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大江戸玩具桃色屋 その弐の5
「っくう……くん」
「だいじょうぶでしょう? 実はね、この通和散、少し手を加えてあるの。お尻になじみやすくしてるのよ。いまからこれを入れてあげる」
 ちゃら……
 蜜柑の顔の横で、これから尻へ入るであろう球の連なりが振られた。
「まず一個目……」
 つぷ、と球がねじこまれる。灼熱の異物感が菊の内に焼けついて、蜜柑は身体を硬直させた。
「ちからを抜かないと、入らないわよ」
 さらに二個、三個と差し入れてくる。
 球が増えるにつれておなかの中に膨張感がありありと感じられ、ただひたすらに熱い。しかし痛くて苦しいのに、蜜柑の花弁からはとろとろと蜜が糸を垂らして、杏子の下腹を汚していた。
「く……くるしいよぉ……」
 少し涙目で眉をしかめ、蜜柑は訴える。
 林檎はその肩を上から抱いてささやいた。
「だいじょうぶよ。もう最後まで入ったから。さわってみて」
 蜜柑はおそるおそる菊花へ手を当てる。
 わっかのようなものが尻の穴からぶら下がっていた。
「十五個もはいってるのよ。どう?」
「わ……わかんない……。でも、あの……でちゃいそうで……」
「出しちゃだめよ。私が引っ張り出すんだから。――こんな風にね」
 わっかを指で引っ掛けた林檎が、ぐっとそれを引っ張った。
 ちゅぽんっ!
「ひあっ!」
「まだまだ――」
「あ、あう!」
 ちゅぽっ、ちゅぽんっ!
 球が抜けていくたび、熱いだけだった異物感がいままで感じたことのない異質な快感につながった。
 背筋がぞくぞくしはじめて、蜜柑は夢中で喘ぐ。
「変、お尻が変になっちゃう」
「感じてるのね。一気にいくわよ」
 ずるるるるっ!
 林檎は半分くらいから最後まで、一気に球を引っ張り出した。蜜柑の菊花は連続して拡張と収縮を繰り返される。抜け出ていく感触がひと連なりの快感となった。
「ああああうううっ!」
 大声を上げて背筋を反らせる。
 糸を引いていた花弁からは、ぷしゃっと膣圧で蜜がほとばしり出た。
「あは。すごーい、蜜柑。こんなに感じてくれてうれしいわ」
 林檎は取り出したばかりの球を口に含んで舐めすすった。
 パクパクと開いたり閉じたりしている菊花へ、
「これなら、太いのもいけそうね」
 と、先ほど杏子の尻を犯していた張り型を取り出してあてがった。
「どう? 大姉さんとおんなじの、試してみる?」
「うん……うんっ!」
 はぁはぁと喘ぐばかりの蜜柑は、質問の意味もよくわかっていない。
 倒れ伏すように抱きついた杏子の身体が、通和散のぬるぬるで滑って、なんだかとても気持ちよかった。
 ずぶり、と張り型の先端が埋没する。
「――っ!」
 声なき声をあげて、蜜柑は息を呑んだ。
 どうしたことか、痛みや苦しさを感じているのに、それがもう気持ちよさとしか受け取れなくなっている。
 ずぶずぶ……
 張り型が入り込む様子に背筋を震わせ、
「あ……熱い……」
 とつぶやいた。
 尻を犯されていると言う異常さが、倒錯感を想起させ、頭がくらくらするような快感を呼んでくる。羞恥や倒錯をもっと受けたくて、蜜柑は無意識に声をあげていた。
「もっと……もっとぉ」
「もう根元まで入っちゃったわよ。さ、大姉さんもお待たせ」
 林檎は蜜柑と杏子の張り型を両手でつかんだ。
 そしてそれを交互に出し入れし始める。
「あン、あン!」
「あうう……」
 快楽にまみれた杏子の嬌声に、わずかな苦痛混じりの蜜柑の声。
 湯殿には張り型が出入りするときの卑猥な水音と、ふたりの喘ぎが響き渡った。
「み……蜜柑ちゃん、私……さ、先に」
「やだぁ、杏子姉、いっしょにイこうよぉ」
「だってもう……う、ううっ」
 杏子がこまかく震えて、蜜柑の背に手を回した。大きく開いた股は、女陰も菊花も張り型に犯されて、とろとろの愛液を滲ませている。
「もっと抱いて。ぬるぬるして気持ちいいっ」
「ああ……蜜柑ちゃん……」
「乳首が、こすれて……気持ちいいの!」
 蜜柑も杏子の身体を抱き、胸をすりつけた。
「そんなにしたらぁああ……。ご、ごめんなさい、お姉ちゃんイっちゃう!」
「あ、あたしもイクの、ねえ、イっちゃうんだから」
「ああああん!」
 杏子の震えが痙攣になって、身体全体を大きく震わせた。
「あ、杏子姉……! あううう!」
 わずかに遅れて、蜜柑の身体にも痙攣が走る。丸めた背中がビクビクと震え、花弁はめくれあがって蜜を吐いた。
 ふたりの尻へ差し込んだ張り型を、何度も出し入れして、林檎は徐々にその動きをゆるやかにしていく。
 それに合わせて、抱き合ったふたりの力も抜けていった。
 絶頂を終えた杏子と蜜柑ばかりか、林檎までぐったりと床へへたり込んでいる。手を使いすぎて疲れたらしい。
「……蜜柑、どうだった?」
「え……? お、お尻もよかった」
「ふふふ。じゃあ次から、あなたにも頼めるわね」
「でも……ハマりすぎちゃったら怖いような……」
「大丈夫よ、蜜柑ちゃん。お通じもよくなるし健康にいいのよ」
「……大姉さん、それは気のせいだと思うな」
 蜜柑ははっとして顔を上げ、林檎を見据えた。
「林檎姉、あんたはいいの? あたしたちばっかり不公平じゃない?」
「え……わ、私、お尻はちょっと……」
「あらぁ。食わず嫌いってよくないと思うの」
「大姉さんまで、いやっ、よ、寄ってこないで」
 蜜柑は背後に回りこんでがっしと腕を羽交い絞めにし、足をももの後ろから差し込んで開かせる。
 杏子が新しい通和散の瓶の封を切りつつ、張り型を手に微笑んだ。
「大丈夫よ、林檎ちゃん。お通じもよくなるし健康にいいのよ」
「ひいいいいっ!」
 林檎の情けない悲鳴が、湯殿から夜空へと、立ち上っていった。
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