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朱ノ青 その10


 繋がった感触をうっとりと味わいながら、ユキはいった。
 唾をひとつ飲み込み、ツバキはなにもいわずにすぐそばまでやってくる。
 ユキは畳みに垂れ落ちていた精液を指先ですくうと、それを差し出した。
「ほら……アゲハの精液」
 ぽぉっとした表情でツバキは白く濡れた指先を目で追う。
 ユキはささやくように続ける。
「子供はダメでも、交わることくらいはいいだろ? 避妊に気をつければ、ある程度調節できる」
「それでも……ダメ……です。だって、わたくしたちは双子ですもの……。それに、そんなことしたら、赤ちゃん欲しくなってきちゃう……」
「ツバキも欲しいんだな、アゲハの子供」
「はい……欲しいです。精液欲しい……おなかの中に入れたい」
「私みたいにしたら、たくさんもらえるんだぞ? アゲハはとってもいっぱい出すんだ。それも、何回も何回もな」
「うっ……ふぅ……ユキさん、精液……でもダメ。ああ……わたくし、おかしくなりそう」
「この前はどうやったんだ? アゲハの精液もらえたのか?」
「あぁ……いただきました。お口から……妊娠しちゃうかと思うくらい、いっぱいいっぱい、流し込んでいただいて……う、うぅ、ふぅんっ!」
 思い出しただけで、ツバキは顔を歪め、肩を小刻みに震わせた。
 軽くイってしまったらしい。
「じゃあ今日も飲ませてあげようか。精飲好きなツバキのために、私が濃いのを絞り出してあげるからな」
「うあっ、ユキさん、いきなり動かないでっ」
 ユキは腰を振りつつ、精液をまぶした指をツバキの目の前に掲げる。
「もう少し待ってくれよ、ツバキ。もうちょっとで濃いのが準備できるから。あっ、んっ、……くぅ……それまで、さっき出した精液でがまんしてくれ」
 口元へ指を持っていくと、ツバキは我慢できない様子でしゃぶりついた。
「ん……ちゅ……くちゅ……ちゅぱ……ああ……お兄様の味。……昨日、しっかり舌で覚えたお兄様の味ですわ……ちゅ……」
「ふぅ、んはあっ、あっ、ゆ、指を舐められながら突かれるのっ、いい、かも……! つ、ツバキ、もうなくなったでしょ、精液。でもほら、た、ああっ、畳の上にいっぱい散らばってるのよ。あなたの好きな精液……くっ!」
 霞がかった瞳で、ツバキは転々と散る白い淫汁を見つける。
 もうためらうような理性は残っていなかった。
 犬のように這いつくばると、ツバキは舌を伸ばし、畳にこぼれた精液を舐め取りはじめる。
「だ、だめだよツバキ……ちゃん……。そんなの、きたな……うっ、くぅ……し、締めないでユキさぁん……ああっ! いいよぉ……」
 ぺちゃぺちゃと音を立てながらツバキは畳を這いずり、淫らな液体を舌から口へと移していく。
 やがてその顔は、精液の跡を辿って、その大元へたどり着いていた。
 視線を上げたツバキの眼前で、結合するふたつの秘所が濡れ光っている。
「ああ……お兄様のたくましいものが、ユキさんのあそこに深々と埋まって……素敵……んっ、ちゅっ……」
「わ、わぁっ」
 ツバキが結合部からもれる陰茎を舐め上げ、アゲハはすっとんきょうな声を発した。
 舌先はねっとりとねぶり上げ、ちろちろとくすぐりながら、玉袋までを行き来する。
「あはっ、あっ、いい!」
 そしてユキの秘裂をなぞって、淫核を啜りこんだ。ビクン、と背を仰け反らせ、ユキは後ろざまにアゲハの頭をかき抱いた。
「いいぞ、ツバキ、それ、もっと吸って! あぁー……! 子宮小突かれながら、舐められて、あたし、も、あ、あ、あっ!」
「だめぇ! ユキさんの膣、いつもよりうねって……ボク、イっちゃうよぉ!」
「イって、注いで! アゲハぁ!」
「あう、あううううっ!」
 びゅるっ! びゅうううう!
「きゃっ」
 射精を開始した男根のあまりの激しさに、驚いてツバキはすこし身を離す。
 血管を脈打たせながら、アゲハの剛直はユキの胎内へ精液を送り込んでいた。
 ずっぷりと埋め込まれたそれは、まるでふいごのように蠢きながら、陰嚢に貯め込まれた子種を、子宮へと移しかえていく。
「熱い、ああ、すごいぃ! まだ、まだ出てる、熱いのまだ出てる!」
 うわごとのように叫びながら、ユキは天井を仰いでいる。
 アゲハはピンと両足を伸ばしたまま、しがみつくみたいにユキの豊満な身体を抱いて、歯を食いしばっていた。強すぎる射精の快感に、身体中の筋肉が強張っている。
 ドク、ドク、ドク……ドク……。
「はぁー……、あぁ……」
 末期の吐息のような声を上げたのはどちらか。
 男根が最後の一滴を吐き出したのと同時に、弛緩したアゲハはばったりと倒れ込んだ。膣からは、にゅるっと男根がまろびでてくる。ツバキは霞がかった瞳のまま、その先端に飛びついた。
「お兄様……。精子、いただきます……」
「あっ、ツバキちゃ……うっ」
 愛液でぬるぬるに濡れたそれを口に含むと、ツバキはちゅるるるっと音を立てて、尿道に残った精液を吸い上げた。その刺激にアゲハの両足がビクビクと痙攣する。
「ぷぁっ。……ふふ、おいしい……」
 顔を上げ、舌舐めずりをしながら、その味をツバキは反芻した。
 絶頂から我にかえったユキが、その艶然とした表情を満足げに見やり、自らのまたぐらをぱっくりと指で開いて、ツバキに誇示した。まだ男根を咥えているみたいに丸く穴のあいた膣口から、とろとろと逆流したものが流れている。
「ほら、絞ってやったぞ、ツバキ。とっておきに濃いやつだ。欲しいか?」
「ああ……はい。欲しいです。とっても……」
「ふふふ、いい子だな。じゃあ思う存分、舐めてもいいぞ。アゲハの精液……」
 ツバキはユキの両足の間に割って入ると、秘所に唇をつけ、遠慮のかけらもなく吸い上げた。
 ずぞぞぞっ! じゅるるるぅっ!
「あはっ、あっ、いいぞ。膣だけじゃなくて、子宮にもねっとりした濃ぉいのが溜まってるんだ。あぁ、もっと、舌も入れて吸うんだ」
 吸引し、舌を差し込んでかき出し、ツバキは夢中で精液をむさぼっている。
 その艶やかな髪を撫でながら、ユキは頬を上気させて慈しむようにいった。
「これから毎日、こうやって三人で愉しむんだ。仲間はずれはなしだぞ? いいな、ツバキ」
 ツバキは股間から顔をあげると、無我夢中で、何度も何度もうなずいた。
 その口元は白い液体でべとべとに汚れ、しかし、いつもよりきれいだとアゲハは思った。
朱ノ青 その9



「……いいんだぞ、アゲハ」
 ゆっくりと男根を撫でさすりながら、やさしくユキがささやく。
「ここは世俗から離れた場所。お前に常識を叩き込んだのは私だけど、それはいずれ私がいなくなったとき、お前が下界に降りて困るかもしれないからだ。だが、ツバキがここへ来てくれた。もうお前がひとりになることはないんだ……んっ……ちゅっ……」
「あ、やっ……首筋を舐めたら……」
「お前はひとりじゃなくなった。ここでずっとツバキと暮らしてもいいんだ。世間の常識なんぞここには、お前たちにはいらない。兄妹で愛し合っても、子供を作ったって、咎める人間はだれもいやしない……」
「う、ううぅ……う……」
 首筋にくちびるを這わされ、乳首を転がされ、男根をしゅっしゅとしごかれながら、アゲハは甘い言葉に脳髄を犯されていく気がした。
 射精感が急激に高まっていく。
「あう、あう、ああああ……!」
「そうだ、妊娠させてもいいんだ。ほら、想像しろよ。この手がツバキの膣だって。この中で射精したら孕ませることが出来るんだ。素敵だろう?」
「ああ、あああああ」
 情けない声を上げて、アゲハは達してしまう。
 びゅっびゅっ、と白濁した液体が前方の畳へと飛び散っていった。
「はぁ、ぁぁああ……」
 射精は数回にわたって行われ、どろっとした精液の塊というよりは、先走り汁の混じった感じがする水っぽいものが吐き出された。
「……早かったから、だらしない射精になっちゃったな。まだ身体が準備できてないのに勝手に射精しちゃったんだな。……まあ次はもっと濃いのが出るだろう」
 ユキはぐったりするアゲハを抱きとめたまま、視線を戸口へ向ける。
「ツバキ。隠れて見てないで、こっちへ来な」
 がたっ、と襖が鳴って、その向こうの動揺が伝わった。
 アゲハはぼんやりと目を向ける。
「ツバキちゃん……?」
「は、はい……」
 観念して、襖を開けたツバキが入ってくる。どうやら襖の隙間から中を覗いていたらしい。
 顔は上気していて、息づかいも荒いようだ。
 落ち着きなく着物を直しながら、戸口近くへ正座する。そのすぐ手前まで、アゲハの精液は飛び散っていた。
「ツバキ、聞いてたなら話は早い。アゲハはお前と子供を作りたくっておチンチンから汁を飛ばしてしまうんだ。ツバキはどうだ? おなかの中に白いヤツをいっぱい貰って、受精してみたくないか? こいつに孕まされてみたくないか?」
「わ、わ、わたくし……は……」
 顔をさらに赤くさせて、ツバキはうつむいてしまう。癖なのか、指は着物の端を何度も直していた。
 しばらくそうしていた後、考えがまとまったのか、顔を上げる。口元は硬く結ばれていた。
「そのようなことはできません。わたくしたちは兄妹なのですよ」
「あ~、そうか。残念だったな、アゲハ」
「ツバキちゃんのいうとおりだよ。例えボクがそう思ってても、やっぱりいけないよ……」
「そうかそうか……。じゃあこのおチンポは、いつものように私がいただこうかな」
「あっ」
 中途半端な射精の後も撫でられ続けていた男根は、カチカチに硬いままだった。
 後ろから回り込んだユキが、アゲハの腰の上にまたがる。背中をアゲハの方に向けて、掻き開いた着物の裾からパックリと秘所をツバキに見せつけ、背面座位の姿勢で男根の切っ先をあてがった。
 挿入はせずに、性交への期待で筋ばってきた男根を指先で掻くように撫でる。
「すごいだろ、ツバキ。こんなに熱くて、太くて硬いおチンチンなんか、滅多にないんだぞ。こんなたくましいものでこの中を突き回されてみろ。あっという間にアゲハの物にされてしまう。こいつがなにをいったか知らんが、私は虜にされたんだ。アゲハのおチンチンの、おチンチンのためのマンコにされたんだ。育ての親を所有物にしてしまうくらい、すごいチンポなんだ、これは……んっ……うっ……くぅん……」
 そういいながらユキは腰を沈めていく。
 すでに垂れ流しになっていた愛液が男根の皮を包んで粘膜を作り、性交用の淫具にしてから奥にある穴の中へ飲み込んでいった。
「うぁっ、あああ……! いい、いいよアゲハぁ。毎日してても、何回やっても、はじめてしたときみたいに、気持ちいい……! あぁ、最高よ。この硬いの、最高……!」
「ユキ、さん……キツい……んんっ、ボクも気持ちよくなっちゃう……」
 自在に圧力を変えてくるユキの膣に絞られて、アゲハも我を忘れてしまう。
 後ろから抱きしめ、豊満な乳房を思うさまもみしだいた。乱れた着物から、白い果実が零れ落ちていく。
「ツバキ……そんな遠くで見てないで、もっと近くにこいよ……」
 繋がった感触をうっとりと味わいながら、ユキはいった。
朱ノ青 その8
 翌日。
 廊下で正面からばったり出くわしたアゲハとツバキは、同時に顔を真っ赤にすると、あわてて道を譲った。
 しかしその方向がまったく同じだったので、再び真正面から向き合うことになる。
 次に避けた方向も同じ。
 では相手に避けてもらおうと動くのをやめると、双方とも同じ考えで向かい合ったまま立ち止まってしまう。
 こういうところは息の合った双子だった。
「……あの、昨日は……その、ごめん」
 いたたまれなくなって、アゲハは小さく詫びた。
「……いえ、わたくしの方こそ……おかしな気分になってしまって……あ、アゲハさんと、あんなこと……」
 思い出したのか、ツバキの顔はゆでだこのようになってしまう。
「いや、ボクが悪いんだよ。変な気持ちになっちゃったから……」
「あの、もしかすると、ユキさんにもらった飴玉が原因じゃないかと思うのですが……」
「あ、ボクもそれ思ったよ。だいたいお八つなんかわざわざ手渡ししなくていいんだよね」
「そうですよね。変です……よね。でも……いいきっかけになったかも……」
「え?」
「い、いえ。なんでもございません。そろそろ失礼しますわ。玄関先のお掃除を言付かっておりますの」
「あ、うん。がんばって」
 ことさらよそよそしくツバキは会釈し、脇を抜けていった。
 ふわりといい匂いが鼻先をくすぐって、アゲハの胸にムラっとしたものが湧き上がる。
(ううう、どうしちゃったんだろう……)
 去っていく後姿を見ながら、無意識に妄想してしまう。
 いますぐにでも追いかけて、後ろから抱きすくめて、獣のように犯してしまいたい。
 もちろん精液は一滴のこらず子宮へ注ぎ込むのだ。
 膣いっぱいに男根を詰め込んで、子宮の入り口に蓋をするみたいに射精すれば、いっぱつで妊娠することだろう。
 真っ昼間から卑猥な妄想に囚われたアゲハは、ふらふらとツバキの後を追って歩き始めた。
 玄関先へ到着してもツバキの姿は見えなかった。
 そのころには、なんで自分がこんなところに突っ立っているのか、アゲハ自身にもわからなくなっている。
「……アゲハさん」
「わあっ!」
 横合いから声をかけられて、アゲハは派手に驚いてしまった。
「ご、ごめんなさい。驚かせてしまいました」
 箒と桶を持ったツバキがいた。掃除道具の仕舞ってある物置に入っていたらしい。
「いや、ボクこそぼーっとしちゃってて。あ、手伝おうか?」
「いえ、すこし掃いて拭けばおしまいですから。それより、昨日の飴玉のこと、ユキさんに問いただしていただけませんか? ……その、わたくしたちのことは、もちろん伏せて」
「う、うん。さすがにいわないよ」
 ふたりしてまた思い出し、沈黙してしまう。
 しばらくしてツバキがいった。
「……あ、あの、すごくぶしつけな質問をしてもよろしいですか?」
「え? ボクに答えられるものなら……」
「その……ユキさんとは、その、よく交わっておいでなのですか?」
「う、うん。……ほとんど毎日……三日と空いたことはないんじゃないかな……」
「じゃあその……避妊と申しますか……赤ちゃんが出来たりは……。わ、わたくしが見たときも、特にその、気をつけていらっしゃるように感じませんでしたので」
「ああ、それなら……」
 アゲハはすこし暗い顔をする。
「……ユキさん、子供を産める身体じゃないんだ。『月のもの』ってのが、ぜんぜんないんだって」
「……薬のせい、ですか」
「理由までは聞いたことないけどね。この話はあまりしない方がいいよ。ユキさん、子供が出来ないことを本当に苦にしてるみたいだから」
「はい。軽率でした」
「本人に訊ねる前に訊いてくれてよかったよ。ぜったい、機嫌悪くなるし」
「そうですね。じゃあもし、わたくしとお兄様が交わったら、赤ちゃんが出来てしまうということですか」
「え!?」
「あっ! ななな、なんでもないんです。あの、そろそろお掃除をしないと」
「う、うん。ボク行くよ」
 逃げるようにアゲハはその場を離れた。
 ツバキを妊娠させてやりたいなんて妄想をいだいてしまっていた後だけに、妙に心臓がドキドキする。
 ユキを探して庫裏の中をうろうろする。ひっつめ髪の色っぽい姿は裏庭で見つかった。
 物干し竿に洗濯物を干しているユキに、アゲハは声をかける。
「ユキさん、ちょっといい?」
「よくない。手伝え」
「今日はボク、食事当番じゃないか。それより昨日くれた飴玉、どこでもらったものなの?」
 このあたりで取れるもの以外は、すべて本殿からの仕送りや村の捧げ物である。
 食料が届けば、アゲハは特にお菓子の類を入念に調べるので、たいてい記憶にあるのだ。
 それでも飴玉二個くらいは見逃しても不思議はないが。
「菓子鉢の中にあったのを渡しただけだぞ。どうした、なにかあったのか?」
「え、いや……なんにもないけど」
「飴玉で腹を壊したわけじゃあるまい。ほら、これ」
 洗濯物を渡され、結局アゲハは手伝うことになってしまう。
 ほとんど干し終わっていたので、すぐに作業は終わって、ふたりでユキの部屋で涼を取ることになった。
 庫裏の裏手には氷室まである。冬場の雪を集めておいて、生物を保存したり、氷を食べたりするのだ。元はユキの治療に必要なものを保管するためだったらしい。
「じゃあツバキちゃんも呼んできて、かき氷にしようか」
「……やっぱり気が変わった」
 立ち上がろうとした中腰の姿勢で帯を引っ張られ、アゲハは後ろざまに倒れてしまう。
 それをユキが畳みに座ったまま抱きとめた。
「え? 氷いらないの?」
「ああ。氷よりお前がいい」
「へ?」
「昨日、相手してくれなかったよな、アゲハ。……お昼にツバキとイチャついたせいか?」
「ふぇっ!?」
「ふふふ。図星か。悪い子だなぁ、アゲハは。あいつは妹だぞ」
 そんなことをいいながらも、ユキはひどく機嫌よさ気にアゲハの頭を撫でた。
 アゲハは真っ赤になったまま、もごもごといいわけする。
「だって、なんだかふたりとも変な気持ちになっちゃって。あの飴玉のせいかと思って、さっきあんなことを訊いたんだよ」
 ユキはそれには答えず、
「どこまでいったんだ。このたくましいチンポで愛してやったのか?」
「あんっ、ダメだよぉ」
 背中から抱きしめたユキが腕を回し、裾を割って股間へ手をもぐりこませる。もう片手は胸元から侵入した。
「したのか? このチンポで処女膜を引き裂いてやったのか?」
「し、してないから。流されちゃったのは本当だけど、そこまではしてないよ」
「なんだ、つまんないヤツ。男ならズボズボに犯してやって、一番奥でどっぷり射精してやれよ。いつも私にしてるみたいに、子宮の中を精液で満杯にしてしまうんだ」
「そんなことしたら、ツバキちゃんが妊娠しちゃう……」
 妊娠。
 ツバキが妊娠……。
「お? どうした、一気に硬くなったぞ、ここ」
 うれしそうにいったユキが、裾の中に納まりきらなくなったものをごそごそと取り出してこすり上げる。
「あうっ……うぅ……だ、ダメだって……」
「妊娠させたいのか、アゲハ? 自分の妹に種付けしたくって、おチンチン硬くしちゃってるのか? うふふっ」
「そ、そんなことない……」
 だが、それを想像するたびに血が熱くなるような興奮を覚えるのも事実だった。
 いままで相手を妊娠させることなど、なんの興味もなかったのだ。
 ユキの身体のせいではない。逆に避妊を考えないでいい分、めんどうがないとすら思っていた。
 それがツバキだと……。
 けっして妊娠させては、いや本当なら交接してもいけない相手だとわかっているのに、ことのほかかき立てられるのだ。
 ユキがいつも子宮の中へ出せと、しつこく精液をねだる気持ちがわかった気がした。
 ユキは妊娠したい願望がある。だから精液を子宮にもらって興奮する。
 いまのアゲハにも妊娠させたい願望があるから、種付けすることを考えるだけでこんなにも興奮するのだ。
朱ノ青 その7
 愕然としてアゲハが上半身を起こすと、なんと足元にツバキ本人が正座していた。
「あ……あ……」
 絶句して口をパクパクしているアゲハに向けてにっこりと微笑み、
「お邪魔でしたかしら」
「いや……あの……これは」
 よく見るとツバキは着物姿ではない。着物の下につける白く薄い湯文字だけまとっていた。
 水浴びをしてきたのか、肌の水分を吸って湯文字はぴたりと張り付き、身体の線や陰影、乳首の桜色までが露わになっている。
 まだ熱が篭っているのか、頬は傍目にわかるくらい上気していた。
「ボ、ボク……違うんだ、えと……」
 アゲハは自分でなにをいっているのかわからないほど動揺している。そそり立った男根を隠すことも忘れていた。
「あら、違うんですか? てっきり、わたくしのことを想いながら自慰に没頭していらっしゃると思いましたのに」
「そ、それは……その」
「ねえ、正直におっしゃって。お兄様、わたくしを想像いたしましたでしょう?」
 つい、と寄ってきたツバキが身体を密着させる。
 そのやわらかさがまたしても血を滾らせてしまう。
 アゲハは観念してうなずいた。
「……うん」
「うふふ。うれしい。実はわたくしも、水浴びの間、お兄様を想って自分を慰めていたのですよ。証拠に――ほら、ここはもうこんなに」
 股間へやった手を引き戻すと、ツバキの指先にはどろりと白い液体が絡み付いていた。
 透明なさらさらしたものではない。白くにごった粘性の愛液は、相当感じないと出てこないものだと、アゲハも知っている。
「お兄様……わたくし……」
 粘液で濡れた手を、ツバキは男根へ添えてくる。
 触れられた途端、剛直はその硬さと相反する敏感さで、ビクンッと震えた。
「へ……変だよ、ツバキちゃん。そんな……うっ……こと……」
「変なのはお兄様も同じですわ。わたくしを襲いたくて仕方ないんでしょう?」
 しゅっしゅっと上下にこすり立てつつ、耳元へ息を吹きかけるようにして訊ねる。
「ち、ちがう……よ……ボク」
「あら、そうですか。でも嘘はいけませんよ」
 つかんだ一物を下から上までつぅっと撫で上げ、亀頭を揉み解すようにこねる。
 愛液によってぬるぬるの手でこすられ、アゲハの理性はあっけなく陥落した。
「んっ、はぁ……。ご、ごめんなさい。……襲いたい、ツバキちゃん。ボク……」
「うれしいですわ。でもね、ダメなのです。わたくしたちは兄妹。そういうことはいけませんの」
「そんなぁ……」
「ふふ。子犬のような眼をなさらないで。代わりに別の方法でお慰めいたしますから」
 ツバキは艶然と微笑んで、身をかがめた。
 鈴口から垂れ出した先走り汁と愛液でねとねとになった男根に、ツバキはちゅっとくちびるをつける。
「あっ!」
 アゲハは男根だけでなく、腰までも震わせた。
「わたくし、耳年寄りなのです。女ばかりに囲まれて暮らして参りましたけど、年頃の娘たちは案外、殿方が思うよりもいやらしい話をするのですよ」
「そうなの?」
「アゲハさんにはよくわからないお話でしたね。だから……こういうことも、わたくしちゃんと知っておりますのよ」
 ぬるっとした口腔へ亀頭が吸い込まれる。
 たどたどしいながらも舌を使い、歯が当たらないようにしてくれていた。
「あう……あ……」
 短い喘ぎを放って、アゲハは畳へ後ろ手をつき、腰を突き出すようにして上体を支えた。
 ツバキが横合いから回り込んできて、アゲハが入りやすいように股を広げると、そこに身体を収めた。
 本格的に股間へうずめた顔が上下しはじめる。
「あ……はん……あぁ……いい……いいよツバキちゃん……」
「じゅる……ちゅ……ほうですか? わたくひの口は……れるっ……ひもちいいですか?」
「うん……いい……すごい、蕩けちゃいそう……」
 技巧に長けているユキとは比べるくもない口淫だったが、逆にその初々しさが興奮を呼び起こしてくる。
 なにより、男根を含んでいるのはけっして肌を重ねてはいけないはずの相手……自分の妹なのだ。それも、双子の……。
「お兄様、先っぽの方から、透明なお汁が溢れてきてます……これ……とってもおいしい……ネバネバが口の中に広がっていきますわ……」
 一端口を離し、ツバキは手を使って竿をしごきつつ、もう片手を鈴口に当てて先走り汁を指先につけた。
 透明な糸が亀頭と指とをつないで長く垂れる。それを伸ばした舌ですくい取った。
「ああ……。お兄様の味……。もっとしっかり覚えないと。わたくしの舌がいつでもお兄様の味を思い出せるように……。んっ、ふぅ……はむ……ちゅる……」
 ツバキはどんどん溢れてくる透明な汁を舌先ですくいながら味わっていく。
 やがて鈴口から垂れ流されているものだけでは飽き足らなくなり、
「お兄様、この中……尿道の中にたっぷりお汁がつまっていらっしゃるのでしょう? 吸ってもよろしいですか。わたくし、もっと口の中をネバネバでいっぱいにしたいのです。ネバネバのお汁、おチンチンの中から吸い出してもよろしいですか?」
「う、うん……。吸って。ツバキちゃんの好きにしていいから……」
 上目遣いに訊かれては、アゲハもうなずくしかない。それ以前に理性が崩壊してしまっている。
「あはっ。ありがとうございます。……んふっ、はむ。……ちゅる、ちゅうううう!」
「うわ、あぁっ!!」
 鈴口にすぼめたくちびるを当てたツバキが、母乳でも吸い出すように尿道を吸引した。
 その中に溜まっていた先走り汁は勢いよく吸い出されて、まるで射精してしまったかのような放出感を覚え、アゲハはふとももをビクビクと震わせて仰け反ってしまう。
「あ、ああ、あ……。で、出ちゃ……った、わけじゃないんだ」
「うふっ、おにいひゃま、口の中がネバネバでいっふぁいになっちゃいまひた。……あは……ふぅ……すごい……んく、んく、んくっ」
 くちゅくちゅと先走りの味を堪能したツバキは、自分の唾液との混合物を何回にも分けて嚥下していく。
 その間も男根をしごく手の動きは別の意志を持っているかのようにやまない。
 おいしそうに体液を飲み下していくさまを見せ付けられたアゲハは、昂ぶりを増して男根を硬くし、さらなる分泌物を滲ませてしまう。
 目ざとくそれを見つけたツバキが、再び一物へくちびるを寄せた。
「まあ。あとからあとから出てきて……。んちゅ、ちゅる……ちゅぱっ……あ、あら? なんだか味と……色も変わってきましたわ。苦くなって、白く濁ってきたような……」
「う……ひょっとしたら、気持ちよすぎて精子が混じっちゃってるのかも……」
「この中に、お兄様の子種が? ……素敵……」
 うっとりと表情を蕩かせて、ツバキは熱心に口淫を再開する。
「ちゅぱ……ちゅる……じゅ……ごめんなはいね、おにいひゃま。……んふ……ちゅ……本当なら、わたくしの下の口で……ちゅぱ……ここから出るものを受け止めてあげたひのれすが……」
「ううん。いくらボクでも、やっぱりそんなことはいけないってことくらいわかるよ。んっ……それにツバキちゃんの口、とっても気持ちいいし……」
「よかったれふ……じゅぱっ……んん……実は自信がなかったのです。お兄様を喜ばすことができるのか……。じゅるっ、じゅ、じゅっ、ちゅ……!」
「あっ、激しいよ……! そんなしたら、出ちゃう。ツバキちゃんを汚しちゃうよ……」
「まあ。パンパンに張り詰めて参りましたわ。うれしい、わたくしの舌でこんなになっちゃったのですね。もっとがんばりますわ。……ちゅ、ちゅっ、じゅるるる!」
「ああああ! 待って、ほんとに危ない、出ちゃうからあ。せ、せめて口を離してっ!」
「らめれふ、口の中にらしていたらかないと。……んっ、ふっ、ちゅ、ちゅぱっ……下の口にいただけないのなら、上の口から、しっかりお兄様の体液を取り込まないと……!」
「そ、そんな……。ほしいの? ツバキちゃん。あんっ!」
「ほしいれふ! ほしい、お兄様の精液、白いのが欲しいのれす! じゅぷっ……ちゅ……くちゅ……んふ……。出して、らしてぇ!」
「は、あう……うぅ……ボク、出ちゃ……飲ませちゃう……ツバキちゃんにボクのお汁飲ませちゃうよぉ……!」
 アゲハは腰を突き出して絶叫した。
 射精の予兆に男根がビクンビクンと大仰な動作で跳ねる。
 むしゃぶりついたツバキは当然それを離さず、逆に喉の方まで押し込むように飲み込んでしまった。
「ああう! あうっ、出る、イクイクッ! いくぅぅぅううう!!」
 果てることを宣言したアゲハが射精を開始した。
 ツバキの喉めがけて、容赦ない射精の一撃がほとばしり出る。
「んぐっ、んううううっ!?」
 男の絶頂がここまで激しいとは予想していなかったらしいツバキが、目を白黒させてそれを受け止めた。
 喉に放たれたものはそのまま食道を垂れ落ちて行き、むせそうになって男根を引き抜けば、口腔へと精液が放り込まれて、あっというまにそこもいっぱいになってしまう。
「ツバキちゃん、ツバキちゃん!」
 夢中で叫んだアゲハは、ツバキの髪をつかんで股間へ押し付けるようにした。
 もう一度喉の方まで男根を突き入れられたツバキは、目を剥いて喉奥への射精を受け入れた。
 口の中の精液はだらだらと洩れて、小さな顎を汚らしく汚していく。
「んうう、んんんんっ! んお、おぐっ!」
 ツバキもまた、身体の中が精液で犯されていく感覚に酔いしれ、全身を火照らせていった。
 無意識で伸ばした手は股間をかき回すように愛撫し、肉棒が射精の衝撃で跳ね上がるたびに、ツバキの秘所もまた愛液の塊を吐き出す。
「まだでる、まだでるよ、ツバキちゃん、たくさんでるっ!」
「んふうう、あお、おおおん! おんっ、おおお!」
 喉から食道へと白濁した欲望を流し込まれているうちに、ツバキも絶頂に達してしまった。
 白い身体が幾度も痙攣し、ビクビクとのた打ち回る。座り込んだ足先がバタバタと暴れて、畳を何度も打った。
 それがゆっくりと収まるにつれて、アゲハの射精も勢いをようやく弱め、やがて猛りきった剛直は萎えていった。
「あふっ、んん……」
 口の周りを白い液体でべとべとにして、ツバキはぐったりと畳の上に横たわる。
 アゲハは射精後の気だるさと、午後の気だるい陽射しとをいっぺんに感じながら、同じく畳へ倒れ伏した。
(やっちゃった……)
 男が行為の後に感じる独特の罪悪感がムクムクと頭をもたげてくる。
 ほとんどツバキが主導したといってもいいのに、いますぐ土下座でもして謝りたいくらいだった。
 それでも、半裸で精液にまみれるツバキの姿は、ひどく淫猥に欲情を煽ってくる。
(ボクってヤツは……)
 早くも復活しつつある男根に、アゲハは自分が男であることをいままでにないほど感じ、それ以上に情けなくなった。
「……ん……お兄様……わたくし、お口から精子をいただいて……妊娠してしまったかも……」
 ツバキがたっぷりと精液の流し込まれた胃の辺りをさすって、とろんとした目でささやいた。
朱ノ青 その6


 呼び止められたアゲハが後ろを振り返ると、廊下の角からツバキが顔を覗かせていた。
「なんか用?」
「ユキさんにこれを渡すように頼まれて。沢の方へ行かれたので、代わりに」
 手を差し出すと、手の平の上に青い玉が乗せられた。
 きらきらと綺麗に輝く、指先くらいの大きさの玉だ。
「なにこれ?」
「お八つだそうです。飴玉なんて久しぶりですわ」
 ツバキはくすくす笑っている。きっと同じものを貰ったのだろう。
「ふ~ん。ボクもこんなの、最近は食べてないかも」
 ひょいと口に放り込んだ。
 不思議な甘い味が口内へ広がっていく。
「……アゲハさん……その」
 飴玉を渡すだけのはずなのに、ツバキはまだそこにいた。
 気のせいか頬が上気していて、腰の辺りをもじもじとさせている。
「どうしたの、ツバキちゃん」
「い、いえ……。その飴玉、どうですか?」
「どうって……。なに味っていわれるとわかんないけど、おいしいよ」
「そうですか。わたくしだけ……なんでしょうか」
「なにが?」
「な、なんでもありません。赤い飴玉を貰ったのですけど、食べてからどうも身体が熱くって」
「ひょっとしたら夏風邪じゃないの?」
「そんなことありません。ちょっと、暑さで身体に熱が篭ってしまったのかも。水浴びでもしてきますわ」
「冷やし過ぎないようにね」
 ツバキとはそこで別れ、アゲハは部屋に戻る。
 太陽の照りつける時間帯は、外に出るわけにもいかず、主に寝て過ごすか本を読みながら涼を取ることにしていた。
 どうしようかぼーっと考えているうちに、口の中の飴玉はすっかり溶けてなくなってしまう。
(おいしかったな。ユキさんにもう一個もらおうか。……ん?)
 どくん、と心臓が波打った気がした。
 急激に身体中が熱く、滾るように火照っていく。
(な、なに?)
 戸惑いを覚えているうちに、昂ぶった血流がどんどんとある一点に向かって収束していくのがわかった。
 それはアゲハの股間――立派な男根が備えられている場所だ。
(わ、わ、わ)
 なにも意識していないのに、ムクムクと一物は隆起していく。
 鎌首をもたげた男根と同期して、アゲハの精神に情欲の火が灯る。
 堪えきれないほどの性欲が下半身から全身へ向かって放射され始めた。
「う、うそ。なんで……?」
 このところよく着ている朱の浴衣を押し破らんばかりに、男根は激しく自己主張を始めた。
「あ……う……んん……」
 布とこすれあっているだけなのに、びりびりとした快感が背筋を貫いていく。
 下帯を外すのももどかしく、アゲハは裾から男根をまろびださせた。
 外気にさらされた男根はまるで別のなにかのように、隆々とそそり立っている。
 儚げな乙女にも見えるアゲハが腰から生やしているものとは、到底思われないような剛直であった。
「ひょっとして、あの飴玉……? ツバキちゃんも、こうなったのかな」
 わずかな疑問は煮えたぎるような性欲の前に呑まれてしまう。
 アゲハは自分でもびっくりするほど熱を持った竿を両手でつかんで、ひたすらにこすり始めた。
「いいっ、気持ち、いい!」
 いくら女の子になりたいと思っていても、身体は健康な男子だ。ついでに頭の中身もアゲハは男のものである。いままでに自慰を行ったこともあった。それはユキの目を盗んだ、興味本位的なもので、回数もひどく少なかったが――。
 その経験がまるで嘘だったかのように、自らの手で男根をこするたび、強烈な快楽が腰を駆け上ってくる。
「こんなに、いい、なんて……!」
 いつの間にかアゲハは仰向けに寝転がり、腰をわずかに浮かせた姿勢で千ずりをはじめていた。
 浴衣の胸元を掻き開いて、片手は乳首をまさぐる。
 そこはユキにたっぷりと仕込まれた性感帯だった。
 撫でたり転がしたりしているうちに乳首はピンと勃ってきて、それをつまみながら男根をしごくと、よりいっそうの快感が得られた。
「ああん、はんっ、いやっ、いい、いいよぉ……!」
 小さく喘ぎながら腰をばたつかせ、アゲハは自慰に没頭していく。
 そのうち、おかしなことに気がついた。
 快楽は充分に高まっているのに、いずれ訪れるはずの頂点がいつまで経ってもこないのだ。
 快感の方もある段階を頭打ちにして、いくらしごきたてようとも昂ぶらなくなってしまった。
「ううう、こんな、苦しい……」
 射精の一歩手前、寸止めの状態のまま引くに引けず、前にも進めずにただ痛いくらい張り詰めた物をしごき続けるだけ。
「入れたい……。入れたら出せるかも……」
 真っ先に思い浮かんだのはユキの顔だ。
 しかしツバキによると、当人は沢の方へ外出している。戻ってくるまで我慢できそうになかった。
 いますぐにでも出したい。あたたかい膣肉に包まれて射精できたら、この苦しさが甘美な快楽に変わるのは容易に想像できた。
 この家にいるのは自分とツバキだけ。
 ツバキなら……。
(だ、ダメ。ダメだよ。ボクはなんてことを……)
 仮にも血の繋がった妹。本当の両親が死んでしまったという今、唯一の肉親なのだ。
 だが……。
(急に妹だなんていわれても、他人にしか見えないよ)
 ツバキのことを想った途端、アゲハの脳裏はその笑顔、肢体で埋め尽くされてしまう。
 風呂場で見たまばゆいばかりの裸体。
 清楚で物静かな立ち振る舞い。
 高潔で気難しいところもあるけど、それ以上に素直でやさしい娘だ。
(ツバキちゃんを抱けたら……抱けたとしたら……)
 あの張りのある肌を抱きしめて、この苦しい肉棒を思うさま膣内へ入れることが出来たら。
 ツバキはどんな顔をするだろうか。
 あの、努めて澄ましているような表情が、あられもなく愉悦に歪むのだろうか。
(ツバキちゃん……ツバキちゃん……)
 禁忌も背徳感もはるか彼方へ置き去りにして、アゲハはツバキを犯すことを想像し、夢中になって自分を慰めた。
 寸止め状態だった快楽も徐々に昂ぶりを増してきた。
(あ……イケそうかも……)
 快感の頂点を目指して、アゲハはぎゅっと男根を握り締める。
 搾り出された先走りの汁が、ぴゅっと射精みたいに飛んで手元を濡らした。
「ん……ふ……ツバキちゃぁん……」
 思わずその名前を口に出していた。
「はい」
 まさかそれに返事があろうとは。
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