである。
 蜜柑の部屋は廊下を回りこんだ反対側にある。
 私室の障子を開けて六畳の畳敷きに腰を降ろし、おもむろに振袖の裾を開いた。腰巻きをめくって自らの女陰に指を当てる。
淡い茂みをかきわけると、指先はしっとりと湿った泉に行き当たった。
「やだ……」
 自分でも呆れて、ため息をついた。
 とにかく濡れやすい。それから好奇心も強い。だから林檎にとって格好の実験台になってしまうのだ。指を戻すと、さらりとした透明の愛液が第一関節までを濡らしている。
「でも……昂奮しちゃうよね」
 理想的な形に反り返った男根を両手に持ち、ぺろりとその先端を舌先で舐めた。人肌そっくりのなめらかさな表面の素材は、確か舶来の医療用人工皮膚を流用しているはずだ。毎度林檎は妖しげな外国人から仕入れてくるのである。
「ん……」
 亀頭を口に含み、口淫の真似事をしてみる。舌で裏すじを舐めあげながら、尿道口のあたりをくすぐると、なるほど本物そっくりに穴が空いていた。
 じゅる……じゅる……
 蜜柑の私室に水音が滴り、徐々にその音は激しさを増していく。
 部屋の一角にしつらえられた姿見が、蜜柑の姿を映している。
 張り型を口に咥え、それを持つ手ではなく顔の方を前後させながら、無機物に愛撫を加える自分の姿に昂ぶりを感じる。蜜柑は胸元をはだけ、豊満な乳房をまろびださせて、もう片方の手でもみしだきはじめた。
 ちゅぷっ
 口から張り型を離すと、くちびるとその先端との間に、てろりと糸が引いた。
 その頃にはすでに、蜜柑の女陰は濡れきっている。指で確かめるまでもなく、熱いうずきが股間から湧き上がって滴り落ちるのがわかった。張り型の先端を花弁に潜り込ませるように押し当て、ぐりぐりと上下に動かす。
 ぬめった先端は、動くたびに花の内部と吸い付きあって、ちゅぱちゅぱと卑猥な音をあげた。
「もう――あたしの、ばかっ」
 毎回乗せられてこの調子だ。その結果わかったのは、林檎がどうとかではなく、蜜柑自身が否定しようのない淫乱だと言うことである。この店を開く前までは清純な乙女だったのに、と言う恨みのようなものも、言葉の裏に込められていないこともない。
 蜜柑は、ばかっ、の台詞とともに張り型を陰部へ突き入れていた。
「ああう!」
 思わず大声が喉からほとばしった。
 まるで蜜柑の膣にあわせて作られたかのような、ぴったりの大きさだった。愛液となじませるように奥へ進ませていくと、ちょうど木の柄の部分で膣の最奥へ行き当たった。
 事実、試作品は蜜柑にあわせて設計してあるのかもしれない。乳首の形から性感帯から陰部の形状まで、林檎には全部調べつくされているのだ。……寝ている間に。
「ふぅ……」
 奥まで差し込むと、蜜柑は熱い息を吐いて、股に突き立った張り型の柄、木製の操作部を観察した。
 木のスイッチが四つ、それから底の部分がネジのようなダイヤルになっている。
「どれだっけ」
 適当にダイヤルを回してみる。ゼンマイの行き止まりまで回しても、変化はないようだった。
 次にスイッチに指をやる。壱、弐、参、四の番号が振られていた。
「まずは壱からか……」
 押し込むと、カチリと機械音が響き、それからすぐに振動が始まった。
「うっ……」
 張り型自体が細かく振動を始める。これは林檎お得意の振動機能だ。いまやこの手の張り型の必須機能になっていて、開発者の林檎の手を離れた現在もさまざまなところで類似品が作られている。
 ただこの、繊細かつ大胆で時に攻撃的な味わいは林檎の製作する品でしか味わえない。類似品の味見係も何度かやらされた蜜柑にはよくわかっている。
「つ、次よ」
 弐のスイッチを押し込む。またカチリと音がして、今度は張り型の竿全体がうねりはじめた。
「ひゃう!」
 急な刺激に素っ頓狂な声が出た。
 このうねる動きも基本は振動機能と同じだそうで、駆動部の回転運動を斜めに曲げた軸に伝えて、それが全体をうねらせるのだ。そうとくとくと語っているのを聞いたことがある。
「あ……あ……」
 振動しながらうねる張り型が、蜜柑の気持ちいいところを何度も押し上げて、思わず魚のように口を震わせながらぎゅっと胸をつかんでしまう。
「いい、かも……」
 昨日のとは大違いだ。超高速回転海老反噴進張型と銘打たれたものを、字を読むのが面倒になってそのまま股ぐらへ突っ込んだ方も突っ込んだ方だが、ひどい目にあった。一分間に五百回転と言う訳の分からない速度で回り始めた張り型が、海老反りのうねりを加え始め、おなかが破れると慌てて引っこ抜いた瞬間、底部からジェット噴射が始まって弾丸のように飛んで行き、壁に突き刺さった。そのまま林檎の部屋へ直行し、頭をしばき倒したのは言うまでもない。
「でも、まだまだイかないんだから」
 次に参番のスイッチを押してみる。カチっと鳴った瞬間、振動とうねりをそのままに、全体が前後に律動しはじめた。
「きゃはっ!?」
 予想外の動きに蜜柑は身悶え、仰向けに畳へ倒れこんでしまう。
 いままで円の動きだったのが、前後が加わって螺旋の動きへ変わったのだ。いったいどんな仕組みになっているのか、張り型に手をやっても股間から抜けてしまっている様子はない。
「ちょ、ちょっとまって」
 あんまり刺激が強すぎて強制的にイかされてしまいそうだ。大仰な前後運動を女陰の中で感じているのに、木製の柄は根元まで入り込んだままの状態で、ぜんぜん動いている様子はない。コンコンと膣奥を規則的に叩かれ続けている。
「やだやだ、あ、あう、あぅんっ」
 口ではやだと言いつつも、蜜柑は仰向けのまま身体をのけ反らせつつ悶え、こぼれ落ちた乳房を持ち上げるようにこねくり回しつつ、木製の柄へ当てた手はそれをつかんだまま、引き抜こうとするどころかなおも無意識に奥へ差し込もうとしていた。
 じゅぶっ、くちゅくちゅ……
 おなかの中からは低い駆動音に混じって、蜜壺をかき回す濡れた音が響いてくる。
 いま、蜜柑の膣は、寸分のすきまもなく張り型を咥え込み、それが左右にうねりつつ、前後に律動する動きに合わせて、自在に淫肉の形状を変えながらそれを受け入れている。うす桃色の卑猥な竿が子宮の入り口を小突き、はたまたうねくりかえる度に膣口近くの性感帯を押し上げながら刺激され、とめどなく流れるたっぷりの愛液は、片手ですくい取れるほどの量が会陰へと流れて、腰巻きを汚していた。
「う……くっ、ふう……。い――イクかも」
 両手で木製の柄を押さえた蜜柑は、腰をわずかに浮かせた姿勢で大きく息を繰り返す。乱れた振袖はもはや着物の様相を呈しておらず、かろうじて帯により腰へ留まっている程度だった。両方の乳房はまるく露出されていて、ピンと尖った乳首が身体の火照りを存分に示し、紅く立ち上がっている。
 ずぶっ、じゅぶっ、ずぶっ
 気のせいか螺旋の動きが最初より大きく速くなっている。コンコンと膣奥を叩く間隔も、いまやトントントントン……とずいぶん早急になっていた。
「あっ、は……はぁああ!」
 膣奥を叩かれる間隔に導かれるようにして、急激な快楽が腰から背筋を這い、首筋を泡立てながら脳天へ突き抜けた。
「きた! きたぁっ!」
 無我夢中で叫び、快楽に翻弄されてばたつく足をとどめようともせず、蜜柑は気持ちいい奔流に思うさま身を任せた。
「イク、イっちゃううううぅぅ!」
 大声で叫んだ瞬間、絶頂が訪れた。
 全身の筋肉が硬直して、それから痙攣に見舞われ、硬直と痙攣が交互に襲い掛かる。頭の中に星が散って明滅するような快感が思考も理性も吹っ飛ばしてしまい、蜜柑はただ本能のおもむくままに声をあげ、気持ちいいものをむさぼった。
「ああ――あう、あう……」
 やがて蜜柑の快楽は引き潮のようにゆっくりと収まっていく。ビクビクと膣肉が細かい痙攣を繰り返し、それは当分収まりそうになかった。
 気だるさを感じる全身に、荒い呼吸で酸素を送りながら、蜜柑はなおも動き続ける張り型を膣から抜き取ろうと引っ張った。
「あ……あれ?」
 木製の柄を持って引っ張ってみても、どうしたことか吸い付いたように張り型は抜けない。何度か力を込めて、これ以上やったら中身もいっしょについてくると言うほど引いても、びくともしなかった。
「えーっと……」
 とにかく、林檎の作るものには変な機能が多い。特に試作品にはまったく関係ないと思われるような機能まで、いっしょに搭載していることがあった。これは素直に、『吸い付いて離れない機能』であると見たほうがいいだろう。どんな意味があるのかなど、蜜柑には想像もつかない。
「解除するところがどこかに……」
 ダイヤルを反対に回してみる。まるで抵抗が感じられず、それは関係がないように思われた。腹いせにがちゃがちゃと回しつつ、残るスイッチの四番を探った。これはおそらく次の張り型の機能だろう。
 でももしかしたら、そこが解除に繋がるのかもしれない。
「えい」
 蜜柑は四と書かれたスイッチを押した。
 しばらく待っても変化はないようだ。吸い付きも取れないし、まだ暴れまわっている張り型の動きも止まらない。
 そうか、まず動きを止めなきゃ。
 そう思い至ってスイッチの停止を探すが、押し込み式のスイッチは入り込んだまま復帰せず、それを解除する部分も見当たらない。
 つまり、押せるものは全部押し、回せるものは全部回して、ぜんぜん止まらないのだ。
 過去の経験から林檎の作るものを知り尽くしている蜜柑は、嫌な予感とともに確信した。
「……解除スイッチを作ってないんだ……」
 つぶやいて、すぐさま店先に向けて叫ぶ。
「姉さん! 林檎姉!」
「はいはい」
 いそいそと林檎が現れる。上機嫌な様子を見るに、蜜柑の嬌声を聞いて、今度のは大成功と内心ほくそ笑んでいたに違いない。
 蜜柑は股に刺さったものを指差して、非難じみた声をあげる。
「林檎姉、これ、止まんないよぉ」
「うん。あなた、ダイヤルいじったでしょう?」
「いじったけど……」
「あれで時間を設定して、その間動き続けるのよ。設定された時間まで抜けないの。すばらしい機能ね」
「……あたしが解放されるのはいつ」
「どれ……ん? あなた、めちゃくちゃにダイヤル回してない?」
「知らないよ」
「もう! だから機械音痴って嫌いなの! なんだと思ってるの? あなたも機械はなんでも叩けば直ると思ってるクチでしょう!」
「なんで怒られなきゃいけないのよ」
「とにかく、しばらくこのまま。それでね、蜜柑……」
 急に林檎がにっこり笑った。片眼鏡が絶妙な具合にキラリと光る。
 ぞっとしたものを感じて、蜜柑は頬を引きつらせる。
「な――なに?」
「さっきお客さんが来て、納品を頼まれたの。日本橋の大國屋さん。至急ですって」
「ねえさ」
「行ってきてね、蜜柑。その張り型を突っ込んだまま」
 ばったりと再び蜜柑は倒れた。
「杏子姉、林檎姉がいじめる……」
「残念、大姉さんは夜まで戻らないって連絡があったわ。――ま、冗談よ。そんなもの入れてたら身動きできないでしょ」
「当たり前じゃない」
「今すぐは取れないけど一時停止かけとくから、その間に行ってきなさい。帰ってからまた存分に自慰したらいいわ」
「あ、あっ――あんたのせいであたしはもがぁ!」
「はいはい、ちょっと黙って」
 ぶち切れた蜜柑の言葉を片手で塞ぎ、林檎が懐から細い工具を取り出して、中で暴れるものの底部へ差し込んで、軽くひねりを加えた。
 すぐさま、張り型の動きは緩やかになって止まる。絶頂を過ぎてからは異物感しか与えてこなかった物が静かになって、蜜柑はふーっと長いため息をついた。
「これ、どのくらいもつのかな」
「さあ。再起動かけない限り大丈夫だと思うけど」
「もぉ。それで、林檎姉。さっき言ってた『すごい機能』だけど、あれって四番?」
「そうよ。なに、ひょっとして試してないの?」
「うん」
「駄目じゃない! そこが肝要なのに。あとで絶対試しなさいよ」
「もう押しちゃってるよ。どうせダイヤルの時間切れまで抜けないんでしょ?」
「そ。まあとにかく、納品急いできなさい。夕方になったら大國屋さん閉まっちゃうんだから」
「へーいへい」
 蜜柑はのろのろと起き上がった。
 いったん全裸になって汚れた腰巻きを新しいものと替え、外向きのおとなしい小袖に着替える。おろしていた髪は頭の上で簡単に結い上げてかんざしを挿し、あまった髪の毛をふわふわとあたりへ散らすと、いまどきのいなせな雰囲気のある娘に変身した。
 化粧も軽く直していると、最近めっきり早くなった秋の太陽が橙色に翳り始めてきた。蜜柑は慌てて納品する商品と伝票を持って桃色屋を飛び出る。
 しかし股間に変なものが突っ込まれたままでは、歩きにくくってしょうがない。思わずがに股になってしまいそうになるが、そんな歩き方をしてひょっと裾がめくれでもしたら、いっかんの終わりだ。
「あ……」
 自分は今、張り型を差し込んだまま街中を、天下のお膝元の江戸市中を歩いている。蜜柑はそのことに思い至った。
 なんてことだろう。恥ずかしいのにどこか押さえきれない昂奮が、下腹の辺りから湧き上がってくる。花の乙女が大事なところへ卑猥な淫具をつけたまま、これから客先へ行こうと言うのだ。もしこんなことがばれたりしたら……。
「う……濡れてきちゃった」
 口の中でつぶやいて、一瞬足を止めていた蜜柑は頭を振って淫らな想像を追い払い、歩みを再開した。
 こんなときにかぎって知り合いによく会う。
 取引先の女中もいれば、寄り合いで知り合った女友達もいた。どれも挨拶程度でかわしたが、内心気が気ではない。
 蜜柑がどんな商売をしているかなんて、おそらく近所の人もほとんど知らないだろう。客のほとんどは噂を聞きつけてやってくる遠所の人だし、比較的近くの日本橋にも何軒か得意先はあるが、そう言う場所の人々は得てして口が堅いものだ。桃色屋の締め切った戸口には『桃』とだけ看板が出ているのみだから、たとえ出入りしているところを見られたとしても、そこから商売内容を想像することは無理に近い。近所ではお得意様だけに商売をしていることになっている。
 なんとかかんとか、裾を気にしつつ大國屋へたどり着いた。
 間口で番頭に桃色屋と告げると、裏へ回るように指示される。裏へ続く木戸をくぐり、それから蜜柑は大國屋の庭に面した勝手口へ向かった。
「あらー、蜜柑ちゃん。ご足労だったわねぇ」
 人の良い三十路半ばのおかみが現れて、にこにこと商品を受け取った。顔中から『暇』の一文字が見て取れる。つかまったら長い、と蜜柑はすぐさま辞退しようとしたが、
「今日ねぇ、おいしい葛きりが入ったの。京都の鍵善よ。本舗よ。下りものよ」
 と、半ば無理やり座敷へ上がらされてしまった。
 座敷で商品の代金を受け取り、領収書を渡すころに、座卓の上へ葛きりが並べられた。
 なるほど、おいしそう――と思った瞬間だった。
(あっ……!)
 声をあげるのだけはかろうじて防ぎ、蜜柑は硬直した。
 一時停止がかかっていたはずの張り型が、急に動き出したのだ。
 弱い振動が下腹部を内部から震わせている。
(ど、どうしようどうしよう)
 今はまだ、振動だけだ。今のうちなら店へ戻れる。急用と偽ってでもここから立ち去ろう。
「あの」
「きゃーっ! 蜜柑お姉様―!」
 ドタバタと足音がしたと思ったら、突然背後からなにかが抱きついてきた。
 目を白黒させながら、その人物がだれだか思い出す。
「は、花ちゃん」
「はいー! お姉様、今日もステキですぅ~」
 蜜柑をお姉様と呼ぶこの少女は、大國屋の一人娘でお花と言う。なぜだか異常に蜜柑になついているのだった。歳は蜜柑より少し下で、将来がたのしみになるようなかわいらしい顔立ちをしているのだが、性格は少々――いやだいぶん変だ。
「今日はなんのご用事ですの? いつまでいらっしゃいます?」
 お姉様に会えてとぉっても幸せですぅ! とキンキン声で機関銃のようにわめかれて、蜜柑は一瞬魂を抜かれそうになりつつも、そのおかげで下腹部の刺激を忘れることができた。
「今日は商品を持ってきただけだから、すぐ――」
「えーっ!? やだやだ、夕餉もごいっしょしましょ、ね、いいでしょお母様」
「そうねぇ、そうなさいよ、蜜柑ちゃん」
「あ……あの、あたし……ひゃっ!?」
 突然、張り型にうねりの動きが加わった。
 奇声を上げた蜜柑は反射的に下腹部を押さえてしまう。
「あれえ? どうしたの、お姉様」
 お花は背後から抱きついたまま、うずくまった蜜柑の顔をのぞきこもうとする。
「あ、あの、あたし今日は……うっ……」
 うねる張り型は蜜柑の性感帯を何度も何度も押し上げて刺激する。
 嫌が応にも熱い息がくちびるの端から漏れ、上気した顔は汗を滲ませ始めていた。
「ちょっと、どうしたの蜜柑ちゃん」
 おかみに肩をつかまれて、蜜柑は顔を上げさせられた。
 その顔を見たおかみが、ぎょっとしたように表情を引きつらせた。蜜柑はそれを見て直感する。
(ああ……ばれちゃった。ヘンタイだって思われちゃう……)
 半分泣きそうになっておかみを見上げる。
 おかみは驚いた顔をした後、すぐさま立ち上がった。奥へ向けてパンパンと手を叩き、
「おせき、おせきや! 奥の間に布団を敷いてあげて。病人だよ、早く!」
「え……」
 どうやら真っ赤な顔をしてうるんだ瞳で見上げる蜜柑を、急病と勘違いしたらしい。
 だとしたら、かえってありがたいかもしれない。どのみちこの状態で店まで帰るのは非常に厳しいものがある。
「ええっ!? お姉様ご病気でしたの!? ごめんなさいごめんなさい、あたし騒いじゃって!」
「い、いいのよ花ちゃん。ちょっと、横にならせてもらっていいかな」
 一番奥にある静かな一間に敷かれた布団へ案内され、横になったまではよかった。
 それからすぐに、水を張った桶をかかえたお花が現れ、布をしぼって額にかけたり、かいがいしく世話をしはじめたのだ。
「ありがと、でもちょっと休んだらよくなるから」
「いーえ。花にはわかります。お姉様は重病です!」
 と、断ろうとしてもぜんぜん聞く耳もたない。
 お花は静かに座っていてくれるのだが、そもそも蜜柑は病気じゃないのだから、この場合騒いでくれていたほうが気が紛れるのだ。じっと見つめられていると、どうしても股間へ意識が行ってしまって、駆動音が外に漏れてないかとか、色々気になってしまう。
「お姉様は花が命をかけて看病します」
「……命はかけなくていいから」
 そう言いつつも、普段ははた迷惑なこの娘が一生懸命になってくれているのが、なんだかとてもうれしくなった。そう思うと病気を装っている自分が情けなくなってきて、人間として駄目なんじゃないかとも思われる。
 となると、蜜柑の商売のこともよく承知しているお花には、真実を告げたほうがいいんじゃないかと言う気になった。
「花ちゃん、軽蔑せずに聞いてくれる?」
「あたし、お姉様を軽蔑したりなんかぜーったいしません!」
「あの、出来たら小声で……」
「ハイ、なんでしょう?」
「実はあたし病気じゃないの……。ほら、例の林檎姉の実験に付き合わされてて」
 と、ここまでのいきさつを話して聞かせる。
 目を丸くしたお花は、蜜柑が被った布団の股間の辺りを指差した。
「それではお姉様のアソコに張り型がお入りになったままなのでありましょうか!?」
「声でかいし日本語変」
「で、でもそんなのって……。なんて、なんてインビなんでしょう、イ・ン・ビ!」
「だから声でかい」
「お姉様、あたくしもう我慢できそうにござらぬ!」
「きゃぁ! ちょっと!」
 昂奮を抑えきれないようにおかしな言葉遣いで花は叫び、布団へ潜り込んできた。
 さすがに慌てた蜜柑は離れようとするが、
「あうっ!?」
 ついに参番のスイッチが発動した。
 強烈な前後運動が開始されて、蜜柑は腰砕けになってしまう。そこへ潜り込んできた花が密着した。
「おねぇさまぁん。今日は花がたーっぷりかわいがってあげますわぁん」
「や、待って。あたしそっちの趣味はないんだって! ああん」
「そんないやらしい声あげながらじゃ、説得力がありませーん」
 蜜柑の口からはたしかに押さえきれぬ喘ぎが漏れ、お花を押し返そうとする手の動きにも力が入らない。そのうちに馬乗りになられた蜜柑は、お花の両手で胸元をいっきに広げられる。着物に押さえつけられたみずみずしい果実が、はじけるように外へ飛び出した。
「お……お姉様のおっぱい、す、す、ステキですぅ!」
 キラキラと目を輝かせたお花は、すぐさま双丘にむしゃぶりついてきた。乳首に吸い付かれ、舌先でコロコロと転がされると、背筋に鳥肌が立ち昇ってきて、抵抗する気力を殺いでしまう。
「ああ……やめてぇ……あぅっ!」
 なおも女陰の中では張り型が螺旋状の動きで責め立てている。
 じゅくっ、じゅくっ、じゅくっ
 水音はもう隠しようなく、蜜柑の股の付け根から布団の中へと漏れてきていた。
 お花の元気よく動き回る舌で両方の乳首を舐めまわされ、どっちともがピンピンに立ち上がって充血してしまっていた。めくれ上がった布団の端から、いたずらっぽく舌を使いつつ、お花が見つめている。
「お姉様ぁ、チクビがかたぁくなっちゃってますよ?」
「う……だって、弱いから……」
「あはっ。花の舌で感じちゃったんですよね?」
「う……うん」
「カワイイ! もっとご奉仕しちゃいます!」
「ま、待って待って、ほんと!」
 お花は聞く耳持たず、今度は下腹部へと潜り込んできた。股を閉じて防ごうにも、腰にまるで力が入らずに、なすがまま足を広げられてしまう。
 布団をはねのけて、お花が昂奮した面持ちで股間と顔をと見比べた。
「わあ! ほんとにずっぽし入っちゃってますぅ!!」
「こ、声でかいんだって……」
「お姉様、これいま、どうなっちゃってるんですか?」
「……参番までの――うんっ、機能が、動いちゃってるの。震えながら上下左右に暴れて……」
「き、気持ちいいんですか?」
「うん……杏子姉の作った中でも、上に入るかも……」
「いいなぁ。お花も欲しいですぅ。四番はなんなんですか?」
「四番は……四番は」
 張り型の動きがだんだん激しくなってきて、蜜柑の意識もそれにかき混ぜられるように混濁してくる。喘ぎまじりになんとか答えた。
「しゃ、射精機能なの」
「しゃせー!?」
「どうやってか知らないけど、こっちの絶頂に合わせて、張り型が射精するんだって……あふっ、そう言ってた」
「す、すごいですぅ! せーし出るんですか?」
「え?」
「でもせーしなんて入れておけませんよね。なにが出るんです?」
「え、し、知らない……」
 蜜柑は愕然とした。なにが出てくるのか、杏子はひと言も言ってなかったのだ。
「ま、なんだっていいですよねー!」
「よっ、よくないよくない!」
「お姉様、イっちゃいましょ♪ お花、お姉様のイキ顔とっても楽しみですぅ」
「は、話きけっ。ああん!」
 お花が両手で蜜柑の足を広げ、女陰に刺さった木製の柄の上に息づく割れ目の付け根に舌を這わせた。陰核をすぼまった舌先で舐めあげられ、蜜柑はビクンっと身体を反らせる。
「そ――それだめ、だめえ!」
 股間に埋められたお花の頭をつかんで押し戻そうとするが、もう身体全体にぜんぜん力が入らなくなっていた。
 ぺちゃぺちゃぺちゃ……
 犬が水を呑むような音を立てて、お花は快楽の豆つぶを愛撫する。舌の動くたび、蜜柑は敏感に身体を震わせて反応する。
「だ――だめよ、花ちゃん、おねがい、もう――」
「もう、なんですかぁ?」
「もうイっちゃ……ああっ!」
 カリっと甘噛みされて、のたうちまわるように身体をそらせた蜜柑は、ぎゅっと乱れた布団をにぎりしめた。
「お姉様、イっちゃってください。花の舌でイって!」
 ちゅう~
 一番刺激に弱い部分が、お花の口の中へ吸引されて、動き回る舌に翻弄される。
「やだぁ、あうう、だめっ! 吸いながら舐めちゃだめぇ」
 トントントントントン……
 張り型の動きもいよいよ激しくなってきた。連続して隙間なく膣奥を叩いてくる。
 もう蜜柑にはなにがなんだかわからなくなってきて、お花の髪をわしづかみにすると、喉をそらせて硬直した。
「あ、あ、あ、きたぁ!」
 ちゅう~!
 お花がひときわ強く陰核を吸い上げた。
 ずぶっ!
 絶頂を感知した張り型も、子宮口へ先端をねじ込むように突きつける。
 ガクガクと足は痙攣し、お花の手で空中へ持ち上げられたまま、何度も宙を蹴った。
「イク、イクうぅぅぅぅううう!」
 我を忘れて蜜柑は叫んだ。
 その瞬間――
 びゅるっ、びゅううぅ!
 張り型が収縮と膨張を繰り返して、尿道口に当たる部分から液体をほとばしらせる。
「やああぁっ!?」
 子宮の穴へ押し付けられた先端は、その中へ液体を確実に注ぎ込んでいった。それを感じ取った蜜柑は脳が焼けるような快感の中、腰を反らせて叫ぶ。
「出てる、出てるよぉ! なにかわからないものが出てる!」
「うふっ、いまこのおなかの中にせーし出ちゃってるんですね……」
 口を離したお花がうっとりと、はだけた蜜柑の下腹を撫で回した。
 内部で射精の動きをする張り型がおなかを内側から震わせている。たっぷりと液体を注ぎ込んで子宮を満杯にした張り型は、ようやく動きを止めて、それからゆっくりと蜜柑の膣から離れていった。
 ずるり、ずるずる……
 糸を引いてぬらぬらと濡れ光る器具が、股間から落ちていく。
 開放されたことをよろこぶ気力もなく、蜜柑は口を開けたまま荒い息を繰り返していた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 だらしなく開かれたままの股間をのぞきこんだお花は、張り型の形に丸くあいてしまっている秘孔を観察している。やがてそこからは、逆流した液体が愛液と絡み合いながら溢れてきた。
「すご……せーしいっぱい出てきてる」
 お花はそれを指先にすくいとって、ぺろりと舐めた。人差し指を咥えたまま、目をまんまるくする。
「んー! お姉様、お姉様!」
「なぁに……?」
 蜜柑は薄目を開けて気だるい返事を返した。お花はあくまで元気いっぱいに叫ぶ。
「このせーし、蜂蜜味ですぅ!!」
「あ、っそ……」
 相手にする元気は、残念ながらいまの蜜柑にはなく、ぐったりと布団へ頭を沈み込ませた。


***


 その後、いちゃついてくるお花をなんとか引き剥がし、蜜柑はお礼もそこそこに大國屋を出て、すっかり暮れた宵の通りを歩き、桃色屋へ生還した。
「およ。おかえり、蜜柑」
 品物の整理をしている林檎が蜜柑を見つけ、それからまじまじと顔を覗き込んだ。
「どうしたのよ。丸一日走り回ったあとみたいな顔色よ?」
「林檎姉……多くは聞かないわ……」
「なに」
 ふところから張り型を取り出し、ぐっと見せ付ける。
「これの中に入ってたの、いったいなんなの?」
「へ? なんだっけなぁ」
 適当に流そうと言う雰囲気だった林檎は、鬼のような蜜柑の形相を見て、慌てて思考をめぐらした。
「ええと……た、たしかね。その辺にあった液体を入れたのよ。そう、在庫があまってるからもらってきたもんで……これこれ」
 店においてある商品から、瓶に入った液状のものを取り出し、そこに貼り付けてある紙の文字を読み上げる。
「肥後の姫泣かせ。……うん、媚薬ね! もうそろそろ効いてくるんじゃない?」
「な、な、な」
「まあまあ。災い転じて福と為すと申しまして。実は試してもらいたい物、まだあるのよー」
「ば、ばかー!!」
 絶叫はむなしく店内にこだまし、意識し始めたとたん熱くなった股間を押さえて、蜜柑はその場へ座り込んだ。
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