しばらくしてつくねぇはつぶやくと、ころっと転がって、うつぶせから仰向けに反転した。
「もぉ、たーくんのせいで、おマンコとろとろになっちゃったぁ……。ほら見て? おねえちゃんのおマンコ、とろとろですごくおいしそうだよ」
くぱ、と指で陰唇を左右に引っ張り、つくねぇは大きく足を広げたままおれを見上げた。
おれは音を立てて唾液を飲み込む。股間のテントはズボンを突き破ってもおかしくないほど盛り上がっていた。
ズボンを脱ぐのももどかしく、おれはジッパーを下ろすと岩みたいに硬くなった剛直を取り出し、つくねぇに覆いかぶさるようにしてのしかかった。
「うれしい……。たーくん、おねえちゃんのこと欲しいんだね。はじめてマンコの処女膜をビリビリって破いて、おねえちゃんのこと恋人にしちゃうんだね」
「うん……うん、つくねぇ……」
「ほんとにいいの? おねえちゃんなんか、恋人にしてもいいの? わたし、たーくんのこと恋人にしたくてたまらないくらい好きだけど、たーくんはどうなの?」
「……さっき言っただろ、つくねぇ。おれも、つくねぇと同じくらい好きだって」
「あ……」
じわり、とつくねぇの瞳に大粒の涙が浮かんだ。
ごまかすように指でぬぐいながら、
「た、たーくんもおねえちゃんを、ちゃんと女として見てくれてたんだ。わたし……わたしだけじゃ、なかったんだ。うれし……うれしいよぉ……」
ぬぐってもぬぐっても転がり出てくる涙に、おれはそっとくちづけする。
「つくねぇ……おれ、いまから、つくねぇを恋人にする。処女膜を破って、一生消えない証を刻んであげるから」
「刻んで、刻んでたーくん! だいすき!」
亀頭を秘所の割れ目にあてがう。
すると、向こうから吸い付いてくるみたいにして、二枚の淫靡な貝殻がおれの先っぽを呑み込んだ。
くちゅり……。
つくねぇが首筋に腕を回し、腰に足を絡め、密着して抱きついてくる。
「たーくんたーくん! そのまま、ずぶぅって奥まで入れて! おねえちゃんにもう二度と処女膜オナニーできないようにして! そのかわり、もっと気持ちいセックスできるようにして! セックス、セックスぅっ!」
おれが腰を前に押し出そうとすると、後戻りはさせないとばかりに、つくねぇの足の締め付けが強くなる。
おれだって、もう戻る気はなかった。
膣内へ押し込もうとするつくねぇの足を助けにしながら、おれは一気に男根を埋没させる。
プツッ!
途中で軽い抵抗を感じ、つくねぇが首筋を反らせて叫んだ。
「あああああっ! いたっあ! あっ! ああぁっ!」
これだけ濡れてるとは言え、もっとゆっくりやればよかったかもしれない。苦悶の表情を浮かべるつくねぇに、おれは慌てて謝る。
「ご、ごめんつくねぇ。だいじょうぶ?」
「あ……や……。あ、わ、わたし……?」
眉をしかめて閉じていた瞳をうっすらと開け、つくねぇは呆然と反芻するようにつぶやいた。
「……いっちゃった……? 痛かったけど、とっても気持ちよくって、おねえちゃんいっちゃったみたい……」
「え……?」
「たーくん、動いて? よくわかんなかったから、もっと突いておねえちゃんいかせて? たーくんにいかせられたってこと、ちゃんと実感したいの」
「あ、つ、つくねぇ!」
血流が頭に駆け上り、おれは無我夢中で腰を振りたくりはじめる。
「あぁっ! はぁっ! やん、いいよっ、すごいぃ!」
「つく、つくねぇ、だいじょうぶ? 痛くない?」
「痛、いけど、それよりもっと、気持ちよくって、はんっ、なにより、うれしいの! たーくんとつながってうれしいっ!」
「おれも、おれもだよ、つくねぇっ」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
加減をするとか、相手を思いやるとか、細かいことはぜんぶ情動の荒波に流されてしまって、おれはとにかく腰を振り続けた。
本当ならそんなんじゃダメに違いない。
でも、それはつくねぇにとっても同じ事で、それだけこうやってひとつになれたことがうれしかったのだ。
お互いが交わってみて、はじめてわかった。
おれがどれだけつくねぇのことを愛していて、必要としていて、側にいてほしかったのか。
いつでも近くにいるのが当たり前だった。おれは当然だと思っていた。
でも実際は違うんだ。おれたちは姉弟でしかないのだから。
自分たちの関係が、考えているより脆弱で不安定なことに、おれよりもすこし大人なつくねぇのほうが、先に気づいてしまっただけのことだったのだ。
おれの気持ちも、つくねぇと同じ。そのことに、嘘偽りはまるでない。
背筋を駆け上ってくる射精感とともに、想いが溢れ出す。
「おれもう、出るっ! 出そうつくねぇ!」
「あぁっ、いいよ、出して。恋人になったおねえちゃんのマンコに、いっぱいピュッピュして! たーくんの精子を出していいのは、もうわたしの膣内だけなんだからねっ!」
「つくねぇ、いくっ! でるっ!」
「ああああ、わたしもいくよ、いっちゃうよ! いっしょにぃ!」
『いくううぅぅっ!』
おれたちは声をそろえ、絶頂に達した。
どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!
剛直から脈動をともなって精子が飛び出し、きゅううぅっとすぼまった膣道へとなだれ込んでいく。
「つくねぇ、つくねぇ、つくねぇ!」
「たーくん、たーくん、たーくぅん!」
お互いの名前を叫びあいながら、おれたちはアクメの陶酔をむさぼる。
十数年間いっしょにいたふたりが、はじめて本当にいっしょになった瞬間なのだ。
身体も心も溶け合って、混じりあっていく。
びゅっ、びゅるっ……とくとく……。
やがておれの射精も収まり、つくねぇの膣内の収縮もゆっくりと収まってきて、身体中から力が抜けていった。
投げ出すようにしてつくねぇの隣に身を横たえ、おれはハァハァと荒い呼吸を繰り返す。
思わず笑ってしまいそうな、快哉を叫んで走り回りたいような、とんでもない充実感が胸をいっぱいにしていた。
「たーくん……ありがと。これからも、よろしくね」
そんなおれを横目に見ながら、同じくらい満足そうなつくねぇが、そっとほほ笑んだ。
***
ぱむっ! じゅむっ! ぱん、ぱん! ちゅりっ……。
それから、おれの朝はいつもこうやってはじまるようになった。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、じゅぷっ、じゅっ、ぱんっ!
うっすらと目を開けていくと、馬乗りになったつくねぇが、おれの上で腰をふりたくっている。
「あ、たーくんやっと起きた。おはよぉ……あんっ」
「……おはよ、つくねぇ」
「ちょっと待ってね。すぐにおねえちゃんが、朝の一番汁、しぼってあげるから」
「……うっ」
きゅううっと男根をやわらかい媚肉でしめつけられて、快感のうめきが喉から飛び出す。
うれしそうにほほ笑みながら、つくねぇはどんどん腰の動きをはげしくしていく。
「ほらっ、どう? おねえちゃん、うまくなったでしょ? あっ、えっちなこと、たーくんといっぱい、ふぅん、いっぱいしたもんね! あぁん!」
恋人になったおれたちは、アレからと言うものところかまわずセックスしまくった。
体育館裏で。人気のないプールで。帰り道の公園で。
体操服のつくねぇに、スク水のつくねぇに、制服のつくねぇに、おれはいちいち欲情して、つくねぇもそのたびに喜んで相手をしてくれた。
もちろん、自宅でも数え切れないくらいやりまくっている。
「あんっ、あんっ、いい、たーくんの太いぃ! 気持ちいいよぉ」
たんたんたんたんたんっ……!
腰のリズムが小刻みに速くなっていく。
おれの快感ゲージも加速度的に高まって、射精感が身体中を駆け巡った。
「つくねぇ……でるっ!」
「いって、いってぇ! 朝の元気なせーし、おマンコに泳がせて!」
「くうぅっ!」
びゅるるるっ! びゅくっ!
「あはあぁぁぁぁんっ!」
ビクビクッ!
射精の奔流を、深く落とした腰の奥深い内部で受け止め、つくねぇは背筋を反らせて痙攣した。
暴れまわる肉棒を、ぎゅっと抱きしめて膣肉が離さない。
子宮口に亀頭の先端が固定されて、吐き出された精液は、ぜんぶ子宮へと呑み込まれていくのがわかる。
「ああ……あは……あ……はふぅ……」
絶頂の感覚が抜けていくにしたがって、つくねぇは身体の力をゆっくりと抜き、おれの上に覆いかぶさってくる。
おれはそんなつくねぇを抱きしめ、やさしく頭をなでてやる。
「つくねぇ、気持ちよかったよ。ありがと」
「わたしもよかったよぉ……。うう、どうして姉弟でするえっちって、こんなに気持ちいいんだろ? 近親相姦がダメな理由って、気持ちよすぎてはまっちゃうからだって聞いたことあるけど、本当なのかなぁ?」
「さぁ……? でも確かに、こんなに気持ちのいいセックスは、つくねぇとしかできないよ」
「うふっ。わたしもよ、たーくん。きっと、姉とか弟とか関係なくて、世界でたったひとり結ばれる相手だからなんだね」
その言葉と、しあわせそうな表情に、やばいくらい心臓が高鳴る。
おれだってそう思う。
時間が立てばたつほど、身体を重ねれば重ねるほど、つくねぇが愛おしくなっていくんだ。
「……あ、たーくん。めっ、だよ」
「……え?」
「わたしの膣内でまたおっきくなってる。ダメだよ、朝は一回だけって約束したでしょ。遅刻しちゃうんだから」
言われてはじめて、再び昂奮していることに気がついた。あわてて言いつくろう。
「ち、ちがうよ。これはつくねぇが膣内をきゅってしたからだろ」
「あー、おねえちゃんのせいにするのね。そんな悪い子には、こうだっ」
きゅううううっ!
「うわ、わあ」
「あんっ、もう、どんどん硬くおおきくなってく……。ダメだよ、たーくん。おねえちゃんまでもう一回ほしくなっちゃう」
もはや無意識なのか、断続的にきゅっきゅっと膣内はしまり、新たな愛液が湧き出してきているのがわかった。
「……つくねぇ、ごめん。いっしょに遅刻しよう」
おれはほそっこい腰をつかむと、下から思い切りよく突き上げた。
「あっ、ダメっ、ダメだよっ! 気持ちよくしちゃ、ああんっ! いいっ」
いやよいやよも好きのうち。
つくねぇはすぐに喘ぎ声をあげながら、自分で腰をふりはじめたのだった。
おしまい
「もぉ、たーくんのせいで、おマンコとろとろになっちゃったぁ……。ほら見て? おねえちゃんのおマンコ、とろとろですごくおいしそうだよ」
くぱ、と指で陰唇を左右に引っ張り、つくねぇは大きく足を広げたままおれを見上げた。
おれは音を立てて唾液を飲み込む。股間のテントはズボンを突き破ってもおかしくないほど盛り上がっていた。
ズボンを脱ぐのももどかしく、おれはジッパーを下ろすと岩みたいに硬くなった剛直を取り出し、つくねぇに覆いかぶさるようにしてのしかかった。
「うれしい……。たーくん、おねえちゃんのこと欲しいんだね。はじめてマンコの処女膜をビリビリって破いて、おねえちゃんのこと恋人にしちゃうんだね」
「うん……うん、つくねぇ……」
「ほんとにいいの? おねえちゃんなんか、恋人にしてもいいの? わたし、たーくんのこと恋人にしたくてたまらないくらい好きだけど、たーくんはどうなの?」
「……さっき言っただろ、つくねぇ。おれも、つくねぇと同じくらい好きだって」
「あ……」
じわり、とつくねぇの瞳に大粒の涙が浮かんだ。
ごまかすように指でぬぐいながら、
「た、たーくんもおねえちゃんを、ちゃんと女として見てくれてたんだ。わたし……わたしだけじゃ、なかったんだ。うれし……うれしいよぉ……」
ぬぐってもぬぐっても転がり出てくる涙に、おれはそっとくちづけする。
「つくねぇ……おれ、いまから、つくねぇを恋人にする。処女膜を破って、一生消えない証を刻んであげるから」
「刻んで、刻んでたーくん! だいすき!」
亀頭を秘所の割れ目にあてがう。
すると、向こうから吸い付いてくるみたいにして、二枚の淫靡な貝殻がおれの先っぽを呑み込んだ。
くちゅり……。
つくねぇが首筋に腕を回し、腰に足を絡め、密着して抱きついてくる。
「たーくんたーくん! そのまま、ずぶぅって奥まで入れて! おねえちゃんにもう二度と処女膜オナニーできないようにして! そのかわり、もっと気持ちいセックスできるようにして! セックス、セックスぅっ!」
おれが腰を前に押し出そうとすると、後戻りはさせないとばかりに、つくねぇの足の締め付けが強くなる。
おれだって、もう戻る気はなかった。
膣内へ押し込もうとするつくねぇの足を助けにしながら、おれは一気に男根を埋没させる。
プツッ!
途中で軽い抵抗を感じ、つくねぇが首筋を反らせて叫んだ。
「あああああっ! いたっあ! あっ! ああぁっ!」
これだけ濡れてるとは言え、もっとゆっくりやればよかったかもしれない。苦悶の表情を浮かべるつくねぇに、おれは慌てて謝る。
「ご、ごめんつくねぇ。だいじょうぶ?」
「あ……や……。あ、わ、わたし……?」
眉をしかめて閉じていた瞳をうっすらと開け、つくねぇは呆然と反芻するようにつぶやいた。
「……いっちゃった……? 痛かったけど、とっても気持ちよくって、おねえちゃんいっちゃったみたい……」
「え……?」
「たーくん、動いて? よくわかんなかったから、もっと突いておねえちゃんいかせて? たーくんにいかせられたってこと、ちゃんと実感したいの」
「あ、つ、つくねぇ!」
血流が頭に駆け上り、おれは無我夢中で腰を振りたくりはじめる。
「あぁっ! はぁっ! やん、いいよっ、すごいぃ!」
「つく、つくねぇ、だいじょうぶ? 痛くない?」
「痛、いけど、それよりもっと、気持ちよくって、はんっ、なにより、うれしいの! たーくんとつながってうれしいっ!」
「おれも、おれもだよ、つくねぇっ」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
加減をするとか、相手を思いやるとか、細かいことはぜんぶ情動の荒波に流されてしまって、おれはとにかく腰を振り続けた。
本当ならそんなんじゃダメに違いない。
でも、それはつくねぇにとっても同じ事で、それだけこうやってひとつになれたことがうれしかったのだ。
お互いが交わってみて、はじめてわかった。
おれがどれだけつくねぇのことを愛していて、必要としていて、側にいてほしかったのか。
いつでも近くにいるのが当たり前だった。おれは当然だと思っていた。
でも実際は違うんだ。おれたちは姉弟でしかないのだから。
自分たちの関係が、考えているより脆弱で不安定なことに、おれよりもすこし大人なつくねぇのほうが、先に気づいてしまっただけのことだったのだ。
おれの気持ちも、つくねぇと同じ。そのことに、嘘偽りはまるでない。
背筋を駆け上ってくる射精感とともに、想いが溢れ出す。
「おれもう、出るっ! 出そうつくねぇ!」
「あぁっ、いいよ、出して。恋人になったおねえちゃんのマンコに、いっぱいピュッピュして! たーくんの精子を出していいのは、もうわたしの膣内だけなんだからねっ!」
「つくねぇ、いくっ! でるっ!」
「ああああ、わたしもいくよ、いっちゃうよ! いっしょにぃ!」
『いくううぅぅっ!』
おれたちは声をそろえ、絶頂に達した。
どくんっ、どくんっ、どくんっ、どくんっ!
剛直から脈動をともなって精子が飛び出し、きゅううぅっとすぼまった膣道へとなだれ込んでいく。
「つくねぇ、つくねぇ、つくねぇ!」
「たーくん、たーくん、たーくぅん!」
お互いの名前を叫びあいながら、おれたちはアクメの陶酔をむさぼる。
十数年間いっしょにいたふたりが、はじめて本当にいっしょになった瞬間なのだ。
身体も心も溶け合って、混じりあっていく。
びゅっ、びゅるっ……とくとく……。
やがておれの射精も収まり、つくねぇの膣内の収縮もゆっくりと収まってきて、身体中から力が抜けていった。
投げ出すようにしてつくねぇの隣に身を横たえ、おれはハァハァと荒い呼吸を繰り返す。
思わず笑ってしまいそうな、快哉を叫んで走り回りたいような、とんでもない充実感が胸をいっぱいにしていた。
「たーくん……ありがと。これからも、よろしくね」
そんなおれを横目に見ながら、同じくらい満足そうなつくねぇが、そっとほほ笑んだ。
***
ぱむっ! じゅむっ! ぱん、ぱん! ちゅりっ……。
それから、おれの朝はいつもこうやってはじまるようになった。
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、じゅぷっ、じゅっ、ぱんっ!
うっすらと目を開けていくと、馬乗りになったつくねぇが、おれの上で腰をふりたくっている。
「あ、たーくんやっと起きた。おはよぉ……あんっ」
「……おはよ、つくねぇ」
「ちょっと待ってね。すぐにおねえちゃんが、朝の一番汁、しぼってあげるから」
「……うっ」
きゅううっと男根をやわらかい媚肉でしめつけられて、快感のうめきが喉から飛び出す。
うれしそうにほほ笑みながら、つくねぇはどんどん腰の動きをはげしくしていく。
「ほらっ、どう? おねえちゃん、うまくなったでしょ? あっ、えっちなこと、たーくんといっぱい、ふぅん、いっぱいしたもんね! あぁん!」
恋人になったおれたちは、アレからと言うものところかまわずセックスしまくった。
体育館裏で。人気のないプールで。帰り道の公園で。
体操服のつくねぇに、スク水のつくねぇに、制服のつくねぇに、おれはいちいち欲情して、つくねぇもそのたびに喜んで相手をしてくれた。
もちろん、自宅でも数え切れないくらいやりまくっている。
「あんっ、あんっ、いい、たーくんの太いぃ! 気持ちいいよぉ」
たんたんたんたんたんっ……!
腰のリズムが小刻みに速くなっていく。
おれの快感ゲージも加速度的に高まって、射精感が身体中を駆け巡った。
「つくねぇ……でるっ!」
「いって、いってぇ! 朝の元気なせーし、おマンコに泳がせて!」
「くうぅっ!」
びゅるるるっ! びゅくっ!
「あはあぁぁぁぁんっ!」
ビクビクッ!
射精の奔流を、深く落とした腰の奥深い内部で受け止め、つくねぇは背筋を反らせて痙攣した。
暴れまわる肉棒を、ぎゅっと抱きしめて膣肉が離さない。
子宮口に亀頭の先端が固定されて、吐き出された精液は、ぜんぶ子宮へと呑み込まれていくのがわかる。
「ああ……あは……あ……はふぅ……」
絶頂の感覚が抜けていくにしたがって、つくねぇは身体の力をゆっくりと抜き、おれの上に覆いかぶさってくる。
おれはそんなつくねぇを抱きしめ、やさしく頭をなでてやる。
「つくねぇ、気持ちよかったよ。ありがと」
「わたしもよかったよぉ……。うう、どうして姉弟でするえっちって、こんなに気持ちいいんだろ? 近親相姦がダメな理由って、気持ちよすぎてはまっちゃうからだって聞いたことあるけど、本当なのかなぁ?」
「さぁ……? でも確かに、こんなに気持ちのいいセックスは、つくねぇとしかできないよ」
「うふっ。わたしもよ、たーくん。きっと、姉とか弟とか関係なくて、世界でたったひとり結ばれる相手だからなんだね」
その言葉と、しあわせそうな表情に、やばいくらい心臓が高鳴る。
おれだってそう思う。
時間が立てばたつほど、身体を重ねれば重ねるほど、つくねぇが愛おしくなっていくんだ。
「……あ、たーくん。めっ、だよ」
「……え?」
「わたしの膣内でまたおっきくなってる。ダメだよ、朝は一回だけって約束したでしょ。遅刻しちゃうんだから」
言われてはじめて、再び昂奮していることに気がついた。あわてて言いつくろう。
「ち、ちがうよ。これはつくねぇが膣内をきゅってしたからだろ」
「あー、おねえちゃんのせいにするのね。そんな悪い子には、こうだっ」
きゅううううっ!
「うわ、わあ」
「あんっ、もう、どんどん硬くおおきくなってく……。ダメだよ、たーくん。おねえちゃんまでもう一回ほしくなっちゃう」
もはや無意識なのか、断続的にきゅっきゅっと膣内はしまり、新たな愛液が湧き出してきているのがわかった。
「……つくねぇ、ごめん。いっしょに遅刻しよう」
おれはほそっこい腰をつかむと、下から思い切りよく突き上げた。
「あっ、ダメっ、ダメだよっ! 気持ちよくしちゃ、ああんっ! いいっ」
いやよいやよも好きのうち。
つくねぇはすぐに喘ぎ声をあげながら、自分で腰をふりはじめたのだった。
おしまい
「つ、つくねぇ……」
気がつくとおれは、フラフラと蠱惑的なその足と足の間へひざをつき、すべすべとした肌へ手を伸ばしていた。
「ひぅっ」
丸いお尻のふたつの丘へ両手を載せると、敏感につくねぇは反応した。
さわさわと手を動かし、シルクのパンティと、しっとり吸い付くような肌との境界の手触りを楽しむ。ドキドキはもはや、ドクンドクンと奔流となってこめかみから脳へ流れ込み、おれの思考を支配した。
「おしり……なでなでされてる……たーくんになでなで……」
「……きれいだよ……つくねぇ、きれい」
「んふっ。……ねぇたーくん。わたし、今日はいてるショーツ、紐で留めてあるタイプなんだ」
「……うん」
「腰のね、両方にね、ちょうちょ結びがあるでしょ。……そこをね、シュッと、……シュッと引っ張っちゃうとね、引っ張るだけでね、おねえちゃん、ショーツが脱げちゃうの」
「……うん」
「ね、たーくん。シュッてしたい? シュッてして、おねえちゃんのお尻から、邪魔な布切れを取っちゃいたい? おねえちゃんの大事なところ、見ちゃいたい?」
「……うん。つくねぇ、おれ……」
「いいよ。シュッてしていいよ。はぁ、たーくんなら見てもいいから。たーくんに見せちゃう、見られちゃうんだから……はぁ、はぁ」
おれは手を伸ばし、ほっそりしたウェストの左右で結ばれたちょうちょ結びをつまむ。
一気に引っ張ると、あっけないくらい簡単に結び目はほどけ、ぱらっとショーツが支えを失って床へ落ちていった。
「うわあ……」
思わず、感嘆の声が喉奥から漏れた。
ネットなんかで無修正のアソコを見たことがないわけじゃない。その印象は、どちらかと言えばグロいな、と言うものだった。
つくねぇのは違った。
ぷっくり膨らんで瑞々しい、剥きたての桃のようなアソコだった。
ぴっちりと閉じてしまった縦のすじは、まるで男を桃源郷へ誘う楽園の扉のようだ。
「つくねぇ、きれい……きれい……」
バカみたいに同じことしか言えない。それ以外の感想なんか思いつかなかった。
「よかった……うれしい」
ほっとした様子のつくねぇ。やっぱり、変じゃないかとか、すこし不安だったようだ。
おそらく、いままでだれにも見せたことがないのだから。
「……もっと見ていい? つくねぇの全部、見たい」
「いいよ、たーくん……おねえちゃんのアソコ、奥の奥までじっくり見てもいいよ」
許しを得たおれは、両手の親指を使って楽園の扉を左右から開いていく。
とろぉ……。
扉の中は神秘の泉だった。
すでに昂奮していたつくねぇのアソコは、びしゃびしゃに濡れまくって、洪水を起こしたようになっていた。ぴったりと入り口を閉じた大陰唇が膣の中身をそとへ漏れ出さないようにしていたのだ。
そこをおれが開いてしまった。
とろとろ、とろ……。
白濁の混じった透明な液体が、アソコから流れ出して、両方の内ももを伝い、淫靡な流域図を作っていく。
「ああぁ……ん。垂れちゃってる、おねえちゃん、アソコ濡れ濡れにしてたの、たーくんにばれちゃう……いやぁん……」
「つくねぇ……すげ、やらしい……いやらしいよ……」
「おねえちゃんのアソコ、どう? たーくん、ちゃんと見えてる?」
「うん……見えてる。でもあんまり奥まで見えない。つくねぇ、入り口の近くにある膜みたいなのって、ひょっとして……」
「ああん、そうよ。おねえちゃんの処女膜。おねえちゃん、はじめてマンコなの。はじめてマンコを、たーくんにはじめて見せちゃってるの。ああっ、昂奮するよぅ」
そう言った瞬間、どろっとしたねばっこい白濁が溢れてきて、縦すじを流れ、ぴょこんと飛び出したクリトリスから滴り落ちようとした。
(もったいない……!)
とっさにそう思ったおれは、舌を伸ばしてどろどろの愛液を舐め取った。
「ひうううぅっ!?」
いきなりクリトリスをなぞられたつくねぇは、背筋をピンッと伸ばして、ビクビクと反応した。
おれは口の中に救出したねばっこい愛液の塊を、咀嚼するように味わって、ゴクリと飲み込む。
「……おいしいよ、つくねぇ」
「……たーくん、おねえちゃんのお汁、飲んじゃったの? はじめてマンコのえっちなお汁、ゴクゴクしちゃったの?」
「うん。もっとほしいよ。いっぱい吸っていい?」
「いいよ、いいよ。おねえちゃんのはじめて汁、新鮮なうちにたくさん飲んで。もうすぐたーくんにはじめてじゃなくされちゃうマンコの汁、飲むのならいまのうちなんだからっ」
「つくねぇ……じゅるるるるっ!」
辛抱たまらなくなったおれは、指で広げたアソコに思い切り吸い付くと、目一杯啜り上げた。
「あああーっ! 吸ってる、吸われてる! えっちなお汁飲まれてるぅ!」
「じゅるっ、じゅぱっ、つくねぇ……つく……じゅるるぅ、おいし、おいしいよつくねぇ」
「あはぁん、いい、もっと吸って、もっともっと! わたしもえっち汁、次から次へ搾り出しちゃうんだから!」
「ん、んぶっ、じゅるっ……つくねぇすごい、どんどん出てくる。吸っても吸っても出てくるよ……!」
「そうでしょ? おねえちゃん、はぁっ、はじめてだけど、でもね、あん、いっぱいいっぱい練習したんだから。毎晩ね、自分でいじいじして、たーくんのこと、気持ちよく出来るように、いっぱいお汁を出す訓練してたんだからっ! ああん!」
「すごいよつくねぇ、ごくっ、すごい、すごいえっち、じゅる、ん、ふっ」
もうわけがわからなくなって、おれは中で渦巻いている高濃度の蜜を掻き出そうと、舌をすぼめて膣口へ突き入れた。
「あひゃぁん!」
つくねぇが奇声を上げる。ぎゅうううっと舌が穴の入り口によって締め付けられた。
「不意打ち、不意打ちよぉ。いきなりおねえちゃんの膣、なめなめしようとするなんてぇ!」
「つくねぇ、おれ、吸うだけじゃだめだ。中までほじくりたい」
「やぁん、もう、そんなこと言われたら、おねえちゃんはいいよって言うしかないでしょ。いいよ、たーくん。いっぱいほじほじして。あとでそこに、たーくんのたくましいのが入っちゃうんだからね。まずは舌でたっぷりほぐして、下ごしらえしておいてね」
許可を得たおれは、まっすぐに舌を挿入する。
しかしそれは、すぐにツンとした壁に行き当たって、思ったより奥まで入り込まなかった。
なんだろうと思いながら、いまにも破れてしまいそうなその壁を舌で探り始める。
つくねぇがガクガクと肩を揺らせて叫んだ。
「たーくん、たーくんそれ、さっき見たでしょ! それ、おねえちゃんの処女膜! はじめて! そんな、舌でなめなめしたら、わたし……わたし、感じちゃう、感じちゃうよぉ!」
「んっ……つくねぇ、処女膜をなめなめされるのがいいんだ……?」
「へ、変かな……? でもね、いつかたーくんに破ってもらいたいなって、自分の指とか、あふっ、筆みたいな道具とかでね、いじいじしちゃってるうちに、あはん、おねえちゃん、処女膜がすっごく感じるようになっちゃったの」
「へぇ……ちゅるっぺろっ……そうなんだ」
「あああ……舐めまわされてるぅ……大事な膜、はじめてマンコのはじめてがぁ……そんな、ぺろぺろされたら、わたし、わたし……!」
ビクビクビクッ……。
背筋を中心に、つくねぇの身体にちいさな震えが走っていく。
つくねぇ、イキそうになってる……。
とどめとばかりに、おれはぐるんっと一周させるように舌を動かし、膜全体を舐め上げた。
「わたし、いっちゃう、いく、いくいくいくいくいく……いくうううううううううぅぅぅ!」
ぷしゃぁっ!
ギチギチと膣口が舌を挟み込み、顎の下から水音を立てて潮がほとばしった。
「ああああああーああーああああ……ああ……」
電池が切れるみたいに、上体をのけぞらせていたつくねぇの身体が、ゆっくりと床へ沈んでいく。
夢中で舐めすぎたのか、舌の付け根がひりひりした。おれは身体を離すと、茫然自失してノックダウンするつくねぇの肢体を眺めた。
「つくねぇ……きれいだ」
股の間からなおも涎を垂らし、床へはしぶきを散らせ、半開きの口とまぶたをしていてなお、つくねぇはどんな人よりもきれいだった。
「はぁ……はぁ……はぁ……わたし、たーくんに、いかされちゃったよぉ……」
気がつくとおれは、フラフラと蠱惑的なその足と足の間へひざをつき、すべすべとした肌へ手を伸ばしていた。
「ひぅっ」
丸いお尻のふたつの丘へ両手を載せると、敏感につくねぇは反応した。
さわさわと手を動かし、シルクのパンティと、しっとり吸い付くような肌との境界の手触りを楽しむ。ドキドキはもはや、ドクンドクンと奔流となってこめかみから脳へ流れ込み、おれの思考を支配した。
「おしり……なでなでされてる……たーくんになでなで……」
「……きれいだよ……つくねぇ、きれい」
「んふっ。……ねぇたーくん。わたし、今日はいてるショーツ、紐で留めてあるタイプなんだ」
「……うん」
「腰のね、両方にね、ちょうちょ結びがあるでしょ。……そこをね、シュッと、……シュッと引っ張っちゃうとね、引っ張るだけでね、おねえちゃん、ショーツが脱げちゃうの」
「……うん」
「ね、たーくん。シュッてしたい? シュッてして、おねえちゃんのお尻から、邪魔な布切れを取っちゃいたい? おねえちゃんの大事なところ、見ちゃいたい?」
「……うん。つくねぇ、おれ……」
「いいよ。シュッてしていいよ。はぁ、たーくんなら見てもいいから。たーくんに見せちゃう、見られちゃうんだから……はぁ、はぁ」
おれは手を伸ばし、ほっそりしたウェストの左右で結ばれたちょうちょ結びをつまむ。
一気に引っ張ると、あっけないくらい簡単に結び目はほどけ、ぱらっとショーツが支えを失って床へ落ちていった。
「うわあ……」
思わず、感嘆の声が喉奥から漏れた。
ネットなんかで無修正のアソコを見たことがないわけじゃない。その印象は、どちらかと言えばグロいな、と言うものだった。
つくねぇのは違った。
ぷっくり膨らんで瑞々しい、剥きたての桃のようなアソコだった。
ぴっちりと閉じてしまった縦のすじは、まるで男を桃源郷へ誘う楽園の扉のようだ。
「つくねぇ、きれい……きれい……」
バカみたいに同じことしか言えない。それ以外の感想なんか思いつかなかった。
「よかった……うれしい」
ほっとした様子のつくねぇ。やっぱり、変じゃないかとか、すこし不安だったようだ。
おそらく、いままでだれにも見せたことがないのだから。
「……もっと見ていい? つくねぇの全部、見たい」
「いいよ、たーくん……おねえちゃんのアソコ、奥の奥までじっくり見てもいいよ」
許しを得たおれは、両手の親指を使って楽園の扉を左右から開いていく。
とろぉ……。
扉の中は神秘の泉だった。
すでに昂奮していたつくねぇのアソコは、びしゃびしゃに濡れまくって、洪水を起こしたようになっていた。ぴったりと入り口を閉じた大陰唇が膣の中身をそとへ漏れ出さないようにしていたのだ。
そこをおれが開いてしまった。
とろとろ、とろ……。
白濁の混じった透明な液体が、アソコから流れ出して、両方の内ももを伝い、淫靡な流域図を作っていく。
「ああぁ……ん。垂れちゃってる、おねえちゃん、アソコ濡れ濡れにしてたの、たーくんにばれちゃう……いやぁん……」
「つくねぇ……すげ、やらしい……いやらしいよ……」
「おねえちゃんのアソコ、どう? たーくん、ちゃんと見えてる?」
「うん……見えてる。でもあんまり奥まで見えない。つくねぇ、入り口の近くにある膜みたいなのって、ひょっとして……」
「ああん、そうよ。おねえちゃんの処女膜。おねえちゃん、はじめてマンコなの。はじめてマンコを、たーくんにはじめて見せちゃってるの。ああっ、昂奮するよぅ」
そう言った瞬間、どろっとしたねばっこい白濁が溢れてきて、縦すじを流れ、ぴょこんと飛び出したクリトリスから滴り落ちようとした。
(もったいない……!)
とっさにそう思ったおれは、舌を伸ばしてどろどろの愛液を舐め取った。
「ひうううぅっ!?」
いきなりクリトリスをなぞられたつくねぇは、背筋をピンッと伸ばして、ビクビクと反応した。
おれは口の中に救出したねばっこい愛液の塊を、咀嚼するように味わって、ゴクリと飲み込む。
「……おいしいよ、つくねぇ」
「……たーくん、おねえちゃんのお汁、飲んじゃったの? はじめてマンコのえっちなお汁、ゴクゴクしちゃったの?」
「うん。もっとほしいよ。いっぱい吸っていい?」
「いいよ、いいよ。おねえちゃんのはじめて汁、新鮮なうちにたくさん飲んで。もうすぐたーくんにはじめてじゃなくされちゃうマンコの汁、飲むのならいまのうちなんだからっ」
「つくねぇ……じゅるるるるっ!」
辛抱たまらなくなったおれは、指で広げたアソコに思い切り吸い付くと、目一杯啜り上げた。
「あああーっ! 吸ってる、吸われてる! えっちなお汁飲まれてるぅ!」
「じゅるっ、じゅぱっ、つくねぇ……つく……じゅるるぅ、おいし、おいしいよつくねぇ」
「あはぁん、いい、もっと吸って、もっともっと! わたしもえっち汁、次から次へ搾り出しちゃうんだから!」
「ん、んぶっ、じゅるっ……つくねぇすごい、どんどん出てくる。吸っても吸っても出てくるよ……!」
「そうでしょ? おねえちゃん、はぁっ、はじめてだけど、でもね、あん、いっぱいいっぱい練習したんだから。毎晩ね、自分でいじいじして、たーくんのこと、気持ちよく出来るように、いっぱいお汁を出す訓練してたんだからっ! ああん!」
「すごいよつくねぇ、ごくっ、すごい、すごいえっち、じゅる、ん、ふっ」
もうわけがわからなくなって、おれは中で渦巻いている高濃度の蜜を掻き出そうと、舌をすぼめて膣口へ突き入れた。
「あひゃぁん!」
つくねぇが奇声を上げる。ぎゅうううっと舌が穴の入り口によって締め付けられた。
「不意打ち、不意打ちよぉ。いきなりおねえちゃんの膣、なめなめしようとするなんてぇ!」
「つくねぇ、おれ、吸うだけじゃだめだ。中までほじくりたい」
「やぁん、もう、そんなこと言われたら、おねえちゃんはいいよって言うしかないでしょ。いいよ、たーくん。いっぱいほじほじして。あとでそこに、たーくんのたくましいのが入っちゃうんだからね。まずは舌でたっぷりほぐして、下ごしらえしておいてね」
許可を得たおれは、まっすぐに舌を挿入する。
しかしそれは、すぐにツンとした壁に行き当たって、思ったより奥まで入り込まなかった。
なんだろうと思いながら、いまにも破れてしまいそうなその壁を舌で探り始める。
つくねぇがガクガクと肩を揺らせて叫んだ。
「たーくん、たーくんそれ、さっき見たでしょ! それ、おねえちゃんの処女膜! はじめて! そんな、舌でなめなめしたら、わたし……わたし、感じちゃう、感じちゃうよぉ!」
「んっ……つくねぇ、処女膜をなめなめされるのがいいんだ……?」
「へ、変かな……? でもね、いつかたーくんに破ってもらいたいなって、自分の指とか、あふっ、筆みたいな道具とかでね、いじいじしちゃってるうちに、あはん、おねえちゃん、処女膜がすっごく感じるようになっちゃったの」
「へぇ……ちゅるっぺろっ……そうなんだ」
「あああ……舐めまわされてるぅ……大事な膜、はじめてマンコのはじめてがぁ……そんな、ぺろぺろされたら、わたし、わたし……!」
ビクビクビクッ……。
背筋を中心に、つくねぇの身体にちいさな震えが走っていく。
つくねぇ、イキそうになってる……。
とどめとばかりに、おれはぐるんっと一周させるように舌を動かし、膜全体を舐め上げた。
「わたし、いっちゃう、いく、いくいくいくいくいく……いくうううううううううぅぅぅ!」
ぷしゃぁっ!
ギチギチと膣口が舌を挟み込み、顎の下から水音を立てて潮がほとばしった。
「ああああああーああーああああ……ああ……」
電池が切れるみたいに、上体をのけぞらせていたつくねぇの身体が、ゆっくりと床へ沈んでいく。
夢中で舐めすぎたのか、舌の付け根がひりひりした。おれは身体を離すと、茫然自失してノックダウンするつくねぇの肢体を眺めた。
「つくねぇ……きれいだ」
股の間からなおも涎を垂らし、床へはしぶきを散らせ、半開きの口とまぶたをしていてなお、つくねぇはどんな人よりもきれいだった。
「はぁ……はぁ……はぁ……わたし、たーくんに、いかされちゃったよぉ……」
シス←→ブラ ~おねえちゃんとあまあまラブラブエッチDAYS~
「んちゅ……ちゅぱ……くちゅちゅ……」
おれの朝は、濃厚なキスからはじまる。
「……ちゅっ……ちゅっ……んふぅ……ぺろっ……ふ……はむ……」
唇をふさがれた微妙な息苦しさを感じながら、ゆっくりとまぶたを開いていく。
見慣れたつくねぇの顔がどアップで視界を占領している。おれが起きたのに気づいたつくねぇは、キスをやめてうれしそうにほほ笑む。
「あ、やっと起きた。おはよ、たーくん」
「……おはよう」
戌井卓人(たくと)。16歳。毎朝、姉にこうやって起こされている。重度のシスコン患者。
戌井撞音(つくね)。17歳。毎朝、弟をこうやって起こしている。重度のブラコン患者。
つくねぇはのしかかっていたベッドから身体を起こすと、制服につつまれた凹凸の激しいボディをひるがえす。
「ごはん、できてるから。はやく降りてきてね」
ふわりと笑って部屋を出ていく。
かろやかな足音が階段を降りていくのを聞きながら、おれはため息をついて上半身を上げた。
このところ、つくねぇの『お世話』が過激さを増してきている。
正直、いつまで理性が持つのかおれ自身、疑問を感じるところだ。
原初的情動、リビドーの詰まったおれの股間は、蒲団の上から見てもわかるほど、固くいきりたっていた。
「朝だから。朝だから」
だれともなく言い訳しながら、おれは制服へ袖を通すため、ベッドを降りる。
***
昼休み。
混雑する学食の片隅でぼんやりラーメンを啜っていると、天井付近に置かれたTVが母親のCMを映した。
母はトップ女優のひとりだ。
姉弟を生んだとは思えないほど若々しく、肌のはりつやもきめ細かい。
いま流れているような化粧水のCMではひっぱりだこで、お年頃の女性たちに夢と幻想を与えているのだ。
「あ、あの、戌井くん」
喧噪の中、名前を呼ばれた気がして目を向けると、知らない女子生徒がおどおどした様子で立っていた。
「……なに?」
「その、よ、よかったら、サイン頼みたいんですけど……」
よく見ると胸にサイン色紙を抱きしめている。
おれはラーメンを啜る作業に戻る。
「……どっちの?」
「え、えと、お父さんのほう……」
「……ダメ。親父には勝手に会えない」
「え? そうなの?」
「……うん。裁判でそう決まってるから」
親父はダンディな役柄が売りの俳優だ。だけど浮気が原因ではるか昔に離婚。月に一度だけの面会日を除き、おれたちとは会えないことになっている。その面会日すら、仕事のせいで予定を取れないことがほとんどなんだが。
ちなみに母も女優業に専念するため、東京に出たまま実家へはほとんど帰らない。家はおれとつくねぇのふたりきりなのが常だった。
我ながら、なかなか歪んだ家庭環境だと思う。
「そ、そう。……ごめんね、無理いっちゃって」
勝手に恐縮して女生徒は去っていく。
べつに、これが普通なのだから、おれはなんとも感じていない。まわりにはどう見えているのかはわからないが。
それに、母が東京に移ることを決めた一年前、いっしょにおれたちもついていくはずだったのだが、実家へ残ることを強固に主張したのはつくねぇだったのだ。転校したくないとか、おれの面倒は全部みるとか、普段わがままなんか言わないつくねぇの強情に折れて、母は単身赴任していった。
思えば、そのころからつくねぇの『お世話』がはじまったような気がする。
ラーメンを食べ終え、食後の一服がわりにつくねぇのことを考えていると、周囲の人間が「ざわっ」とざわめいた。
学食の入口に思考中の人物の姿があった。
ロングのサラサラヘアー、自己主張の強い胸元、短い制服のすそからチラチラと見えるウエスト、張り出したヒップとすらりと伸びた健康的な脚。
なによりもトップクラスの女優俳優たちから、惜しみなくその最上のパーツを与えられた顔立ち。
ただそこにいる。それだけで学食にいる人間すべての視線を集め、虜にしてしまうのだった。
……本人の自覚は、まったくなしに。
「あ、たーくん!」
周りの注目なんかまるでおかまいなく、めだたない位置に座るおれを一瞬で発見するや、手を振って駆け寄ってくる。
「……姉さん」
いつものこととは言え、こっちに集中してくる視線の束には閉口する。
「やーん。なんで学校じゃ『つくねぇ』って呼んでくれないの?」
「姉さんこそ空気読んでくれよ……」
「むぅ」
ふくれるつくねぇを、友達らしき女子生徒たちが通りすがりにからかっていく。
「撞音、ブラコンもたいがいにしときなよ~。弟さん困ってる困ってる」
「でもこれだけかっこいい弟がいたら、ブラコンもわかるわよねー。ね、紹介してよ!」
そのうちのひとりが、冗談混じりにおれの腕へくっついてきた。
「むー、紹介しません! 離れなさい! たーくんはわたしのなんだからっ」
「あーはいはい。重症だわこりゃ」
ぺろっと舌を出してすぐに離れていく。
つくねぇは番犬が威嚇するみたいにぐるぐる唸っていたが、女子生徒たちが学食から出て行くのを見届けると、くるりとおれを振り仰いだ。
「たーくん、ちょっと来なさい!」
「え、あ、ああ」
有無を言わせぬ調子に、おれはしどろもどろで返事をすると、手を引っ張られて学食を連れ出された。
早足のつくねぇを追いかけるようにして歩いて、連れ込まれたのは旧校舎の空き教室。取り壊しが間近に迫って、だれも人の寄り付かない場所だった。
こんなところへ連れてきてどうしようって言うんだろうか。
つくねぇはおれの手を開放して以降、背を向けて黙り込んでいる。
「……つくねぇ、どうしたの」
「……たーくん……おねえちゃんのこと、好き?」
「……なんだよ、いきなり」
「わたし、たーくんのこと好きだよ。ほかのだれよりも。なによりも。世界で一番好き」
ドクッと心臓が脈打ったのがわかった。
つくねぇの口調は、ただの兄弟愛を語るには、あまりに情熱的で、あまりに艶かしかった。
「……おれも、好きだよ。つくねぇが思ってるのと、同じくらい」
そんなんじゃない。つくねぇは家族として、弟としてそう言ってるんだ。
頭の中で言い聞かせながら、ようよう、おれも答える。
「ほんと? でもね、わたし不安なの。いつもいつも不安。だって、わたしとたーくんの間には血のつながりしかないんだもの。だれか、知らない女の子が、横合いからたーくんのことさらっていったって、わたしにはどうすることもできないんだから」
ふと――背を向けたままのつくねぇは、泣いているんじゃないかと思った。
「さっきだって、食堂の外から、知らない子と話してるたーくん見て、デートに誘われてるんじゃないかと思ったり。友達がたーくんにくっついたのを見て嫉妬したり。……そんなの、わたしだって嫌なの。でも不安なの。たーくんをつなぎとめるものが、おねえちゃんにはなにもないから……」
「つくねぇ……」
心臓のドキドキが止まらない。なおも、ますます鼓動を速めていく。
つくねぇは肩越しにチラッとおれを見ると、突然床へうつぶせに寝転がった。
そして、お尻だけをクイッと高く持ち上げる。
「――っ!」
息を呑んだ。短いスカートがまくれて、最高にいい形をしたヒップを包む薄布があらわになっている。
「……証をちょうだい、たーくん……。おねえちゃんがいつまでもそばにいていいっていう、証。それをくれるなら、おねえちゃんのぜんぶ、たーくんにあげちゃう……」
「んちゅ……ちゅぱ……くちゅちゅ……」
おれの朝は、濃厚なキスからはじまる。
「……ちゅっ……ちゅっ……んふぅ……ぺろっ……ふ……はむ……」
唇をふさがれた微妙な息苦しさを感じながら、ゆっくりとまぶたを開いていく。
見慣れたつくねぇの顔がどアップで視界を占領している。おれが起きたのに気づいたつくねぇは、キスをやめてうれしそうにほほ笑む。
「あ、やっと起きた。おはよ、たーくん」
「……おはよう」
戌井卓人(たくと)。16歳。毎朝、姉にこうやって起こされている。重度のシスコン患者。
戌井撞音(つくね)。17歳。毎朝、弟をこうやって起こしている。重度のブラコン患者。
つくねぇはのしかかっていたベッドから身体を起こすと、制服につつまれた凹凸の激しいボディをひるがえす。
「ごはん、できてるから。はやく降りてきてね」
ふわりと笑って部屋を出ていく。
かろやかな足音が階段を降りていくのを聞きながら、おれはため息をついて上半身を上げた。
このところ、つくねぇの『お世話』が過激さを増してきている。
正直、いつまで理性が持つのかおれ自身、疑問を感じるところだ。
原初的情動、リビドーの詰まったおれの股間は、蒲団の上から見てもわかるほど、固くいきりたっていた。
「朝だから。朝だから」
だれともなく言い訳しながら、おれは制服へ袖を通すため、ベッドを降りる。
***
昼休み。
混雑する学食の片隅でぼんやりラーメンを啜っていると、天井付近に置かれたTVが母親のCMを映した。
母はトップ女優のひとりだ。
姉弟を生んだとは思えないほど若々しく、肌のはりつやもきめ細かい。
いま流れているような化粧水のCMではひっぱりだこで、お年頃の女性たちに夢と幻想を与えているのだ。
「あ、あの、戌井くん」
喧噪の中、名前を呼ばれた気がして目を向けると、知らない女子生徒がおどおどした様子で立っていた。
「……なに?」
「その、よ、よかったら、サイン頼みたいんですけど……」
よく見ると胸にサイン色紙を抱きしめている。
おれはラーメンを啜る作業に戻る。
「……どっちの?」
「え、えと、お父さんのほう……」
「……ダメ。親父には勝手に会えない」
「え? そうなの?」
「……うん。裁判でそう決まってるから」
親父はダンディな役柄が売りの俳優だ。だけど浮気が原因ではるか昔に離婚。月に一度だけの面会日を除き、おれたちとは会えないことになっている。その面会日すら、仕事のせいで予定を取れないことがほとんどなんだが。
ちなみに母も女優業に専念するため、東京に出たまま実家へはほとんど帰らない。家はおれとつくねぇのふたりきりなのが常だった。
我ながら、なかなか歪んだ家庭環境だと思う。
「そ、そう。……ごめんね、無理いっちゃって」
勝手に恐縮して女生徒は去っていく。
べつに、これが普通なのだから、おれはなんとも感じていない。まわりにはどう見えているのかはわからないが。
それに、母が東京に移ることを決めた一年前、いっしょにおれたちもついていくはずだったのだが、実家へ残ることを強固に主張したのはつくねぇだったのだ。転校したくないとか、おれの面倒は全部みるとか、普段わがままなんか言わないつくねぇの強情に折れて、母は単身赴任していった。
思えば、そのころからつくねぇの『お世話』がはじまったような気がする。
ラーメンを食べ終え、食後の一服がわりにつくねぇのことを考えていると、周囲の人間が「ざわっ」とざわめいた。
学食の入口に思考中の人物の姿があった。
ロングのサラサラヘアー、自己主張の強い胸元、短い制服のすそからチラチラと見えるウエスト、張り出したヒップとすらりと伸びた健康的な脚。
なによりもトップクラスの女優俳優たちから、惜しみなくその最上のパーツを与えられた顔立ち。
ただそこにいる。それだけで学食にいる人間すべての視線を集め、虜にしてしまうのだった。
……本人の自覚は、まったくなしに。
「あ、たーくん!」
周りの注目なんかまるでおかまいなく、めだたない位置に座るおれを一瞬で発見するや、手を振って駆け寄ってくる。
「……姉さん」
いつものこととは言え、こっちに集中してくる視線の束には閉口する。
「やーん。なんで学校じゃ『つくねぇ』って呼んでくれないの?」
「姉さんこそ空気読んでくれよ……」
「むぅ」
ふくれるつくねぇを、友達らしき女子生徒たちが通りすがりにからかっていく。
「撞音、ブラコンもたいがいにしときなよ~。弟さん困ってる困ってる」
「でもこれだけかっこいい弟がいたら、ブラコンもわかるわよねー。ね、紹介してよ!」
そのうちのひとりが、冗談混じりにおれの腕へくっついてきた。
「むー、紹介しません! 離れなさい! たーくんはわたしのなんだからっ」
「あーはいはい。重症だわこりゃ」
ぺろっと舌を出してすぐに離れていく。
つくねぇは番犬が威嚇するみたいにぐるぐる唸っていたが、女子生徒たちが学食から出て行くのを見届けると、くるりとおれを振り仰いだ。
「たーくん、ちょっと来なさい!」
「え、あ、ああ」
有無を言わせぬ調子に、おれはしどろもどろで返事をすると、手を引っ張られて学食を連れ出された。
早足のつくねぇを追いかけるようにして歩いて、連れ込まれたのは旧校舎の空き教室。取り壊しが間近に迫って、だれも人の寄り付かない場所だった。
こんなところへ連れてきてどうしようって言うんだろうか。
つくねぇはおれの手を開放して以降、背を向けて黙り込んでいる。
「……つくねぇ、どうしたの」
「……たーくん……おねえちゃんのこと、好き?」
「……なんだよ、いきなり」
「わたし、たーくんのこと好きだよ。ほかのだれよりも。なによりも。世界で一番好き」
ドクッと心臓が脈打ったのがわかった。
つくねぇの口調は、ただの兄弟愛を語るには、あまりに情熱的で、あまりに艶かしかった。
「……おれも、好きだよ。つくねぇが思ってるのと、同じくらい」
そんなんじゃない。つくねぇは家族として、弟としてそう言ってるんだ。
頭の中で言い聞かせながら、ようよう、おれも答える。
「ほんと? でもね、わたし不安なの。いつもいつも不安。だって、わたしとたーくんの間には血のつながりしかないんだもの。だれか、知らない女の子が、横合いからたーくんのことさらっていったって、わたしにはどうすることもできないんだから」
ふと――背を向けたままのつくねぇは、泣いているんじゃないかと思った。
「さっきだって、食堂の外から、知らない子と話してるたーくん見て、デートに誘われてるんじゃないかと思ったり。友達がたーくんにくっついたのを見て嫉妬したり。……そんなの、わたしだって嫌なの。でも不安なの。たーくんをつなぎとめるものが、おねえちゃんにはなにもないから……」
「つくねぇ……」
心臓のドキドキが止まらない。なおも、ますます鼓動を速めていく。
つくねぇは肩越しにチラッとおれを見ると、突然床へうつぶせに寝転がった。
そして、お尻だけをクイッと高く持ち上げる。
「――っ!」
息を呑んだ。短いスカートがまくれて、最高にいい形をしたヒップを包む薄布があらわになっている。
「……証をちょうだい、たーくん……。おねえちゃんがいつまでもそばにいていいっていう、証。それをくれるなら、おねえちゃんのぜんぶ、たーくんにあげちゃう……」
天田夫妻のヘルパーの仕事は、私が離婚後はじめて手にしたまともな職だった。
筋ジストロフィーと言う遺伝性の難病を抱えるふたりは、私が身の回りの世話をし始めた一年前から寝たきりで、最近では満足に四肢すら動かせないにもかかわらず、生きる希望をなくすどころか、なお生命の炎を瞳の内に燃やしているのであった。
以前、夫婦の夫である俊一が私に語ったことには、
「僕はこの病に冒されていたからこそ、真佐子と出会い、連れそうことができた。だからこの身体がいくら不自由になろうとも、ちっとも苦しくはないのだ! ああ、だがしかし、たったひとつだけ望むべくものがあるとすれば……」
その先は、折からの潮風に間切れて私には届かなかった。ベッドチェアーを押してバルコニーから室内へ戻りつつ、私はその言葉がなんであるか非常に気になり、問い返すべきか煩悶と悩んだのだった。
真佐子夫人は美しい人だった。俊一より十五も年下の、私と同い年であったけれども、私なぞよりも遥かに思慮に長け、賢く、少女時代から保ち続けているような楚々とした清潔さを失っていなかった。弱々しい握力を使って私の手を握り、濡れ光る大きな瞳でじっと感謝を伝えるその姿を見るたび、私は深い感動のような使命感を覚えるのだった。
その日は泊り込みの当番で、私は二階にある宿直の部屋から、海岸の遥か向こうを沈み行く夕陽、その残滓が波間へ溶ける様を眺めていた。資産家である俊一の父の別荘であったと言うこの居宅は、海沿いの崖に近い絶景の場所にある。時刻、時刻によって移り変わる景観は、毎日見慣れているはずの私でさえ、時にこうやって引き込まずにおられない。
落日が想起させるのは哀しい出来事の方が多いと思う。私は波に洗われる夕陽を眼で追い、五年連れ添った夫と別れてからの記憶を辿っていた。
軽いつもりで犯した不貞は私のすべてを奪った。離婚は私の浮気が原因だ。それについては一片の言い訳もなく、ただ私は帰る家と、息子の顔と、生活の基盤を失って放り出された。たかが浮気でひどい仕打ちだと言う友人もいたが、私は甘んじて受け入れた。夫の哀しみ傷ついた眼を見て、ようやく罪の重さに気づいた愚かな人間だった。その私がとやかく言えようはずもなかった。
歳の離れた妹の居る実家には戻れなかった。私はどうしてもひとりで生きていかねばならなかった。
それからはつらい日々の繰り返しだった。生まれてはじめての自活の隙間を、私は自己嫌悪と後悔で埋めながら、石のように過ごした。
短大時代にカリキュラムの都合で取得した介護士の資格が役に立ったのは、一年前のことだ。
天田夫妻の元で私は働き蜂のように働き、いつの間にか信頼を得るようになっていた。私は私で、この不幸な病魔の泉に浸されたふたつの弱々しい人間を世話することは、まるで自分の贖罪であるような気がしてきていた。こうしていればいつか赦されるかもしれない。何を、誰に、わからぬほど漠然とした感覚である。
呼び鈴が私を気づかせた。
すでに陽は落ち、薄紫の帳が星々を連れて舞い降りようとしていた。夫妻の部屋へ参上すると、いつものようにふたりはゆったりとしたダブルベッドに寄り添い、しかしいつもとは違った真剣な面持ちで私を迎えた。
「破天荒なお願いをすることを、許して欲しい」
まず俊一が緊張気味の声で言った。
「いつか君には、僕がこの身体のこと、ひとつも苦ではないと言う趣旨の話をしたと思う。それは事実だ。だが、人には頼めぬ、いや、非常に頼みづらい事柄については、その旨を撤回してでも、苦を認めなければならない。今からお願いするのは、そう言う類のものだ」
いつになく遠まわしに、歯切れ悪い口調だった。私も若干、緊張が移った声色で続きを促したが、俊一は話しあぐねている様子だった。継いだのは真佐子だった。
「わたくしたち、子供が欲しいのです」
若草の上を渡るそよ風のような声に明らかな羞恥が混じっている。当たり前のことを、なぜ恥ずかしがっているのか。真佐子の頬は先刻の夕陽よりも紅く染まっていた。
私はその顔色と声色を見て、ある予感を覚えた。それは確かに破天荒なものに違いない予感だった。
身体の機能の一部を他人に託さなければならないふたりを世話することは、逆に言えば私が彼らの一部になると言うことでもある。親身に世話するうちに、私はいつのまにか、その心のうちをも自然と理解できるようになっていた。
ふたりは動けない。つまり、子を為すために必要な行為を、自力で行うことはできない。
私の感じた予感――セックスの手伝いをして欲しいと言うことではないだろうか。
息を呑んでいる間に、俊一は一気に言った。
「そうだ。僕たちは夫婦の営みを紡ぐことすらできなくなってしまった。しかし、命の源は今も滾々と沸きあがり続けている。僕たちの愛を、形として残せと。まだ見ぬ子供の呼び声すら聞こえる気がする。失礼は承知だ。無茶を言っているのもわかる。しかしどうか、どうか――お願いしたい。僕と真佐子の、生きた証を、愛を! この世へ記しおく一助になって欲しいのだ……」
それは凄絶な、悲壮とも言うべき願いであった。医者が病状の進行の早い真佐子を憂えていたことは、俊一もよく知るはずだ。子供を作ればそれは、命と引き換えになるだろう。無残なだけの結果になるかもしれない。それでもなお、求めてやまない、すがらずにはいられない希望なのだ。
愛! うわべだけで語られることの多いこの言葉の、なんと核心に迫った物言いであろう。私はこれほどまで、人を愛したことがあったろうか。今になって脳裏を去来するのは元の夫、息子の姿である。努めて忘れようとしたそれらが、焼けた杭のように熱く、私の心理を串刺しにし、いま、眼前で必死のまなざしを投げかける天田夫婦の情熱が、体表を包んで焼き尽くさんばかりだった。
杭は私をその場に留め、炎はつかんで放さなかった。夫婦の営みに他者が介在するなど、本来なら言語道断。しかし特殊な、特異な境遇にあるこの夫婦にとって、頼るべきものは私しかいないのだ。私しか!
そう、裸一貫で放り出され、重苦に押しつぶされかけていた私を、これほど頼りにしてくれている。その期待を裏切ることができるか? ――否だった。
「……はい」
考えがまとまると、私は承諾を込め、深くうなずいた。これこそが贖罪に違いないと、なぜかそう感じていた。俊一も真佐子も、ほっとしたようだった。
「よかった。それではさっそくだが、その――今日が計算によると絶好の日なのだ。君には申し訳ないが、真佐子の手助けをしてやってほしい」
「わかりました。おふたりとも、気になさらないでください。私はお手伝いするだけ、それだけです」
自分に言い含めるように告げた。
なにをすべきか、ふたりがなにを望んでいるのか、私にははっきりとわかっていた。むしろ清々しいくらいだった。これほどまでに他人を理解できるなんて、いままで想像もつかないことだ。
「真佐子さん」
目配せすると、うなずいた真佐子は唯一自由になる左手の肘から先を移動させ、俊一の股間の上に添えた。繊手がこれから種を植える土壌を慈しむように、やわく愛撫しはじめた。
真佐子の腕とも呼べぬ筋の落ちた腕、指とも呼べぬたおやかな指。それが這うたびに、土を割ろうとする芽のごとく、俊一の夜着の一部が膨らみ育っていく。私は覚悟を決め、ベッドサイドへ歩み寄ると、発芽のために夜着のふちへ手を掛けた。下の世話で見慣れているはずのものだった。
「……っ」
しかし覆いを取り除いた私が見たものは、信じられぬくらい培養された巨大な一物であった。まだ過半を勃ちあがったところであるそれは、真佐子の指先が絡むごとに滋養を得て育ち、隆々と天を突いていった。
元の夫、浮気相手、それ以前に体験したどの男よりも立派なペニスだ。まるで生命への熱情が俊一の精神から立ち上り、巨大なキノコ雲となって、股間へと圧縮され結晶したようだった。
真佐子の指の動きが、緩慢になっていた。これくらいの運動も持久できないのだ。私は慌ててその手を取り、唾をひとつ飲み込むと、手と手を包み込むようにして赤黒い陰茎に圧迫を加えた。私自身は陰茎に触れぬよう気をつけながら、そっと力強く、真佐子の手を上下させていく。脈動が透けるような手を抜けて、直接感じられる気がした。
「ああ……」
感極まったような呻きが、俊一のくちびるから洩れた。目を閉じ、私の方を見ないようにしている。そうしてくれたほうがやりやすい。真佐子は、わずかに首を夫の方へ傾け、赤面してはいたけれども、私のことは気にしないように努めているようだった。
「真佐子、真佐子……」
うわ言のように俊一が言い、私はまだ緊張しきっていたけれども、手の動きを慎重に調節しながら、雁高の剛直をさすり続けた。しばらくすると、樹液のような透明なものが頂から流れ出し、真佐子の手に絡み付いていった。徐々に潤滑を得た手の平はなおのこと動かしやすくなり、摩擦のたびにちゅくちゅくと湿った音が鳴るようになった。
真佐子がささやくように訊いた。
「あなた……よろしいですか? もう少し、強くいたしましょうか?」
「いや、うん。ちょっとばかり大きく動いてくれ。そうしたら……」
注文を受け、実行部隊である私は、真佐子の手を握りなおし、力を込めてグラインドさせはじめた。黒々と茂る陰毛の淵から、矢尻のような先っぽまで。
何度も何度も、往復させた。
妖精のような真佐子の手は、いまや膣そのものだった。この長大なものをしごきたて、子種を得るための、淫靡な器官であった。すこし特殊かもしれない、しかし間違いなくこれは、性器と性器とが通じ合った、夫婦の営みなのだ。
俊一の呼吸が、深く早く変化してきていた。
私は両手を組み合わせるようにして真佐子の手を包み、よりいっそうの圧迫を陰茎めがけて加えていった。私の肌も俊一の一物へ触れるようになったが、もはや気にならなかった。なぜなら私も今、真佐子そのものとなって愛撫していたからだ。
いよいよ先走りの液は汁気を増し、ぬらぬらと輝き、おとなしかった摩擦の音も、いまや遠慮会釈のない淫猥な響きでもって、快楽の声をあげていた。
俊一が再度呻き、吐息とともに言葉を搾り出した。
「うう……。で、出るぞ、真佐子!」
「はい、存分にお放ちになって!」
真佐子の声を受け、陰茎はビクビクと痙攣し、爆発の動きを見せた。
私ははっとし、次にどうすべきか暫時迷って、握っていた真佐子の手を亀頭の先端へ蓋するように覆いかぶせ、それを固定する手と、もう片方の手は陰茎をつかみ、握力を込めた。
その瞬間に脈動した。
俊一の体内から生命の源を吸い上げ、長大な樹木は白濁した樹液を噴射させた。
いや、それは噴火だ。咆哮だ。命の轟きなのだ!
子孫を後世に残さずにはおれない、人の、生物の、もっとも原初的な欲望の噴火であった。私は必死でその激甚な動きを受け止め、受け流し、さらなる活力を地中深くから呼び起こすべく、手淫を繰り返した。
俊一から放たれたものは、真佐子の手でさえぎられ、ぼたぼたと私の手に滴り落ちていた。火傷しそうなほど熱く、濃い精液だった。ぷりぷりの杏仁豆腐のような塊が、いくつもいくつも私たちの手にまとわりついた。
「はぁー……」
深いため息を吐き、俊一は身体を弛緩させた。いつの間にか脈動はかすかな痙攣にまで収まっていた。射精は終わったのだ。
真佐子が自発的に手を動かし、まだピクピクと蠢く陰茎を、愛しげに撫でさすっていた。すこし呆然とした面持ちで、力を失っていくそれを見つめていた私は、はたと気がついた。
ここから先――どうすればいいのだろうか?
先ほどまでの私は真佐子が乗り移ったようになって、夢中で射精を促したのだが、それだけでは妊娠しない。もちろんのこと、搾り出した精子が子宮へ届かなくてはならない。
「次は、僕の代わりを頼むよ……」
息も絶え絶えな様子で、俊一がそう言った。
代わり! 私は衝撃を受けた。
女である私が、このしとやかな女性を、男として孕ませるのだ。
真佐子は指先で精液の塊をすくい上げ、持ち上げて見せた。
言われずともわかった。
それを、真佐子の秘所へと運ぶのだ。膣の奥深く、ちゃんと子種が着床できるように。
不安げな真佐子にうなずいて見せ、私はもう一度覚悟を決めると、ベッドの反対側へ回り込んだ。そして真佐子の下半身を覆うものを取り去る。
やはり下の世話で見慣れているものだ。だがしかし、私は長嘆した。
ここから観望できる景色と同じく、真佐子の細っこい二本の足の付け根は、見るたびに心奪われずにはおられないものだった。
そして今宵は特に美しかった。
ごく薄い体毛は無垢な純真さを思わせ、けれども花弁の合わせ目に息づくのは、ぬめり光った愛欲の汁である。ピンク色の乙女をいやらしく穢すその粘液が、倒錯的な美を真佐子の秘所へ与えているのだった。
私は指で花弁を開いてみた。とたんにトロリと中から白みがかった汁が溢れ出し、驚いた。あとからあとから、次々と湧き出す愛液は、とろとろと陰唇の筋を伝って、尻や腿の方へ流れていく。触ってすらいないのに、すばらしい濡れ具合だった。
おとなしく清楚な真佐子がこれほど濡れやすい女だったとは。意外な衝撃と共に、私をも倒錯的な魅力で誘惑せずにはおかなかった。
真佐子はすでに、指先へ充分な量の精液を絡め取っていた。私は足を大きく広げさせ、若干の昂奮と共に腕を取り、股間へと導いた。白い塊を乗せた手が、私の導きに従って、花弁の中へ、雌花の中心の泉へと埋没されていった。
ああ! 私はいまこの瞬間、遺伝子の仲介者となったのだ。ぞくぞくとしたものが背筋を駆け上がっていった。
雄花から雌花へと花粉を運ぶ、一匹の雌蜂。この行為は異常でも、特異でもない。動けないものたちが自らの子孫を残すため、必然となる手段にすぎないのだ。
「はっ……」
指を二本、ぱくりと呑み込んだ真佐子は、明らかなる官能の吐息を洩らした。行為は別々だけれども、これはまぎれもないセックスの続きだった。私は手首を取り、前後に動かし始めた。まさしく、男性のピストン運動のように。
もっと深く、もっと奥へ!
精液を絡みつかせた指先が、子宮の辺縁に届くほどに!
女を孕ませるための行為に、私は隠しようもなく昂奮していた。もっと言うなら、女性の私が感じるはずもない、ある種別の快感をも感じ取っていた。
それはもしかしたら、先ほどよりも強く、ふたりの影響を受けたからかもしれない。
となりに横たわる俊一の霊魂が、生霊として私に乗り移り、真佐子とセックスしているのだ。
「あ……ああー、あ……」
真佐子のくちびるからは、しめやかな嬌声が流れ始めた。小鳥のさえずりのような声がより高まる方へ、私はつかんだ手を動かし、突き入れ、引き抜いてはまた入れた。その体内でも真佐子が自ら、指先をかきむしるように動かしているのがわかった。
俊一が確かめるように訊いた。
「真佐子、どうだ、いいか、いいか」
「はい、あなたを感じます……!」
真佐子は答え、また大きく喘いだ。
私もまた、その喘ぎに混じって、小さく息を洩らしていた。
官能の響きは私にも襲ってきていた。いままでの、どんなセックスでも感じたことのない異種の快感。
これが男の感覚だろうか、快楽なのだろうか……。
しかしそんな小さな疑問は大波に呑み込まれ、流されてしまう。私はいまや、まぎれもなく男となっているのだ。
「孕め、孕んでくれ……真佐子!」
俊一が祈るように叫び、
「はい、わたくし、孕みます。あなたの子を!」
真佐子は無我の嬌態で叫び返した。
快楽の波が高まっていった。私は強くそれを感じ、同時に真佐子もそうであることを知った。
ガラス細工のような手を、執拗に花弁へ強く挿入し、ある一点を越えたとき、
「あ、あぁーっ!」
喉からほとばしる嬌声が真佐子を絶頂の丘へ駆け上らせた。
私も同時に、目の前が真っ白になる衝撃を受けて、腰からベッドサイドへ崩れ落ちていた。
視界が明滅し、脳髄の奥から背骨を伝って、すべてが抜け出していくような快感を撃ちつけられていた。
そのとき私はたしかに、射精したのだった。
***
あの日の出来事が白昼夢かなにかだったように、翌日からの天田夫妻に変化は見られなかった。私はいつもどおり働き、いつもどおりに接し、そして数日が過ぎていった。
夕陽に送られながら車を駐車場へ止め、少し離れたところにあるアパートへたどり着くと、自室の扉の前に人影があった。歩むごとに逆光線が弱まり、それがだれであるか認識したとたん、私は立ちすくんだ。
「あなた……」
別れた夫と息子がそこにいた。夫はじっと私を見据えると、深く頭を下げた。
「もう一度、やりなおしてくれ」
「え……」
「どうしてもお前がそばにいてほしいと、憲太が言うんだ。おれにとっても、お前は必要な人間だと、離れてわかったんだ」
「そんな……頭を上げて」
「いくらなんでも、無碍な扱いをしてしまった。いままでたいへんだったろう。すまなかった」
「そんなの、謝るの、私の、方だし……。うう、う……」
それから私は号泣した。
アパートの廊下で、周りの目も省みず、大声を上げて泣いた。
こんな泣き方をしたのは赤ん坊のころ以来だろう。
ああ、いま、贖罪は終わった。
私は赦されたのだ!