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-chapter2- 異形
 夜になって、ディラックは再び艦長室へ足を運んだ。
 鍵がかかっているかと思ったが、開けっ放しだ。無用心な、と呟いてその中へ忍び込む。
 ポケットからディスクを取り出し、艦長席のコンソールの電源を入れる。高度な演算と通信を可能にする機器は、こことブリッジにしかない。もうすぐ夜勤の時間になる。当番は自分だからブリッジの機械を使ってもよかったが、人目につくことはできるだけ避けたかった。
 ディスクを差し込もうとした瞬間、ディラックの耳は廊下を歩く足音を聞き取った。艦長室はタケミカヅチの3階部分に当たり、3階には艦長室しかない。足音はここへやってくることを示していた。
 すばやく電源を落とし、物陰に身を潜める。すぐに声が入り口から言った。
「あれ、開けっ放しで出ちゃったのかな……」
 サクヤと、もう1人小柄な影。シトゥリだ。2人は空気圧搾の電源が入っていないため、手動に切り替わっているドアを閉めて、中へ入ってきた。
「一体何の用だ……」
 ディラックは口の中でイライラと呟いた。
 すぐに2人の用件はわかった。
「あ、……んっ」
 薄い常夜灯の明かりに照らされた影が重なり合った。濡れた舌遣いの音と、衣擦れの音が響く。
「おいおい」
 ディラックはにやりと小さく笑った。ヤサ男なだけかと思っていたが、シトゥリもなかなかやる。
しかし違和感があった。まったく無言なのもそうだが、時折光に照らされるシトゥリの瞳。昼間見た穏やかながらも澄んだものとは違う、鋭い陰のある目だった。
ディラックはどこかでそんな目を見たことがあった。よく知っている人間だ。
「や……は!」
 ガタン、と音がして、サクヤが艦長席の机の上に横たえられた。ディラックのすぐ近くだ。すでに履いていたロングスカートは脱ぎ捨てられ、ブラウスの胸もはだけられている。外されたブラジャーからは、想像以上に豊かな胸が露出していた。
 シトゥリがサクヤの股の間に腰を入れ、しばし動きを止めた。
 その間も無言だ。ディラックの位置からはっきりとその顔を見ることができた。
その瞬間、電撃のようにある人物の顔が、シトゥリのものと重なった。
(トウキ……!)
 動悸が跳ね上がる。
 顔の形も、髪の色も、背丈も全部違う。だが、ディラックはシトゥリにトウキの雰囲気を重ねていた。
(なぜだ。シトゥリ・レイヤーとトウキ・ラシャ。同じ現人神として以外に、何かつながりがあるのか?)
「ああ、あ! トウキっ」
 腰を突き入れられたサクヤが、その名を叫んだ。
 サクヤもトウキの影をシトゥリに見ている。トウキとサクヤは恋仲だったと聞いていた。亡きトウキの面影を見ていると言うのならまだわかるが、雰囲気以外シトゥリとトウキは何1つ似ていないのだ。
 気が変わった。ディラックはそのままじっとそこへ身を潜めた。
 やがてサクヤの声が高く上がり、シトゥリが身を離した。
 そのまま何もしゃべらず、ふいにきびすを返して歩み去っていく。サクヤはまだ恍惚の余韻の中、机の上に身を投げていた。
 好都合だ。シトゥリの姿が消えてから、ディラックは声をかけた。
「5つも年下の部下と密会とはな、艦長」
 愕然と身を起こしたサクヤが、ディラックの方を振り向いて、気死しかねない表情でパクパクと口を動かした。
「黙ってもらおうか。言っておくが、質問をするのはこっちだぜ?」
 ディラックはサクヤの口に手を当て、その隣に回りこむ。驚きから覚めたサクヤは、あきらめた表情でうなずいた。手を離し、訊く。
「さっきの男は誰だ?」
「シトゥリ……シトゥリくんよ。あなたも知ってる」
「いいや。お前は違う人間を重ねていたはずだ。それは誰だ?」
 サクヤの瞳が揺れた。ディラックから目をそらし、口をつぐむ。
「言いたくないんならいいんだぜ? おれはわかっている。それに、艦長が部下と肉体関係があると広まれば、困るのはお前だ。ちゃんと録音も回しておいたしな」
 後半は嘘だ。だが、サクヤは顔を青くすると、ディラックにすがりついた。
「お願い! それだけは」
 ディラックは思わずにやりと口元をほころばせた。
 いい表情だ。嗜虐心の火を点ける目。
「そんなつもりはねぇんだが、そうだな。とりあえず――」
 ディラックはサクヤの胸元に手を入れ、片手に余るその肉をもみしだいた。
「おれの言いなりになってもらおうか。手をどけろ」
 サクヤは口を引き結んで、胸を押さえた手を離した。怒りに震える声で言う。
「卑怯者」
「そいつはどうかな」
 ディラックはサクヤの体を机に押し付けた。
「お前はまだ何かを隠している。違うか? どうあってもシトゥリと関係していることをばらされたくない理由があるはずだ」
「…………」
「今は話さなくともいいさ。……さっきので汚れただろう。股を開け、綺麗にしてやる」
 観念したのか、サクヤはおとなしく従った。
 相手に考える暇を与えないことだ。ディラックはハンカチを取り出すと、ゆっくりとサクヤの花弁にあてがい、こするように動かした。
 くちゅくちゅと、残滓の液体が音を立てた。
同時に、サクヤの体がぴくりと反応する。まだ愛し合った熱の余韻が冷め切らないのだ。ディラックは優しく丁寧に花弁を拭きあげた。荒くなった息を隠すように、サクヤが呻いた。
 やがてディラックがハンカチをどけた頃には、サクヤの体はすっかり熱を帯びていた。
「拭いても、中から溢れてくるんじゃしょうがねぇな」
 感じていると言う自覚はあったのだろう、サクヤが顔を赤く染めた。 
ディラックを見上げて言う。
「……早く済ませてよ」
「そうはいかねぇな」
 サクヤの秘所は魅力的だったが、他人の精液で汚れた場所を使う気にはならなかった。
素直にフェラチオで済ませるには惜しい気がした。もう少しいじめてやりたい。この手の生真面目で甘っちょろい考え方の人間を見ると、そいつの人生観が変わるほど無茶苦茶にしてやりたくなるのだ。さすがに今そこまでするつもりはなかったが、ディラックは思いついて指を花弁の下へ向けた。
「え?」
 驚いた声を上げたサクヤが、体を硬直させた。
 ディラックは何の予告もなく指をアナルへ突き入れていた。
 抵抗があるかと思ったが、意外にすんなりと禁断の場所は指を受け入れた。
「……っは……」
 サクヤが机の上に横たわったまま、天井を向いて喘いだ。
 指を抜き差ししながらかき回すように動かすと、その喘ぎが深まって、太ももが震えた。とろりとしたものがディラックの手にかかる。溢れた蜜が滴ってきたのだ。
 ディラックはその様子に眉を寄せた。
「感じてるのか?」
 まさか、と思いつつ訊く。サクヤは下唇を噛んで、何度も首を横に振った。
 指をもう1本、押し広げたアナルへと挿入する。
「ああっ!」
 今度は隠しようのない喘ぎをサクヤが放った。アナルは指を誘うように何度も締め付けを繰り返している。
 間違いなくサクヤは感じていた。それも、尋常ではないほどに。
 2本の指をこねるように動かす。滴ってきた蜜がそこへ混じりこみ、潤滑を助けた。サクヤが腰を反らしてその動きに享楽を示した。
「お前、こんなアブノーマルなやつだったなんてな」
 半ば呆れて、ディラックは苦笑した。
「トウキのせいなの」
 乱れた髪に埋もれるようにしながら、サクヤが絶え絶えに言った。
「トウキともう1人、3人で付き合ってた頃があるの。2人……2人で一緒に愛してやるからって、そう言われて」
 言い訳しながら、サクヤはさらに赤くなった。
「いいじゃねぇか。おれはお前を少し見直したぜ」
「……そういう見直し方は……ちょっと」
「こっちで可愛がってやるよ」
 ディラックは取り出したイチモツの先端を、アナルの上へあてがった。サクヤは抵抗しない。むしろそちらでされることを望んでいるかのようだった。
 腰を進めると、ゆっくりと先端がアナルの中へ侵入していく。すぼまった場所は思ったよりスムーズに押し広がっていった。愛液が流れ込んだおかげで潤滑もいい。ディラックはカリの付け根までを一気に差し入れた。
「あ! あ!」
 サクヤが大声を上げて暴れた。ディラックは動きを止めた。
「――痛かったか?」
 サクヤは答えない。先ほどの倍以上に荒くなった息を繰り返しながら、目をそらしている。ディラックはにやりとした。
「……なわけないよな。いいんだろ?」
 コクコクとサクヤはうなずいた。与えられた快楽に思考が回らないのか、先程と違って素直だ。その髪をなでつけ、ディラックは整える。
「可愛い奴だ。お前のそういうところは、惚れてもいいくらいだぜ」
 ぎょっとしたようにサクヤが目を剥いた。
「やめて。私は嫌」
「冗談だよ。ったく」
 ディラックはさらにイチモツを中へ埋め込んだ。苦痛に耐えるような声を上げて、サクヤが目を閉じた。痛がっているのではない証拠に、すぐ上の花弁はひくつきながら大量の蜜を垂れ流している。
 やがて根元まですっぽりとサクヤは受け入れた。
「なかなかいい感じだぜ、お前のここは」
「は、早く済ませてって、言ってるでしょ」
「うるせぇな。動いて欲しいんだろ?」
「あっ! ああっ!」
 少し動くだけで、サクヤは大げさなほどの声をあげ、身をよじらせた。ディラックはサクヤの足を掴んで広げ、徐々に激しく動きを深めていった。
 まさしく内臓がえぐられている様な声をあげて、サクヤが首を振る。
「いや! やめて!」
「ほお、そうか」
 ディラックは動きを止めた。
「もっと素直にさせてやらないとな。自分のあそこを触ってみろよ」
 視線を逸らせたまま、サクヤは身を固くしている。ディラックはサクヤの手を取って、その秘所に導いた。
 おそるおそると言った感じで、サクヤは花弁に指を当てた。止めどなく流れる蜜がその指を濡らし、びくっとサクヤは動きを止めた。ディラックはサクヤの耳元へ口を近づけ、囁いた。
「どうだ? 濡れてないか?」
「…………」
「答えろよ。濡れてるだろ?」
「……濡れてる、わ」
「どこに突っ込まれてこんなに感じてるんだ?」
「わ、私、お尻に入れられて……ああっ!」
 ディラックは腰の動きを再開した。サクヤが喘ぎの合間から夢中で続ける。
「お尻に入れられて! 気持ちいい、気持ちいいのっ! はっ、ああっ」
 サクヤの指は秘所の奥に潜り込み、激しくその中をかき回し始めた。それだけでは飽きたらず、もう片方の手を花芯にあてがい、自分自身を愛撫し続ける。
「俺も、いい感じだぜ。お前の尻は最高だよ」
「いやっ、言わないで! あ、あ、ああーっ!」
 首を反らしてサクヤが絶叫する。早くも絶頂を迎えたようだ。ディラックはきつく収縮する襞の動きに眉をしかめて耐えた。
 ぐったりと力を抜いたサクヤに向かって言う。
「まだだぜ、おい」
 机の上からサクヤの体を降ろし、今度はうつ伏せにもたれかけさせる。抵抗する気はもう完全に無くしたのか、サクヤは自らの体の中に入ったイチモツが、移動の度にこすれるのに合わせ、小さく喘ぎを放つだけだった。
「行くぞ」
 くびれた腰を掴み、ディラックは思うさまサクヤの尻に腰をぶつけた。ぎゅっとすぼまったアナルの襞が、膣の中とは違った快感を与える。
「ぐぅっ、ぅ! う! うう」
 サクヤが歯を食いしばって喘ぎをこらえている。力の入った両手が、艦長席の端を掴んで曲がった。
 腰の打ち付けられる音と、低くこらえたサクヤの声だけが暗い艦長室に満ちる。
 ディラックはポケットからペンライトを取り出した。
 サクヤの股の間にそれをこすりつけつつ、訊く。
「こっちにも欲しいだろ?」
「あ……入れて、なんでも入れて」
 無我夢中で何をしゃべっているかも意識していないのだろう。ディラックは苦笑した。これほど快楽に弱い女だとは思わなかった。ずいぶん楽しめそうだ。
「じゃあ、自分で入れるんだな」
 ペンライトをサクヤの手に握らせる。サクヤは強制されるでもなく、自ら望んでペンライトの先を秘所へ差し入れた。喘ぎと共に溢れた蜜がポタポタと床へ滴り落ちる。
 サクヤが夢中で出し入れするのにあわせて、ディラックも腰の動きを強めた。もうこらえることはできないのか、その気も失せたのか、高い声でサクヤが喘ぎを放ち始める。
 サクヤの高まりに合わせて、再びアナルの中も複雑な締まりをみせてきた。
 そろそろ潮時だろう。ディラックはサクヤの腰を掴み直し、言った。
「よし、イクぞ!」
「ああ! 来て! 出してぇっ」
 絶頂を感じ、ディラックはサクヤのアナルへ放った。
 脈動を感じたかサクヤも仰け反って快楽を享受する。
 びくびくと痙攣する肩が机の上に落ち、ディラックは腰を引いた。支えを失ったサクヤはそのまま床へくずおれるように膝を突く。
 長い髪が顔を隠し、半開きになった口元しか伺えない。ディラックは急にわき起こった倦怠感と共に、服を直した。
「なかなか、よかったぜ……」
 足下に落ちたサクヤの服を拾い、体の上に投げる。サクヤは無反応のまま机にもたれかかっていた。
「胸のでかい女はあまり趣味じゃねぇが、あんたならまたお相手願いたいもんだな」
 そう言い放って、ディラックはきびすを返した。
 その足が止まった。
 倦怠感が急に、猛烈な苦痛となってディラックに覆い被さった。
「う、っぐ!」
 思わず漏らした苦鳴に、サクヤが反応する。
「……どうしたの」
「うるさい、見るな! 発作だ」
 ポケットに手を入れて薬を探す。常備してあるはずの物は、まだ片づけていない荷物の中にあったことを思い出した。前髪で隠してある右目を押さえ、ディラックは膝をついた。
「誰か、呼ぼうか? それはまずいわね」
 思わぬ立場の逆転に、サクヤが冷ややかに言った。物音から、立ち上がったのがわかる。ディラックはなんとかその場から離れようと震える足に力を入れた。滴り落ちる汗が口に入る。
「……くそ! 油断した」
「とりあえず、私の部屋まで運ぶわよ。いくらあなたでも見殺しにはしないから」
「やめろ、触るな!」
 うずくまったまま振り返ったディラックの肩と、こちらに手を伸ばしていたサクヤの手が触れあった。
 その瞬間、青白いスパークが闇の中へ散った。
「きゃっ!?」
「があぁ!」
 雷に打たれたようなショックがディラックの体に走った。押さえていた右目を離し、体を痙攣させる。サクヤは驚いた程度だったらしい。ディラックの右目を見て、息を飲んだのがわかった。
「……あなた、その目!?」
「見るな!」
 ディラックは気力を振り絞って立ち上がり、あちこちにぶつかりながら戸口へと向かった。ディラックの右目からは、不気味な触手が木の根のように伸び、ざわめいていた。それを押さえつけ、ディラックは戸口を抜けて、ひたすら自分の部屋を目指した。

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