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その祈りには慈悲もなく 一章 第七節
「ふぁっ、あっ、ふあぁうっ」
 口から漏れる声に甘い響きが混じりはじめていることにも気がつけない。いや、仮に気づいたとしても、それが何なのかなどわからなかっただろう。先の灼熱とは違う熱さが腹腔から沸き起こり、少女の体を侵し始めていた。
 変化は体内でも起こっていた。陰茎の動きに合わせて、膣が蠕動をはじめたのだ。それは肉体の本能とでもいうべき行動で、少女の意思とは関係がない。突きこまれた男根に肉襞が吸い付き、柔らかく蠢動しながら悦を抜き出していく。ふほっ、と一際高い声を司祭があげた。
「蠢いておる、蠢いておる。淫乱な膣がくわえ込んだものをしゃぶっておるぞ! ほほっ、とんだ名器だ、これは!」
「あっあぁっ、あふっ、ふあぁああっ」
 一度動き始めた膣は止まることを知らず、脈打ちながら陰茎を貪りはじめる。自分の体内で何か起こっているのかまるで理解できず、アンヘリカはただ頭を振って涙の雫を飛ばすのが精一杯だった。
 頭の奥が痺れ始めている。膣内での変化は毒のように少女の体に染み込んでいった。体中が甘く痺れはじめ、全身から女が香る。異物感と嫌悪感しかなかったはずの膣から、わずかに快感の疼きが走り出す。抽送の際に淫らな水音が響くようになったのは、気のせいではない。目を覚ました性感は、容赦なく少女を責め立てた。
「あっ、ふぁっ、ひゃうあぁああんっ」
 そう、司祭の言葉は正しかったのだ。少女の膣は自ら男を求めて蠢き、少女の体は処女を強引に散らされても快感を得てしまう。つぼみの頃にはわからなかった性への反応の高さは、今や淫乱の花となって咲き誇っていた。
 口が閉じられない。はしたなく零した舌からぼたぼたと涎が落ちて、口内の熱が湯気となって視界を覆う。誇りまで、この熱に溶かされてしまう。
 いや――そんなものはもうどこにも残っていない。
 いかに虚勢を張っても、貫かれただけで涙を流し、腰を動かされては中断を懇願してきたのだ。涙を零し涎を垂らし、情けない言葉遣いで悲鳴をあげた。挙句の果てに善がり声まで漏らしている。騎士としての気高さなど欠片もない。これでは、ただの村娘と変わらない。
 そう、アンヘリカは既に騎士ではなかった。彼女はただの、十七歳の女の子だった。
「ふぁっ、ああっ――」
 それを自覚してしまっては、彼女を支えるものは何もない。使命も、誇りも、意地も、彼女を救ってはくれなかった。神すらもだ。
「――あああっ、んああっ、ひゃううんっ――」
 けぶる視界に黄金鞘が揺れている。これがなんだというのか。騎士としての何かは、アンヘリカに何も齎さなかった。今あるのは、犯されて噎び泣いている、その現実だけだ。
 ならば、もう――
「むほぅっ、で、出るぞぉぁっ!」
 アンヘリカはその言葉に咄嗟に体を緊張させ、結果膣をしめつけてしまった。肉と肉が密着し、脳内に男根の形が鮮明に浮かび上がる。それがぶくりと膨張した。
「――ふぁあっ、いああっああぁあああぁああっ!」
 それは悲鳴だったのか嬌声だったのか。
 打ち放たれた灼熱は、膣の中を余すところなく浸し、子宮を犯して溢れかえった。どぷり、どぷりと波打つ音が聞こえてくる気がする。先ほど一度出しているにも関わらず、呆れるほどの量を吐き出すと、ボドルザーは大きく深い息をついた。
「ぐほふぅぅううう……」
 じゅぽっ、と気色の悪い音をあてて、ようやっとペニスが抜かれる。後を追うように、収まりきらない白濁液がどろりと零れ落ちた。
「ほほっ、出た出た。孕んだか? 孕んだかのう? ぐほふふっ」
「う……うう……」
 がっくりと項垂れた視界に、先ほど見た赤い雫を追って伝う濁った精液が映りこむ。それは絶望に等しい光景だった。もしこの世に地獄があるとしたら、それは今この瞬間を言うに違いない。
「司祭様の子種を貰えて嬉しいか? おい、答えろアンヘリカ」
「……」
 少女は何も言わない。膝を折り、腰を落とし、そのまま体を傾けた。鎖のせいで倒れこそしなかったが、気を失ったのだ。
「なんだ、後始末もせずに寝るとは、無作法な女だ」
 ふん、と鼻を鳴らすと、ボドルザーはさんざん弄ばれた挙句意識を飛ばした少女を蹴り飛ばした。中途半端に起き上がっている体がひっくり返って、鎖がガチャガチャと鳴る。
「まあよいか。礼儀はこれから、ゆっくりと教えてやれば」
 司祭はくつくつと笑うと、たった数十分で驚くほどやつれたように見える頬に萎んだ男根を押し付け、精液の残滓を拭い取った。礼服の前を閉じ、脱ぎ捨てた上着を羽織ると、滑車を操作して鎖の位置を元に戻す。
 引き上げられても目を覚ます気配はない。あれほど嬲られたにも関わらず、わずかに震えるだけで元通り閉じている秘所の入り口から、重力に引かれて精液が糸を引いた。
「ふほほっ、さて――女どもは集まったかな。じっくり検分してやるか」
 どすどすと重い足音を立てて、司祭は暗い倉庫を歩み去る。後には、純潔と共に誇りまで失った少女が一人、吊られたまま残された。

次章:聖像広場の陵辱
その祈りには慈悲もなく 一章 第六節
「ふほほほっ、かわいらしい声で啼くではないか! それっもっと聞かせて見せろ!」
「いぐっ、いあぁああっ」
 容赦という言葉を知らないかのように、ボドルザーはその肥満体をゆすった。初めて男を受け入れる膣道は痛みを和らげる術など知るはずもなく、ただ巨根に蹂躙されるのを耐えるしかない。満足に濡れもしない、緊張して硬くなっている柔肉を剛直が往復するその様は、抽送というよりは最早掘削というべきだった。
「いっ、いあっ、ぐっ、あああぁああっ」
 喉を引きつらせて、アンヘリカは絶叫を繰り返す。痛みには慣れているつもりだった。訓練の過程で重傷を負ったこともある。だが、今腹の中から迸る感覚は、今までのどんな激痛とも違う、異質の痛みだった。
 まるで灼熱の焼き鏝を体の中に通されたようだ。脳天を突き抜ける炎は一向に収まることを知らず、往復を繰り返すごとに熱量があがっていく。このまま体の内側から焼き尽くされてしまうのではないかとすら思えた。
「もっ、もうっ、あぐっ、もうやめ……っ、ああっ」
「ほっ、ほっ、はっ、ふほほっ」
 ギシギシと鎖が揺れ、天井の滑車が悲鳴をあげている。体を起こしておくことが出来ずに、アンヘリカは首をカクンと垂らした。涙でけぶった視界に、白濁の残滓が残る黄金鞘の鎧と、震える腿が見えた。その奥で、贅肉の塊が腰を振っている。たゆむ贅肉に合わせるように、彼女自身の体も揺れていた。
 その腿に、一筋の赤い流れが見えた。
(ああ――穢されたんだ……)
 聖騎士になり、神の座に侍る者として、生涯誰にも与えるつもりのなかった純潔。それを、こんな形で、こんな風に失うことになるとは、誰か想像しただろう。それは、まるで今まさに暴圧されつつある少女の秘所が、最後に流した涙のように見えた。
「それぃっ!」
「んぐぁあぁあああっ」
 せめて声をあげまいと唇を噛むが、一際強く打ち込まれた衝撃に耐え切れず、勝手に喉から悲鳴が出た。なぜこの程度の痛みに耐えられないのか。剣戟に身を投じている時は、腕があがらなくなるほどの斬撃でも堪えられるというのに。
「どうだっ、そろそろよくなってきたか! んん?」
「あっ、あうっ、ふぅっ、あっ、」
 確かに、体中を焦がす灼熱は収まりはじめていた。少女がどう思おうと、女性としての肉体は膣を湿らせ、暴力的な行為からでも快感を得ようとする。
 だが、つい先刻まで処女だった彼女がそうとわかるほど明確な快感はやってこない。灼熱が引き、意識が明瞭になって得たのは、激烈なまでの痛みと、衝撃と、膣管を抉る男茎の生々しい感触だけだ。
「ひっ、ふっ、も、もう抜いて、もう抜いてくれ……!」
 十七年間閉じていた径が異物の形に歪められている。灼熱が駆け巡っていた時にはわからなかったその異物感が、腹の底から少女を苛む。生まれたばかりの獣が目の前にいるものを母親だと思い込むように、広げられた膣が司祭の陰茎を覚えこんでしまうのではないかという恐怖すらあった。
「いやっ、いやだぁあぁああっ」
 髪を振り乱してその異物から逃れようとするが、叶うはずもない。膝を擦って出口に向かっても、満足に進めないうちに引き戻される。拘束された手首が、カチャカチャと笑うような音を立てた。
「ほほっ、尻を振りはじめたか! 私を楽しませてくれるのか?」
「ちっ、違ぁああんっ!」
 抗議の声は腰の一振りで悲鳴に変わってしまう。ボドルザーはもう無遠慮な突撃だけではない、緩急織り交ぜた侵略に攻勢を変えていた。
 時には猛撃を、時には篭絡を、時には奇襲を、アンヘリカの反応を愉しみながら老練な手管で切り替えていく。先に陰核をねぶられた時のように、アンヘリカにはもう何がなんだかわからなくなっていた。
 いずれにしろ嫌悪すべきであるはずなのに、優しげに腰を抱かれる時は安堵するのを抑えられない。いつまた強襲されるかと思いながらも、ほんのわずかに気を緩め、その隙を的確に見破った強烈な一撃を叩き込まれるのだ。
その祈りには慈悲もなく 一章 第五節
「待ちきれないのか? 尻の穴が催促しておるぞ」
「だ……っ黙れ!」
「ふほはっ」
 司祭は笑いながら、更に顔を寄せた。鼻息が臀部を撫でて、逸らせた背がかすかに震える。ふっくらと膨らんだ土手には、薄い恥毛が楕円状に翳っている。桜色の肉襞が折り重なる陰唇はその口を閉じて、司祭の目から秘所の奥を隠していた。目を凝らしても興奮の兆候は見えない。いささか落胆した気持ちで、司祭はふん、と鼻息を噴いた。
「ん……」
「なんだ、鼻息ごときでもう耐えられんのか。襞がビクビクとわなないていやらしいぞ。穴の奥まで丸見えだ」
「う、嘘をつけ!」
「嘘なものか。とんだ淫乱だな、お前は」
 こんこん、と腰当てを叩くと、甲冑の冷気が尻を撫で、ビクリと騎士の体が震える。にやにやと笑って、ボドルザーは無骨な指をそれ自体が芸術品であるかのような尻に、無遠慮に這わせた。
「ぐ……」
「まだ表面を撫でているだけだぞ」
「黙れ……っ」
 司祭の手は優しく、ゆっくりと柔尻をこねはじめた。掌に収まりきらぬほどの桃肉が太い両手から零れて、淫靡に形を歪める。その光景だけで達してしまいそうだった。
「ふぐ……」
 掌の感触を存分に愉しむ司祭とは違って、騎士にとってはやたらな拷問よりも遥かに辛い時間だった。口に含むよりはましだが、それでも早く終わってもらいたいことに違いはない。
「は、早くしたらどうなんだ。やはり回復しないのか?」
「ふん? もう少しこの感触を楽しみたかったが、まあよいか。ご所望とあらば応えよう」
 言うや否や、盛り上がった土手に太い指が添えられた。そのまま秘裂に沿って指を巡らせ、襞の一枚一枚を検分するように撫でさする。その度にぞわぞわとした悪寒が股座から這い上がって、アンヘリカは唇を噛み締めた。そうでなければ、また短い悲鳴をあげてしまいそうだったのだ。
「ふむ」
 太い指が秘裂を一蹴し、包皮を被って隠れている陰核に辿り着いた。指の腹で軽く押し込んでやると、それだけで少女の背が跳ねる。
「ここが弱いのか?」
「し、知らない」
「知らないはずがあるまい。自分で弄るだろう?」
「知らないと言っているだろう!」
「強情だな」
 まるで加減というものを知らないような力で、ボドルザーは陰核を握りつぶした。一気に皮が剥かれ、快楽の中心とでもいうべき小豆が、ちゅるん、と顔を出す。
「――あひぁっ!」
 経験したことのない感覚に、思わず声が跳ね上がった。快感などでは断じてない、痛みというよりは衝撃に近い感覚だった。無理もない、震えるばかりで肥大化もしていない陰核を全力で摘まれ、無理やりに皮を剥かれたのだ。
 自ら慰める時ですら秘唇を僅かに撫でる程度の行為しかしない少女にとって、司祭の暴挙は酷すぎた。
「ふほほっ、やっと嬌声をあげおった」
「ち、ちが――あきゃああっ」
 抗議の声は形にならない。剥き出しの陰核を二本の指が挟みこんで、ぎちゅぎちゅと揉み出したのだ。衝撃が光になって脳天を衝きぬけ、光が激痛となって脳髄から駆け下りる。このまま死ぬではないかと思うほどのシグナルの明滅だった。
「ふっ、や、やめっ、あ、あああっ、いぎぅぅうっ」
「感じておる感じておる。お前、やはり淫乱だのう」
「ふっ、ふざける……あ、あああっ!」
 口を開けば悲鳴しか出ない。ボドルザーは笑いながら陰核責めを続けた。揉みしだき、捻りまわし、押しつぶし、まだ快楽のなんたるかを知らない体から、強引に悦びの雫を引きずりだす。手の中の肉芽がわずかに膨らみ、閉じられていた秘唇が震えながら開きはじめるのを見て、ボドルザーは口の端に浮かべた笑みを深くした。
「下の口が開きはじめたぞ。そんなに入れてほしいのか」
「な、なにを……きゃああぅっ、」
「ふほっ、かわいらしい悲鳴だな!」
 指の腹で陰核を持ち上げ、ゆるやかに撫でさする。先ほどまでの苛烈な責めから一転した触れ方に、アンヘリカは戸惑ったような声を出した。肉体の混迷は更に強く、優しい愛撫に過敏なまでの反応を示す。
「あ……ふぁっ、あ、」
「んん? どうだ、気持ちよかろう」
「な、なにを……」
 先刻までが苛烈すぎたのだ。他人に触れたられたことのない部分を労わるように撫でられると、それだけで肉体が共鳴をはじめる。痛めつけられた体が無理にでも快感を得ようとするかのように。
「な、なにか、変だ……!」
「変なものか。それが快感というものだ」
 ほんの少し強く、肉豆をつまむ。「あふぁっ」と高い声をあげて、少女の背が大きく反り返った。ただ痛みだけではない何かを感じている声だ。
「よしよし、もっとその泣き声を聞かせてもらおうか」
 既に司祭のペニスは充分以上に膨れ上がっていた。皮が完全に捲れ上がり、露出した亀頭が快楽の予感にビクビクと息っている。幾本も青筋の立つ凶器は、口淫の際とは比べ物にならないほど大きく太く猛っていた。その凶悪な代物を見ずにすんだのは、騎士にとっては幸運かもしれない。
「はっ、はぁ――」
 アンヘリカの視界は薄い靄と涙に包まれ、まともに世界を映さない。執拗な陰核責めに思考を奪われ、頭の奥がずっと痺れていた。だらしなく開いた口元から涎が零れ落ちたが、口元を絞めることすらままならない。痛みの余韻がいつまでも太腿の内側にこびりつき、疼きとなって彼女を苛んでいた。
(感じて、いるのだろうか……)
 ふと、心のどこかがそう呟く。
(これが快楽なのか? この男の言うとおり、私は淫乱なのだろうか……)
 快楽を知らない少女は、未経験の衝撃をどう捕らえてよいのかわからず、それに分かりやすい答えをあてはめてしまう。彼女の感じているものは性の喜びとはとても言えないが、アンヘリカにはそれがわからない。
「ふ……」
 何か硬いものが秘裂に押し付けられる。その先に待つものが女性として最悪の結末であることに、アンヘリカは気がついた。視界の靄がわずかに晴れ、強靭な意志が帰ってくる。駆け引きも謀略もない、ただ本能だけが叫んでいる。止めなければならない――
「や、やめ」
「今更何を言っている!」
 つぶり、と司祭の股から生えた凶器が陰唇を押し込む。さんざん嬲られた秘裂は意外にもあっさりと亀頭を飲み込んだ。だが容易だったのはそこまでで、膣口から先へは簡単には進まない。騎士の膣は、まだいかなる存在も通過したことのない未踏の地なのだ。
「ふんっ!」
「あふっ、はああっ」
 ボドルザーは些かも躊躇せず、思い切り腰を捻りこんだ。みちみち、と肉の壁が押し広げられ、亀頭がずぶずぶと埋まっていく。自分の体に異物が侵入してくるという、想像を絶する感覚に、アンヘリカは喉を逸らしてぱくぱくと口を開閉させた。
「ぬ、抜いて、抜いて!」
「ふほほっ、まだ入ってもおらんわ!」
 その言葉に、視界が真っ暗になった。今でさえ、充分以上に陰茎を感じているのだ。入ってもいないというのはどういうことなのか。では、今膣に感じているこれはなんだというのだ。
「それっ、一気に行くぞ!」
 ずぐぐ、とペニスが衝きこまれる。もう無理だ、この先はないと思ったその奥まで、異物感が押し入ってくる。
 ボドルザーは処女騎士の反応を楽しみながら、亀頭の半ば以上が埋まったあたりで腰を止めた。慈悲ではない。そこに、壁があったのだ。
「膜まで来たぞ」
「ま、まく……?」
「清浄の証だ。これからお前は体の内側を汚され、神の座から落ちるのだ」
「ま、まって、何を、」
「それ、一生に一度の体験だ、いい声で飾れよ!」
 次の一撃は、今までのどんなものよりも強烈だった。
 何よりも先に灼熱が迸った。押し開かれた膣の入り口、懸命に他者の侵入を拒んでいた処女膜が、か細い悲鳴をあげて打ち破られる。脳天に達した熱が痛みへと変換され、痛みを打ち抜いて体内の陰茎が突き抜ける。開ききった口からはまともな声も出ない。かすれた悲鳴は音にならず、冷えた空気に湯気を立ち上らせるのがせいぜいだ。
 狭い膣壁をこすりあげながら破城槌のような勢いで突進する肉棒は、最早何物にも遮られることなく、騎士の誇りも少女の悲鳴も、丸ごと打ち砕いて粉々にしてしまう。まなじりに溜まる涙が零れ落ち、突きこまれた陰茎が最奥に達して、

「いやあああああああああああっ!」

 ようやく、少女は悲鳴をあげた。
その祈りには慈悲もなく 一章 第四節
「うほははっ、あの聖騎士を犯せる日が来るとはな。全く、権力は握っておくものだ」
 言いながら、肥満体がどすどすと周囲を巡る。俯いて唇を噛み締めると、アンヘリカは顔をあげてその足音を追った。
「ほ? 嘆くのはもういいのか」
「黙れ。黄金鞘を汚したのは失態だが、それは決して恥じるようなことではない。貴様の穢れた粘液をこの身に受けぬよう、守ってくれたのだからな」
「ふほほっ、さすが騎士殿、庶民の生娘とは違うな。私の精液を飲まされて、即座にそこまでの言葉を吐ける奴はそうそうおらんぞ」
「そうか、それは光栄だ」
「ふほほははっ」
 笑いながら、ボドルザーは膝をつくアンヘリカの真後ろまでやってきた。彼女の鎧は聖王国正規のものだが、随分と簡略化されている。これは歴代聖騎士の伝統のようなもので、歳若い少女が身につけるには正規兵の鎧は重すぎるのだ。
 黄金鞘の紋章が刻まれた胸当てに、腿の動きを阻害しないよう慎重に設計された腰あて、膝下を守る具足。彼女が身につける鎧はそれだけだ。後は防刃繊維の織り込まれた、弛みのない戦闘着をその下に着込み、部分的に鎖帷子を着用している。本来ならば篭手もつけているのだが、拘束される際に外された。
「どれ、もう充分休んだだろう」
 そういうと、ボドルザーは慣れた手つきで滑車を操作し、鎖を巻き上げはじめた。手首が引きずられ、体が起こされる。完全に巻き上げるところまではいかず、膝を折っていられる程度の高さになったところでボドルザーは手を止めた。
「中途半端だな」
「このくらいがやりやすい。経験上な」
「……こんなことを、以前からしていたのか」
「言っただろう、権力は握っておくものだ」
 アンヘリカの後姿を視姦しながら、ボドルザーはにやにやと笑った。防刃繊維に包まれた尻は高い位置に綺麗な丸みを描いており、腰当てを僅かに押し上げている。肌に張り付くような戦闘着は、すらりと伸びた細い足も、それでいて肉感を失わない太腿も、ぷっくりと膨らんだ恥丘も詳らかにしてしまう。その奥にある、未だ誰も手を触れたことのない秘蹟を思って、ボドルザーは思わず生唾を飲み込んだ。
「尻を突き出せ」
「……」
 中途半端な反抗はせず、アンヘリカは言われるがままに足の位置を変え、尻を後ろに高く掲げた。反らせた背が少しばかり窮屈だが、言ってもはじまらない。これからされるだろうことを考えると、頭の奥に暗い、毒の霧のような靄が立ち込めるが、街の女と神子のためと、頭の中から追い払った。
「早くしてくれないか、司祭。さっき出したばかりではつらいのかな?」
 なけなしの性知識を振り絞って挑発してみせるが、ボドルザーは笑うだけで取り合わない。ことあるごとに感情を逆巻かせていた男とは思えない落ち着きぶりだった。先ほど斬りかかった時には、あれほど狼狽していたというのに。
「ふむ……騎士殿の鎧を剥ぐのはかわいそうだ。それは勘弁してやるか」
「な、なにい?」
 どういう意味なのか問おうとした矢先、尻に強烈な違和感が走った。ボドルザーが太った指を突き入れたのだ。割れ目を正確についた指は防刃繊維をつまみあげて、ぐい、と引き上げる。
「ひんっ……」
 肌に密着する防刃繊維を引かれると、逆側が締め付けられることになる。股に繊維が食い込む圧迫感に、アンヘリカは思わず声をあげてしまった。
「それっ」
 バツン、と何か硬いものが弾き切れる音と共に、アンヘリカは突き出した臀部に涼風を感じた。防刃繊維を切られたのだ。
 繊維は耐刃に優れたものではあるが、完全に防げるわけでは無論ない。零距離から圧力をかけられては耐え切れるはずもなかった。所詮は布なのだ。
「ふん、剣を持ってきておいて良かったな」
「……」
 防刃繊維の僅かな切れ込みから、白い尻肉がぷくりと顔を覗かせた。繊維を押しのけ、傷を広げようとするかのように、柔肉は切れ込みを綺麗に埋めてしまう。
「ふほほっ、自己主張の激しい尻よ」
 ボドルザーが指を切れ込みに突き入れると、少女の体がピクリと反応した。涼風で冷やされた体に体温を染み込ませるように、太い指が二、三度柔肉を揉みしだく。指を返して再び防刃繊維を引き上げると、司祭は長剣の切っ先をその隙間に差し入れた。
「動くなよ。私は剣に慣れていないからな」
「……っ」
 鋭い切っ先がわずかに触れて、鉄の冷気を伝えてくる。ボドルザーが手を誤れば、下手をすれば死んでしまう。それは、あるいは今のアンヘリカにとって救いなのかもしれないが、広場に集められているという女性たちを思うと何もできない。
 ただ、唇を噛んで耐えるだけだ。
「ふんっ」
 勢いよく、刃が振り下ろされた。繊維が圧力に負けて引き裂かれる音が響く。一度の裁断では巧くいかなかったのか、ボドルザーは同じ行為を四回繰り返した。
「このくらいでよいかな」
 そう言って手にした剣を放り投げた時、アンヘリカの尻を守る繊維は、見るも無残な有様を晒していた。
 縦横に引き裂かれ、守るべき秘所を露にしている防刃繊維は、もはや戦闘着としても衣類としても用をなさない。暴力を象徴するかのようなその切れ端には、陵辱者の目を愉しませ、興奮を助長する効果しか残っていない。
「いい格好だな」
「……くぅっ」
 剥き出しの尻は僅かに残る繊維に押し上げられて、弾けるような桃肉を冷気に震わせている。尻を高く掲げる姿勢のせいで、涼風にわななく肛門も、その更に奥の、わずかな翳りに隠された秘裂までもが丸見えだった。
「ふほぅ……さすがだ、さすがだな! 今まで見たどんな生娘よりも美しいぞ」
「……っ」
 十七歳、肉体的には成熟した女性とほぼ変わりない年齢だ。たっぷりと柔肉の乗った尻には染みひとつなく、指を添えるだけで反発する弾力と、十代特有のきめ細かい肌とを合わせ持っている。双臀の割れ目にある褐色の窄まりは、寒さのせいだろう、わずかにひくついて、陵辱者の行為を待っているようにすら見えた。
その祈りには慈悲もなく 一章 第三節
「んぐぅ――!?」
 我慢できない。アンヘリカは我知らず、思い切り体を引いていた。ずるりと唇を撫でながら肥大化したペニスが抜ける。悪臭の元が口内から離れ、冷えた清浄な空気を取り込もうと、無意識のうちに口を開く。
「ふほっ」
 まるでその瞬間を狙い済ましたかのように、司祭が腰を突き出した。
「あぐぅん!?」
「ほっ、ほほっ、」
 開ききった気道を饐えた匂いが突進して、肺の中、胃の先まで流れ込んでくる。まるで臓腑の奥まで犯されているようだった。強烈な刺激臭が目の中で幾度も閃き、涙がぼろぼろと零れ出す。
 騎士に任せることを辞めたらしく、司祭は自ら腰を振って少女の口を陵辱しはじめた。
「んぶっ、や、ぶちゅっ、いひゃっ――あぶっ、」
 なんとか逃れようと首を振るが、それは蜜壷を捻って男を喜ばせるのに等しい。口内を余すところなく蹂躙する男根は、アンヘリカが首をよじるたびに猛って跳ね回った。
「ひゃっ、も、もうひゃめ……んびゅっ」
 肉の味に後から後から湧き出る唾液が、計らずも潤滑液となっていやらしい音を立てる。舌を縮こまらせても突き上げてくる陰茎には意味もなく、抗議と制止の声をあげれば踊る舌先が陰茎を慰める羽目になる。喉の奥を突かれるたびに吐き気が波のように襲いかかり、それを堪えるだけで精一杯だった。
「ほっ、ほっ、ほっ、」
「んぶっ、あうっ」
 とうとう、司祭は両手でアンヘリカの頭を鷲掴みにした。そのまま今までの比ではない勢いで腰を振りはじめる。自分の口をまるで自慰の道具のように扱われることに、アンヘリカは刺激に対する反応以外の理由で、涙をこぼし始めていた。
 亀頭が唇に接し、そのまま喉奥まで突き入れられる。舌を犯しながら、また唇まで引き戻す。猛烈な抽送は唾液を絡めながら速度を増していき、鷲掴みにされている頭が痛くなるほどの力が掌にこもり出す。司祭はもう、少女のことなど見ていなかった。
「んっ、んぐっ、はびゅっ、ぶるっ、」
「ふほぅ、出るぞ! 出るぞ出るぞ!」
 叫ぶや否や、恥骨が唇に密着するほど腰を突き入れる。贅肉まみれの腹が顔面に押し付けられて、アンヘリカは思わず目を閉じた。分厚い肉の感触が瞼の裏にまで感じられる。そうして何度目かの吐き気に彼女が耐えようと身がまえた瞬間、
「――んっ、んぶぅ――!?」
 口の中に、何かが吐き出された。
 喉の奥に叩きつけられるように放出されたそれは、舌先に絡み口内を浸しながら食道を駆け下りて行く。目の奥がチカチカと瞬き、息を吸うことができなくなる。切迫した生命の危機を錯覚して、アンヘリカは思い切り頭を振り乱した。
「おほぅっ」
 射精直後で緩まっていた手はあっさりと離れ、口内から陰茎がずるりと抜け落ちる。一緒に大量の唾液と、口を犯す白い粘液がだらりと垂れ落ちた。
「ぅげほっ、がはっ、」
 ひとつ咳をするたびに、粘性の高すぎる液体がぼたぼたと零れ落ちる。どれほどの量を出されたのか、これが幾らか胃の中に納まったのだと思うと、目の前が真っ暗になった。
「うほほっ、出してもらったのがそんなに嬉しいか」
(なにを、馬鹿な――)
 涙ぐんだ目で抗議する。今にも死ぬかと思ったのだ。白濁した液体はまだ口内に残っていて、全て吐き出すまで喋ろうという気にすらなれなかった。だが、ボドルザーは僅かに目を眇めると、それを見透かしたかのように命じた。
「出すな、口の中に溜めろ」
「……!」
「言うことが聞けないか?」
「んぐ……」
 俯いて口を閉じる。唇から零れた精液がひと雫、床に向かって糸を引いた。
「飲み込め」
「……」
 口の中に唾液を溜めて、精液と混ぜる。そのまま顔を上にあげて、苦い薬を飲み干す時のように、間を空けず一気に嚥下した。ごくり、と喉が蠢く音が、いやに大きく響いた気がする。
「ふむ、まあよい。いくらか零した分は許してやろう。感極まったのだろう?」
「さっきから何を言っている!」
 口元に残る汚辱感を堪えて、騎士はようやっと抗議の声をあげた。それ受けても、司祭は露ほどもたじろがない。萎んだ男根を掌でさすって、にやにやと笑うだけだ。
「何を言う。聖騎士の鎧を自ら化粧するほどだ。よほど気に入ったのだろうが」
「――は?」
 視線を下げる。胸元に刻まれた黄金鞘は見えない。先ほど自分自身が吐き出した白濁液が、ねっとりと鎧を覆っていたからだ。力が抜ける。がくん、と体が下を向くと、どろりと液体が零れ落ちていく。そうして汚された鎧の下から、誇り高き黄金鞘が姿を現した。
「全て飲み込んでおればそうはならなかったものを。うほははは!」
「う、う、うああああ!」
 倉庫中に響き渡る声で、アンヘリカは叫んだ。
 それは、彼女が捕らえられてはじめてあげた悲鳴だった。

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