「ユキさん、次はボクもイカせてね」
「え? ……あ」
とろんとした表情でユキは見上げるだけだ。
無抵抗なその肢体をアゲハは抱え上げ、足を肩に乗せて、両手で組み敷いた肩をつかんだ。
「え、待って、私イったばかりで、やああっ」
ユキのどこかかわいらしい抵抗など無視して、腰使いが再開される。
両の足は天井へ向かって伸ばされ、嵐に翻弄される竹のように揺れていた。
ユキの身体はくの字に曲げられ、がっちりとアゲハの腕で押さえられている。
足と肩を固定されているから、自由になるのは肘から先と首から上くらいのものだ。
「はんっ、はぁんっ、いい、すごい深い、深い、また来る、来る来る――」
まだ動きが始まって間もないのに、ユキはあられもない声を上げ始めた。
(こんな――こんなの)
まぐわいとはこういう行為だったのか。
女はまるで膳の上の料理みたいに、男によって好き勝手に味わわれるものなのか。
いつの間にか、ツバキはアゲハのことを、男としてはっきり見ていた。
(それでも……気持ちいいの?)
その疑問に答えるように、ユキは派手な声を上げて絶頂に達した。
抱え上げられた足がビクンビクンと痙攣し、宙を蹴っている。
正気を失ったような喉からは、馬鹿のひとつ覚えみたいに気持ちいいという言葉がくり返されていた。
(あっ……)
太ももに水の滴る感覚があった。
慌てて股間に指をやると、そこは自分でも驚くほど濡れてしまっていた。
(うそ……)
ためしに軽く淫裂を指先でなぞってみると、掻き出された蜜は指の付け根まで滴り落ちてくる。しかもそれは、あとからあとから湧き出してくるようだった。
(ああ……うそ、うそうそ……)
滴り落ちる淫らな蜜を全部掻き出してしまおうと、ツバキは指を走らせ続ける。
しかし無尽蔵に湧き出す欲情の泉はとどまることをしらなかった。
滑った指先がつい、敏感な淫核に触れてしまう。
(――っ!)
全身に電撃が走ったようにツバキは座り込んだまま、背筋を震わせた。
(なにこれ、知らない、こんなの知らない……!)
普段なら触れても痛痒いだけのその場所は、いまや脳髄を蕩かして虜にしてしまうような快楽をもたらしてくる。
ツバキはもっとその感覚を味わおうと、小さな豆を転がし続けた。
(くう……うぅ!)
思わず声を上げそうになり、とっさに片手の人差し指を口元へ持っていって咥える。
その間も股間へ伸ばされた指は貪欲に動き続けていた。
「あ――また、またくる、きちゃう、きたぁ、またきたっ!」
ユキがまたしても絶頂を迎えている。
押さえられた身体は身動きがとれず、せめてもの抵抗のように足だけが空中を掻いている。
無残にも見える状況なのに、アゲハの責めは止まるどころか、激しさを増しているようであった。
「もうだめ、赦して、お願いアゲハ。私、これ以上、変に、変にああああっ!」
「ダメ。今日は珍しく、ボクの好きにしていいって約束なんだから。それにボクももう少しで……」
「はっ、はやくイって、狂っちゃう、おマンコ狂っちゃう、よすぎて死んじゃうから、ああ、はぁん、はぅっ、赦してぇ、また、またぁ!!」
絶頂の感覚はあからさまに短くなっていた。
達してからアゲハがしばらく腰を振るだけで、次の頂点が訪れている。
足はもう痙攣しっぱなしのような状態だった。
「あ、ボク、ボクももうイっちゃうかも、ユキさん――」
「イって、おマンコの中に出して、いっぱい出して、熱いの欲しいの!」
「ユキさん、ユキさんっ! ねぇ、どこに欲しい? おマンコのどこに?」
「あぁ、知ってるくせに。子宮よ、膣なんかじゃ嫌なの。子宮の入り口にぶっとい先端を押し付けて、こじ開けるようにしながらたっぷり射精して! おなかの中に精子たくさん、注ぎこんで!」
ふたりの痴態は急速に高まりを見せていった。
ツバキも我を忘れ、食い入るように見つめている。
「はっ、はっ、はっ、はっ――」
荒い、犬のような呼吸が自分の吐息とも気づかずに、ひたすら恥部を慰めながら、嬌態が絶頂の高みへ登っていく様を見続けていた。
「イっちゃうよ、ほら、ここでしょ! このこりこりの中に押し付けて――うぅ、イ、イク!」
「ああああーーーーーーっ!!」
ユキはおろか、アゲハの身体も派手に震えた。
髪を振り乱しながら背を反らせ、そのくせ腰だけはユキの股間にくっついてしまったように密着させている。
「いい、気持ちいい、いっぱい出てるよユキさん!」
「うん、どくどくって、私の子宮に流れ込んできてる。わかる、またイっちゃう! 精子でイカされるぅ!」
「全部、全部出すから、おなかの中で呑んで!」
「ああぅ! ううううう」
(――ッ!!)
ツバキも己の淫核を押しつぶすように転がしながら、ふたりの気に当てられたように、同じ高みへと引き上げられていった。
頭の中に閃光が叩きつけられたような、はじめての感覚。
脳から流れ出した甘い蜜が背筋を蕩かして、それが股間の穴から流れ出していくようだ。
声だけは洩らすまいと指に齧りついて耐える。
しかしビクビクと震える太ももと腰の動きだけはどうしようもなかった。
ガタンッ!
前のめりになったツバキは、障子の端に肩をぶつけてしまう。
「あっ……!」
まだ射精中のアゲハが、それに気づいて目を剥いた。
ツバキも、己の裾の中へ手を突っ込んだ姿勢のまま、ばっちり視線を合わせてしまう。
「ツ、ツバキちゃ……!? うっ!」
驚きと射精の快感がないまぜになった表情で、アゲハは呻いた。
「あっ、あっ、み、見ないで、ツバキちゃん……! ボク、ボク!!」
「逃げるな」
腰を引こうとしたアゲハへ、絡め取るようにユキの足が巻きついた。
「いやぁ! ツバキちゃん……! う、あ、ああああっ!」
「あはっ。すごいぞアゲハ。勢いが増した。どぴゅどぴゅって、また出てきたあ!」
ユキは貪り尽くすつもりだ。
歓喜の声を張り上げると、子宮の中へ出される精液の感覚に酔いしれていく。
眉をしかめ、いやいやと首を振りながらも、アゲハは情動に抗えなかったようだ。
最後の一滴まで流し込むように、腰を振りたくり、押し付けていく。
ツバキの頭の中は真っ白だった。
先ほどからなにも考えていない。
ただ指だけは股間の上で、本能のままやわやわと蠢き続けていた。
「い……あ……うぅ……」
天井へ向けて喉を反らしたアゲハが、言葉にならないものを吐き出し、それからばったりとユキの上へ倒れた。
長い長い射精を受け止め続けたユキの方は、半ば焦点を失った目で笑みを浮かべながら、倒れてきたアゲハを抱きとめる。
「今日もいっぱい出したな、アゲハ……」
甘えてきた娘を慈しむように、乱れたアゲハの髪を撫でながら整えている。
徐々にツバキの頭は思考を取り戻していった。
理性が復活すると同時に、冷水を浴びせられたような、怖気に似た感覚が背筋を走っていった。
(わたくしは……なんてことを……なんてものを……)
ふたりの痴態を眺めながら、自慰に耽ってしまったのだ。
おそらく、ユキにもアゲハにも見られてしまった。
この隠れ家のような場所で、育ての親とその子がまぐわいをしている事実よりも、その方がツバキにとって衝撃的だった。
身体は寒気を覚えそうなのに、頬はかぁっと火照って、居た堪れなくなったツバキは立ち上がると、全力で駆け出した。
廊下を走るなんて、何年ぶりのことだろうか。
双子の妹が去った跡には、薄い水溜りが淫らに月明かりを受けてぬめっていた。
「え? ……あ」
とろんとした表情でユキは見上げるだけだ。
無抵抗なその肢体をアゲハは抱え上げ、足を肩に乗せて、両手で組み敷いた肩をつかんだ。
「え、待って、私イったばかりで、やああっ」
ユキのどこかかわいらしい抵抗など無視して、腰使いが再開される。
両の足は天井へ向かって伸ばされ、嵐に翻弄される竹のように揺れていた。
ユキの身体はくの字に曲げられ、がっちりとアゲハの腕で押さえられている。
足と肩を固定されているから、自由になるのは肘から先と首から上くらいのものだ。
「はんっ、はぁんっ、いい、すごい深い、深い、また来る、来る来る――」
まだ動きが始まって間もないのに、ユキはあられもない声を上げ始めた。
(こんな――こんなの)
まぐわいとはこういう行為だったのか。
女はまるで膳の上の料理みたいに、男によって好き勝手に味わわれるものなのか。
いつの間にか、ツバキはアゲハのことを、男としてはっきり見ていた。
(それでも……気持ちいいの?)
その疑問に答えるように、ユキは派手な声を上げて絶頂に達した。
抱え上げられた足がビクンビクンと痙攣し、宙を蹴っている。
正気を失ったような喉からは、馬鹿のひとつ覚えみたいに気持ちいいという言葉がくり返されていた。
(あっ……)
太ももに水の滴る感覚があった。
慌てて股間に指をやると、そこは自分でも驚くほど濡れてしまっていた。
(うそ……)
ためしに軽く淫裂を指先でなぞってみると、掻き出された蜜は指の付け根まで滴り落ちてくる。しかもそれは、あとからあとから湧き出してくるようだった。
(ああ……うそ、うそうそ……)
滴り落ちる淫らな蜜を全部掻き出してしまおうと、ツバキは指を走らせ続ける。
しかし無尽蔵に湧き出す欲情の泉はとどまることをしらなかった。
滑った指先がつい、敏感な淫核に触れてしまう。
(――っ!)
全身に電撃が走ったようにツバキは座り込んだまま、背筋を震わせた。
(なにこれ、知らない、こんなの知らない……!)
普段なら触れても痛痒いだけのその場所は、いまや脳髄を蕩かして虜にしてしまうような快楽をもたらしてくる。
ツバキはもっとその感覚を味わおうと、小さな豆を転がし続けた。
(くう……うぅ!)
思わず声を上げそうになり、とっさに片手の人差し指を口元へ持っていって咥える。
その間も股間へ伸ばされた指は貪欲に動き続けていた。
「あ――また、またくる、きちゃう、きたぁ、またきたっ!」
ユキがまたしても絶頂を迎えている。
押さえられた身体は身動きがとれず、せめてもの抵抗のように足だけが空中を掻いている。
無残にも見える状況なのに、アゲハの責めは止まるどころか、激しさを増しているようであった。
「もうだめ、赦して、お願いアゲハ。私、これ以上、変に、変にああああっ!」
「ダメ。今日は珍しく、ボクの好きにしていいって約束なんだから。それにボクももう少しで……」
「はっ、はやくイって、狂っちゃう、おマンコ狂っちゃう、よすぎて死んじゃうから、ああ、はぁん、はぅっ、赦してぇ、また、またぁ!!」
絶頂の感覚はあからさまに短くなっていた。
達してからアゲハがしばらく腰を振るだけで、次の頂点が訪れている。
足はもう痙攣しっぱなしのような状態だった。
「あ、ボク、ボクももうイっちゃうかも、ユキさん――」
「イって、おマンコの中に出して、いっぱい出して、熱いの欲しいの!」
「ユキさん、ユキさんっ! ねぇ、どこに欲しい? おマンコのどこに?」
「あぁ、知ってるくせに。子宮よ、膣なんかじゃ嫌なの。子宮の入り口にぶっとい先端を押し付けて、こじ開けるようにしながらたっぷり射精して! おなかの中に精子たくさん、注ぎこんで!」
ふたりの痴態は急速に高まりを見せていった。
ツバキも我を忘れ、食い入るように見つめている。
「はっ、はっ、はっ、はっ――」
荒い、犬のような呼吸が自分の吐息とも気づかずに、ひたすら恥部を慰めながら、嬌態が絶頂の高みへ登っていく様を見続けていた。
「イっちゃうよ、ほら、ここでしょ! このこりこりの中に押し付けて――うぅ、イ、イク!」
「ああああーーーーーーっ!!」
ユキはおろか、アゲハの身体も派手に震えた。
髪を振り乱しながら背を反らせ、そのくせ腰だけはユキの股間にくっついてしまったように密着させている。
「いい、気持ちいい、いっぱい出てるよユキさん!」
「うん、どくどくって、私の子宮に流れ込んできてる。わかる、またイっちゃう! 精子でイカされるぅ!」
「全部、全部出すから、おなかの中で呑んで!」
「ああぅ! ううううう」
(――ッ!!)
ツバキも己の淫核を押しつぶすように転がしながら、ふたりの気に当てられたように、同じ高みへと引き上げられていった。
頭の中に閃光が叩きつけられたような、はじめての感覚。
脳から流れ出した甘い蜜が背筋を蕩かして、それが股間の穴から流れ出していくようだ。
声だけは洩らすまいと指に齧りついて耐える。
しかしビクビクと震える太ももと腰の動きだけはどうしようもなかった。
ガタンッ!
前のめりになったツバキは、障子の端に肩をぶつけてしまう。
「あっ……!」
まだ射精中のアゲハが、それに気づいて目を剥いた。
ツバキも、己の裾の中へ手を突っ込んだ姿勢のまま、ばっちり視線を合わせてしまう。
「ツ、ツバキちゃ……!? うっ!」
驚きと射精の快感がないまぜになった表情で、アゲハは呻いた。
「あっ、あっ、み、見ないで、ツバキちゃん……! ボク、ボク!!」
「逃げるな」
腰を引こうとしたアゲハへ、絡め取るようにユキの足が巻きついた。
「いやぁ! ツバキちゃん……! う、あ、ああああっ!」
「あはっ。すごいぞアゲハ。勢いが増した。どぴゅどぴゅって、また出てきたあ!」
ユキは貪り尽くすつもりだ。
歓喜の声を張り上げると、子宮の中へ出される精液の感覚に酔いしれていく。
眉をしかめ、いやいやと首を振りながらも、アゲハは情動に抗えなかったようだ。
最後の一滴まで流し込むように、腰を振りたくり、押し付けていく。
ツバキの頭の中は真っ白だった。
先ほどからなにも考えていない。
ただ指だけは股間の上で、本能のままやわやわと蠢き続けていた。
「い……あ……うぅ……」
天井へ向けて喉を反らしたアゲハが、言葉にならないものを吐き出し、それからばったりとユキの上へ倒れた。
長い長い射精を受け止め続けたユキの方は、半ば焦点を失った目で笑みを浮かべながら、倒れてきたアゲハを抱きとめる。
「今日もいっぱい出したな、アゲハ……」
甘えてきた娘を慈しむように、乱れたアゲハの髪を撫でながら整えている。
徐々にツバキの頭は思考を取り戻していった。
理性が復活すると同時に、冷水を浴びせられたような、怖気に似た感覚が背筋を走っていった。
(わたくしは……なんてことを……なんてものを……)
ふたりの痴態を眺めながら、自慰に耽ってしまったのだ。
おそらく、ユキにもアゲハにも見られてしまった。
この隠れ家のような場所で、育ての親とその子がまぐわいをしている事実よりも、その方がツバキにとって衝撃的だった。
身体は寒気を覚えそうなのに、頬はかぁっと火照って、居た堪れなくなったツバキは立ち上がると、全力で駆け出した。
廊下を走るなんて、何年ぶりのことだろうか。
双子の妹が去った跡には、薄い水溜りが淫らに月明かりを受けてぬめっていた。
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